「花屋の引継ぎをあきらめた話」
「あきらめました・・・」
昨年から花業界から撤退しようと思い、事業を継承してくれる人を探していましたが、数人から連絡があり、そのうち3件ほどやり取りをしましたが、全て話が途絶えてしまいました。
皆さんはこのノートの記事を読んだり、ツイッターでの活動を見たりして色々とご連絡いただき、実際に働いてもらったり、経営の状況を見てもらったりして話を進めて約1年が経過したかなと思います。
結局誰も引継ぎをしてくれるという状況にはなりませんでした。
「独立したい!」「花の業界で新しいチャレンジをしてみたい!」など、色々な人がいましたが、実際に現場に入ってもらったりすると、色々な部分での【大変さ】がわかったのでしょうか。
ある方は
「コロナの時期には売上が少し下がっていますが、これから売り上げが戻ってくる予定はありますか?」
「このまま売り上げが伸びなかったらどうすればいいですか?」
といったことを言っておりましたが、
「しらねーよ」というのが私の感想です
引き継ぐつもりがあるのであれば、現状の売り上げに頼るのではなく、【現状売上+αで自分が新たな販路を作る】ということは考えないのでしょうか?売上が下がっていることを材料に『買収金額』をディスカウントするのはマジで気分が悪かったです。
事業を渡す側の気持ちがわかってないなと感じました。
通常、M&Aの買収金額は営業利益の2~3年分と言われていますが、それプラス今まで事業にかけてきた想いなどもあることを忘れないで欲しい。ほとんどの場合、『0』の状態から事業を始めて自分で販路を獲得して現在の規模になるまでに何年もかけています。それを「2~3年分の営業利益が〇〇円なのでそのくらいでどうでしょうか?」と言われてすぐのYesという人がどれだけいるんでしょうか?
私が事業を引き継いだ時は、現場に入ってしばらく手伝いをして、代表の方や従業員の方と働き、現状を聞いて引継ぎをしてきました。当然金額などはなるべく相手の要望に沿えるように色々な提案をしました。仮に買収金額が高いと思い、値段を交渉をしたいのであれば、私だったらしばらく働いて関係性を作ってから値段の交渉をします。
事業承継(引き継がせてもらう方)は、相手のことを想い、どれだけその事業にコミットできるかというのをアピールする事が大切だと思います。希望金額だけ払っておしまい。というのはまず無いと思ってます。逆に言うと、希望金額に達してなくても引き継いでくれる方が「頑張ってこの事業を大きくします」という気持ちを見せてくれれば、金額の部分は折り合いがつけられると思ってます。少なくとも私自身はそのように考えています。
というわけで話は長くなってしまいましたが、まだ花屋として頑張ってやっていこうと思います。現状のままでいるつもりもなく、新しい展開もしつつ、動きながら失敗しながら色々なチャレンジをしていこうと思います!
株式会社Citronleaf
代表取締役 澤慶太