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【回想日記】夏の蓼科旅行(前編)
夏休みをまだ取ってないから、日記を書けない。取れても旅行はできそうにないから、やっぱり書けない。でも過去に夏休みを取ったことはあるから、回想日記は書ける。
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2018年夏。今年も妻と蓼科高原へ旅行に行った。長野県茅野市。県の真ん中より少し南にあり、蓼科高原のほか、八ヶ岳や白樺湖といった避暑地があることでも知られている。日中は暑いけど、日が沈むにつれて空気がひんやり冷えてくるから過ごしやすい。
東京からは車で中央道を走って2時間ちょっと。コバルトブルーの夏空と、深い緑の山並みに囲まれながら走り抜けるのは爽快で、夏のど真ん中に向かっていく高揚感がたまらない。
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小淵沢ICで降りて、星野リゾートが運営する「リゾナーレ八ヶ岳」に立ち寄った。最近リニューアルオープンした観光地で、ホテルのほかにも雑貨やグルメのお洒落な店が集まっているらしい。
入ってまず目に入ったのは、ヨーロッパを思わせる石畳の回廊。「ピーマン通り」という名前らしい。野菜炒めしか思いつかない。天気がよかったのもあって気持ちのいい空間だった。圧倒的解放感。気持ちいい。
妻がピーマンになりたいというので、写真を撮った。
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通りには色々な雑貨屋が並んでいて、石畳を数歩進んでは足を止めてばかりだった。木細工のインテリア雑貨を置いている店で、栗の形をした箸置きが目に留まった。新居で二人暮らしを始めて数カ月。客人と呼べるような人を招くこともないけど、ウォルナットのダイニングテーブルには合いそうだなと思ったので4つ買うことにした(今も毎日使ってる)。
施設の奥は、少し開けたテラスみたいになっていた。八ヶ岳の山麓が一望できる。カフェが併設された本屋があったので、そこでひと息。
ピーマン通りの雰囲気そのまま、画集や文庫をはじめて装丁のお洒落な本が並んでいた。妻はカフェオレ、ぼくはブレンドをそれぞれSサイズで注文。旅行にはいつも連れてきているアイコンのきなこも、ようやくテーブルでリラックス。移動中は、ずっと妻のバッグで待機してるから。
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このときどんなお洒落な本を手に取ったのかなと思い、上の写真をズームしてみたら、本の帯に「今日も妻のくつ下は、片方ない。」って書いてあった。お洒落さ皆無。写真のセンスどうにかしてほしい。
ひとしきりリゾナーレを楽しんで、蓼科に向かう。前の年も来たのでちょうど1年ぶり。チェックインしてしばらくするともう夕方だった。外の景色が見える間にレストランに入りたいねということで、早めの夕飯へ。なんとなく、こういうときどうしても「ディナー」と呼ぶ気にはなれないんだよね。夕飯は夕飯。夕食でもなくて夕飯。なんでだろう。まあいいや。
翌朝は、ホテルのそばにある陶芸工房に行ってみた。
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大きな古民家をそのままギャラリーにしたような空間は、時間の流れがゆるやかだった。素朴な焼き物たちに見惚れてしまい、思わず一つ買ってしまった。くすんだ灰色が良い感じ。これは酒の肴が映えるに違いない。
工房の前の民家の入口で、立派な栗かぼちゃがプライスレスで世に放たれていた。丸ごとレンジに入れていいの。まじで。一ついただきました。
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午後はこの旅行の山場(?)である、渓流沿いのトレッキング。普段身体を動かしていないぼくらにとってはチャレンジでしかなかった。直前に諏訪湖のそばの靴屋で二人そろってスニーカーを購入。意気込みだけは人一倍に決め込んでいざスタートしたら、思っていたよりも散策道の傾斜がマイルドで助かった。
道のいたるところに「マイナスイオン指数:20,000個/CC」みたいな看板が立っていた。どんどん数字が大きくなっていくので健康になった気がしていたのに、両足はどんどん重くなっていくので途中から嘘だと気付いた。でも、渓流の音を聞きながら緑に囲まれたゆるやかな坂道を歩くのは、いかにも高原で過ごす夏休みという感じ。
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写真見返してて思った。この頃の妻はこんな山道を歩けたんだなあ。この旅行のあと1年としばらくして、妻は突然腰を悪くして歩けなくなった。今(2021年夏)はもうだいぶ回復して一人で駅前に買い物も行けるようにもなったけど、この山道はまだまだ無理そう。世間が落ち着いたら、またこんなトレッキングもしたいな。ちなみにあなた何を指さしてるの。
散策道のゴールは小さな滝だった。アップダウンに耐えて汗ばんだ身体に、滝の水しぶきが気持ちいい。滝の前でぼくがポーズをとってる写真が残ってたけど、疲れてぐったりしててそのままWater fall へまさにFall する人にしか見えなかったので、ここには到底載せられない。
帰り道、諏訪湖のそばの宮坂醸造(酒蔵)に寄って四合瓶を買った。長野の銘酒「真澄」を醸す老舗蔵。妻に車で待っててもらって、閉店間際にちょっと贅沢なのを一本だけゲットした。
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夜、日付が変わるのとほぼ同時に妻と一緒にホテルの部屋で開栓。工房で買った焼きものを盃にしてぐいっと呑んだ(ちなみにこれ酒器ではない)。なんでかといえば、この日がぼくの誕生日だったから。お酒が良いのはもちろん、良い器で呑むと、お酒の味はほんと変わる。
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なんかほんとに昨日旅行してきた気分になってきた。
楽しいなあ。明日も書くよ。