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フェノーメノのニックス遂に見つかる!

・種牡馬フェノーメノが苦境に立たされている。

2020年度種付頭数:28頭
(2019年度:55頭、2018年度:55頭、2017年度:87頭、2016年度:146頭)

参考「【サラブレッドセール(せり市場)=馬市】&【種牡馬】の最新情報 by馬市.com」様

種付頭数は毎年減っていき、2020年はとうとう30頭にも満たなかった。

そんな厳しい状況の中、先月7/11、福島芝1200mの新馬戦で産駒ケッツァーが差し切り勝ちを収めた。

フェノーメノを応援している身としては、明るいニュースである。そんなケッツァーの血統を見ると、少し驚いた。というのは、母父にグラスワンダーを持っていたからである。

そう、現在フェノーメノ産駒の一番の稼ぎ頭キタノオクトパスも母父にグラスワンダーを持っているのである。

これは、もしかしてニックスではないか?と考えた私は、他に母父にグラスを持っている産駒、あるいは母系のどこかにグラスを持っている産駒がいないか調べた所、母父含め母系にグラスンダーを持っている馬が5頭いることがわかった。

それを獲得賞金順に並べると、

キタノオクトパス  5611.1万円 母父グラスワンダー

(地)ドンナフォルテ  931.1万円 母父グラスワンダー

ケッツァー 700.0万円 母父グラスワンダー

(地)イーサン  0.0万円 母父グラスワンダー

キーマーキュリー  0.0万円 母母父グラスワンダー

となる。

母父グラスワンダーを持つのは、キタノオクトパス、ドンナフォルテ、ケッツァー、イーサンの4頭だが、実に3頭が勝ち上がりを収めている。

ドンナフォルテは地方でだが、中央デビュー組に限って見るとキタノオクトパス、ケッツァーの2頭が2頭とも勝ち上がりを見せている。これは少ない母数から驚異的な数字ではないだろうか?

残念なことに同じく母父グラスのイーサンは地方でも勝ちあがれず、祖母の父にグラスを持つキーマーキュリーも勝ち上がれていない。

 

 しかし、ここに低迷を続ける種牡馬フェノーメノの未来に少し光明が見えた気がする。

何と言っても、母父グラスの中央デビュー組の勝ち上がり率は100%なのだ。

そこでこの結果を見て、フェノーメノとグラスワンダーはニックスである。という仮説を立ててみる。すると、血統に面白い点が見えてくる。

例として、キタノオクトパスの血統を見てみると、フェノーメノの母父デインヒルと、母父グラスワンダーの母Amerifloraが、父Danzig、母父His Majestyで相似な血を持っていることがわかる。

要するに、キタノオクトパスはデインヒル≒Amerifloraの3×3を持つことになる。

これは、他のドンナフォルテ、ケッツァー、イーサンといったフェノーメノ×グラスワンダーも同じである。

考えてみれば、ステイゴールドにデインヒルといえば、フェノーメノだけでなくナカヤマフェスタもデインヒルの血を持っており、総じて相性の良い血だと思っていたが、ここに来てフェノーメノを助けてくれるのもやはりデインヒルなのかもしれない。

しかし、上記のように、デインヒルを直接クロスするのでなく、グラスワンダーの持つ相似な血のAmerifloraで相似クロスする方が、上手くフェノーメノの持つデインヒルを引き出せるのではないか、と思わせる結果が出ている。(直接デインヒルをクロスしている馬は未調査。そのうち調べておきます)

以上から、フェノーメノ×グラスワンダーはニックスという仮説を立てます。グラスは現状母父がベストでしょう。まだまだフェノーメノ産駒で母系にグラスを持つ馬の母数が少ないので、今後どんどん出てきてくれれば嬉しいです。

もしフェノーメノが総じてグラスワンダーと相性がいいのであれば、今後量産されるモーリス牝馬の配合相手としても台頭してくるかもしれません。


 血統というのは科学的検証の難しい領域で、こういった考えはあくまで仮説の域を出ませんが、だからこそ私は仮説を立て続けるのが重要だと考えています。例えば、ディープインパクト×Storm Catは今や世界的ニックスとなり、もはや誰もそれを疑おうとはしないように。


どうか、フェノーメノを救おうと少しでも思ってくれている生産者の方がいれば、グラスワンダー牝馬にフェノーメノを付けることを、どうぞご一考よろしくお願いします。



♢追記

既に血統家の平出貴昭さんが予測しておられたのを見つけました。流石です。

フェノーメノ×グラスワンダーはニックスかも。出走2頭でキタノオクトパスが福島D1700mで新馬勝ち。ドンナフォルテが金沢で3勝&重賞2着。DanzigとHis Majestyのクロス。デインヒルとAmerifloraが同配合なので、これを予測していた人もいることでしょう。
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2017104175/

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