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【対談】TOKYO2020と海苔と紅生姜

東京五輪の公式マスコットキャラの名前がわからなかったので、妻と当てにかかることにした。

開催直前のゴタゴタも、南アフリカ戦の久保くんの先制ゴールも、柔道や水泳で既に獲得したメダルも、ある程度は知っている。なのに。公式マスコットキャラを知らない。街中でよく見かける割に名前がわからない。隣のクラスの人気者の顔はわかるけど名前がわからないのと似ている(似てない)。

こやつらのことだ。

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(画像出典:コンフェティ


上の画像を借用するにあたって先ほど検索したので、もう答えは判明してしまった。でも世間知らずなことに、今日まで本当に名前を知らなかった。以下は、この1週間、妻と激論を交わした記録のダイジェストである。


A説:Japanese食卓説

こいつら駅前でよく見かけるんだけど、東京五輪の公式キャラだよね。

― たぶん。でも名前書いてないよね。名前知ってる?

いや知らない。

― 藍色の四角形、きっと公式ロゴの市松模様だと思う。それを貼ってる。

貼ってんの、これ。でもたしかに市松模様を貼ってるように見えるな。貼り方が、いびつだけど。

― 両目の上の2枚は、寝る前になるとスライドして下りてくる仕組みになってると思う。

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激烈にプライバシー保護みたいになった。思わずペイントで描いたら、五輪の5つの輪を額に描き忘れたけど、多分これ国内有数にどうでもいい会話だからほんとどうでもいいわ。

― 海苔にも見える。

見える!というか海苔だ。海苔にしか見えなくなった。

― 名前、「ノリー」じゃない?

絶対に違うけど、いいよそれで。もしそれが真実なら、組織委員会の責任者がネーミングセンスで圧倒的金メダル。絶望部門で。

― じゃあこの女の子の方は?女の子なのかな?

ベニー

― 紅生姜だ!!!

そう。海苔と紅生姜。Japanese Taste 溢れつつ、海外でも馴染みがありそうな音感。割といい線いってると思う。「ノリー」と「ベニー」だ。

― たしかに紅生姜に見えてきた。 ベニー、色素薄め。

梅酢が足りてない。




B説:Japanese草木説

― よく見るとベニーの頭の紅生姜、さきっちょが少し割れてる。

賞味期限切れだ。

― これ、思ったんだけど、桜じゃない?

!!!

― 桜にしては色が随分ピンクだけど、日本的だし。名前は「さくら」だねきっと。

桜だ。ファミリア。さくらだ。間違いない。国花だ。紅生姜ではない。

― 両目の周りが桜の花びらの形に彩られてるのも、まつ毛みたいで女性的。

あっぱれな推察。ノリーと同じ仕様なら、さくらのほっぺにある花びらマークは上にスライドするはずだ。さっきよりも画力低いしウエスト3倍ぐらいになっちゃったけど、こんな感じ。

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― さくらは、眉毛あるんだね。

そう。描いてて気づいた。

― 「ノリー」と「さくら」ってアンバランスじゃない?

もはや何を気にしているのかわからないけど、ちょっとわかる。

― 「さくら」なら、市松模様の子も、もっと日本男児的な名前だと思う。

多様性を謳う五輪大会でジェンダーの話題をマスコットキャラに盛り込んでくるとは思えんけど、ちょっとわかる。

― 「タケ」とか。

あだ名やん。

「タケ」と「さくら」。うん、しっくりくる。

でもなんでタケなの。

― 市松模様って格子状でしょ。格子状といったら竹細工。

連想ゲームかよ。

― 「さくら」と並んで、どっちも日本らしい草木の名前っていうのがポイント。

いいよそれで。




C説:Pokémon説

すっげえどうでもいいんだけどさ。いや、さっきからどうでもいい話しかしてないんだけどさ。

― うん。

こいつら、「ミュウ」と「セレビィ」に似てない?

― 似てる。笑

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(画像上出典:ポケモンずかん No.151 No.251
(画像下出典::コンフェティ


モチーフとしての利用を許可するとは、任天堂も懐が大きい。

― 名前じゃないけど。笑




D説:Simple is Best 説

でも世界的な大会なのに、こんな純ジャパな名前つけるかな。

― たしかに、ちょっと開催国に寄せすぎかもね。

もっとこう、シンプルで、五輪のマスコットキャラだよっていうのがすぐわかるような。ユニバーサルな。

「オリンくん」と「パリンちゃん」とか?

組織委員会の会議始まって2分で決まったみたいな名前だけど、そういうやつ。パリンちゃんに至っては何故か「パラリン」からちょっと省略されちゃっててもうよくわかんない。

― うーん、微妙。わたしは「さくら」だけは合ってると思う。

今まで挙がった候補ってなんだっけ。

― えーと。

A説:「ノリー」と「ベニー」
B説:「タケ」と「さくら」
C説:「ミュウ」と「セレビィ」 ※モチーフとして
D説:「オリンくん」と「パリンちゃん」

「さくら」以外の確度が低すぎて話にならない。

― もういいから答え教えてよ。







(上記リンク先より転載)
東京2020オリンピックマスコットは、大会エンブレムと同じ藍色の市松模様を頭部とボディにあしらっています。コンセプトは温故知新。温故知新とは日本の伝統的なことわざで、昔のことをよく学び、そこから新しい知識や道理を得ることを言います。そのコンセプト通り、伝統を重んじる古風な面と最先端の情報に精通する鋭い面をあわせ持っています。正義感が強く、運動神経もバツグン。特技はどんな場所にも瞬間移動できることです。

<名前の由来>
ミライトワという名前は、「未来」と「永遠(とわ)」というふたつの言葉を結びつけて生まれました。名前に込められたのは、素晴らしい未来を永遠にという願い。東京2020大会を通じて、世界の人々の心に、希望に満ちた未来をいつまでも輝かせます。
ミライトワという名前は、「未来」と「永遠(とわ)」というふたつの言葉を結びつけて生まれました。名前に込められたのは、素晴らしい未来を永遠にという願い。東京2020大会を通じて、世界の人々の心に、希望に満ちた未来をいつまでも輝かせます。


(上記リンク先より転載)
東京2020パラリンピックマスコットは、桜の触角と超能力を持つクールなキャラクター。顔の両サイドにある桜の触角でテレパシーを送受信しています。また、市松模様のマントで空を飛ぶことができます。普段は物静かですが、いざとなると誰よりもパワフル。超人的パワーを発揮するパラリンピックアスリートを体現する存在です。凛とした内面の強さと自然を愛する優しさをあわせ持っています。超能力を使って石や風と話したり、見るだけで物を動かすこともできます。

<名前の由来>

ソメイティという名前は、桜を代表する「ソメイヨシノ」と非常に力強いという意味の「so mighty」から生まれました。桜の触角を持ち、驚きの強さを見せるソメイティ。東京2020大会を通じて、桜を愛でる日本の心とパラリンピックアスリートの素晴らしさを印象づけます。


「ミライトワ」と「ソメイティ」かあ。市松模様と桜(ソメイヨシノ)の部分だけ合ってたね。

そうだな。100点満点のテストなら5点ぐらい。

― 「未来とは?」ってなんで自問してるの。

違う。「未来」と「永久(とわ)」を掛けてる。

― ふうん。でもそういえば、この名前聞いたことある気もする。

うん。ある。大概にしろってぐらいいい加減な推測だった。

― 組織委員会に謝った方がいいね。

開催前に色んな人がたくさん謝ってたから、もういいと思う。

― あ、今日サッカーのメキシコ戦だよ。

そうだった。久保くん、また先制点決めてくれないかな。






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