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冬キャンプ。風に吹かれ、雪に埋もれ、それでも最高の夜

冬のキャンプはいい。虫はいないし、人も少ない。静かで、澄んだ空気がうまい。寒さが身に染みるほど、焚き火のぬくもりがありがたい。

今回は友人二人と一緒だが、なんとキャンプ場は貸し切り状態。管理人さんが「今日は他に予約がないので、好きな場所を使っていいですよ」と言う。なるほど、これも冬キャンプの特権というやつか。

ならば、好きな場所にテントを張り、好きなものを食べ、好きなだけ焚き火を楽しもう。


焚き火を囲み、独り晩酌

まずは火を起こし、体を温める。じんわりと広がる炎の温もり。いい…。寒さを耐えるのではなく、寒さを味わう。それが冬キャンプの醍醐味だ。

さあ、飯にしよう。

メインはイナダの塩焼き。豪快に丸ごと一本。じっくり炭火で焼き上げる。皮がパチパチと弾け、香ばしい香りが鼻をくすぐる。


皮は焦げてしまったが、中はふっくらジューシー

箸を入れると、ふわっと白身がほぐれる。これは…うまい。シンプルな塩だけで、魚の旨みが際立つ。これに熱燗を流し込めば、もう何もいらない。

さらに、バジル入りのソーセージも焼く。じゅわっと肉汁があふれ、爽やかな香りが広がる。これはたまらん…。キャンプ飯は手軽に、シンプルに。素材の旨さをダイレクトに楽しむのがいい。

友人たちはハンバーグや焼き鳥を焼いている。それぞれの料理をシェアしながら、ゆっくり酒を飲む。静かな夜、焚き火の音、香ばしい匂い。最高の時間だ。


深夜2時、強風と雪の襲撃

時間を忘れて語らい、気づけば深夜。さすがに冷え込んできたので、それぞれのテントに戻る。

俺の装備はバロウバッグ#1エスケープヴィヴィ、そしてサーマレストのマット。これさえあれば、冬キャンプも安心だ。

…と思っていたのが甘かった。

寝るときにテントを少し開けたままにしていた。それが運の尽きだった。

深夜2時、遠くから「ゴォォォ…」という不気味な音が聞こえる。なんだ…?いやな予感がする。

次の瞬間、ドンッ!という衝撃とともに、テントの正面部分が吹き飛ばされた。

「な、なんだこれは…」

吹雪が吹き込む。まさかの野ざらし状態。

どうする?テントを直すか?いや、外は猛吹雪、気温-5℃。寝袋から出るのはあまりに無謀だ。ここは…耐えるしかない。

雪が顔に降り積もるのを感じながらも、寝袋の中は温かい。不思議と眠気が勝って、そのまま再び眠りに落ちた。


朝の一言がすべてを物語る

翌朝、先に起きた友人がテントを覗き込み、一言。

「生きてるのか、死んでるのかわからなかった…」

どうやら俺は、雪に埋もれながら眠っていたらしい。

それでも、ぐっすり眠れたのだから、問題ない。

使っているテントは、アメリカ軍のUSパップテント。

また冬キャンプに行こう

焚き火と晩酌。寒さと温もり。風と雪。

冬キャンプは厳しい。でも、それがいい。

また行こう。次こそは、テントが飛ばされないように…。



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