10/6(日)プロローグ
時計を見るとまだ朝5:00
娘の泣き声で起こされる。
ね、ねむい。
ここのところ寝不足気味なのは8月に生まれたばかりの娘がすぐ隣で声を上げるからだ。それでも3時間もない間隔で昼夜問わず授乳している妻に比べればなんてことはない。それに娘の存在はとにかく愛おしい。どちらにしても今朝は山形まるごとマラソンを走るので普段よりも早起きするつもりだった。
身支度を整え娘の顔を見に寝室へ行くと授乳中だった。じゃあ行ってくるよ、と妻と娘に告げ自転車で仙台駅へ。駅のコンビニでおにぎりを買いこむ。
6:10発の仙山線に乗り込む
同じマラソン参加者と思われるスポーツウェア姿の人もちらほらいる中、ボックス席に座り早速おにぎりを食べる。ペットボトルのお茶は家から持ってきた。半分くらい残したこのお茶を数時間後に病室で飲むことになるとは露知らず…。
仙山線で終点の山形までは1時間半少々。その間スマホでDQウォークをやっていた。元々車内で寝ようかなと思っていたが、結局ずっとやってしまった。
7:37山形駅に到着
会場までのシャトルバスは長蛇の列。時間には余裕があるので心配はしていないが乗り込むと満員。立ちっぱなしで20分以上揺られるのは結構しんどかった。
8:00過ぎに会場に到着
参加賞を受け取ってから体育館2階の座席に腰掛ける。スマホを手に取りLINEのビデオ電話で妻に電話した。
2週間前の一関国際ハーフマラソンの会場で、娘と思われる5歳くらいの女の子にビデオ電話で話している男性を見かけたので自分もやろうと決めていたからだ。そうそうあの時は数日前から妻とつまらない事でケンカ中だった…。
電話に出た妻はまた授乳中だったが娘の表情が映るようにカメラを向けてくれた。おっぱいを中断された娘はおかんむりで泣き叫ぶ姿が見える。これじゃとても笑顔を向けてくれるのは難しいと察し、じゃあまたと電話を切った(これが妻子との最後の会話になる可能性もあったわけだ)。
走る格好になり手荷物を預けるビニール袋に荷物をまとめて預けてからトイレに向かう。
大の方は長蛇の列。「スタートに間に合わないかもしれない」そんな会話も聞こえる。私は練習が充分出来なかったこともあり今日はマイペースて無理せず走るつもりなので気負いはなかった。
スタート10分前にトイレを出てスタート位置に着く。「スタート30秒前」前方からの声。
パーン!と乾いた音が。ん!?号砲?鳴った?
9:05山形まるごとマラソン2019スタート
次にここに戻って来るのはゴール後になる。