「日常」から生まれる造形美/duoctria 稲井つばさINTERVIEW
渋谷区幡ヶ谷のコンセプトアパレルショップPOESIES(ポエジー)にて、ユニセックスジュエリーブランド『duoctria (ドゥオクトリア)』 が受注会/POP UPを開催します。会期中はデザイナー稲井つばさ氏も在店します。
duoctria ORDER/POP UP EVENT
at POESIES
POP UP 期間
3days
2/10(sat.)、2/11(sun.)、2/12(mon.)
12:00-19:00
昨年の9月ころ、たまたま妻がSNSでduoctriaを見つけ、実際に商品を見てみたいと思ったところ、ちょうど祐天寺でポップアップを開催する予定の前日でした。
幡ヶ谷から祐天寺へ。そのイベント最終日にギリギリ間に合い、ちょうど稲井さんもそのとき在廊していて、タイミングよく直接お話をする事ができました。
幡ヶ谷でPOESIESというお店を運営している旨を伝え、その後、妻が何度かメールでやり取りを重ねました。お店にもわざわざ遊びにも来ていただき、POESIESで何かお取り組みができたら面白いのではと思い「一緒に何かやりませんか」とお声がけさせていただいた経緯があります。
そして今回のイベントのために新作もご用意いただきました。
先日お会いした際、イベントへ向けての話し合いをしている中で、ジュエリーデザイナーとしてのルーツやこれまでのキャリア、創作の背景にある哲学やユニークな視点、印象的だった出来事など貴重なお話を伺いました。
その内容を、せっかくですのでデザイナーインタビューとしてまとめさせていただきました。
ブランドに込めた想いや今後のこと、そして今回のイベントについてもコメントいただいています。
INTERVIEW
ーまずは稲井さんのこれまでのキャリアを教えてください。
大学進学を機に地元である沖縄を出て武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科へ進学。
在学中に金工を専攻することになり、それがきっかけで卒業後に小さなジュエリーショップに就職。接客から制作・デザインまでを経験し、独立。オーダーメイド制作の経験を活かし、duoctriaの前身となるneutraを立ち上げました。
この時はオーダーメイドと既成デザインのアイテムを一緒くたにしていましたが、数年後にduoctriaを立ち上げる際に分化。
社内で複数ブランドへ出資・運営する企業に籍を置き、2021年1月にduoctriaをローンチ。現在の基盤となるアイテムを制作しました。この時期に以前から憧れていたクリエイターの方々との貴重な協業の機会を経て、昨年再び独立しました。
この説明で気づいたのですが、ブランド立ち上げから今年で3年目となりました。こうしてイベントを開催できるのも、duoctriaを見つけていただいた斎藤さまやお客さま、運営する上で力を貸してくれる方々あってのことなので、とても有り難く感じています。
ーこちらこそ、素敵なご縁に感謝しています。さてジュエリーデザインをスタートしたきっかけは?
大学で金属工芸を専攻していたことと、ファッションに興味があり、触れられる彫刻があったらいいなと思っていたので、すべてを活かせるのがジュエリーでした。
ーアーティストとしての活動もされてらっしゃいますが、これまでの具体的な活動内容と、影響を受けたアーティストはいますか?
これまでのアートジュエリーの制作活動は、JJDA主催の日本ジュエリー展というコンペで30歳以下の部門に入選。その後スペインのアートジュエリー展 JOYA Barcelonaへ参加し、現地で展示をしました。
わたしにとって制作したものを公の場で発表することが、社会との関わりをもつ方法の一つなので、現在はブランドでの活動がその役割を担っているように感じています。
現在、duoctriaの定番になっているKifukuシリーズですが、実は鈴木哲生さんのカレンダーから文字のデザインに興味を持ちはじめたことがきっかけでした。
また、GUCCIMAZEさんの展示で、文字を描く際は身体的に自然なストロークで描くために、描く画面の方を自由に動かすようなことを話されていたことが印象に残っていたところも、現在のアイテム制作の際のドローイングの描き方に影響を受けていると思います。
特定の何かや誰かの影響というよりは、いろんなところから少しずつ「いいな」と思うところを集めて、自分なりに分析したり練り上げたりして制作に繋げています。
ーそういった背景があったのですね。duoctriaはファッション性のあるジュエリーだと感じていますが、どのようなファッションに影響を受けましたか?また好きなファッションデザイナーなどがいれば教えてください。
高校生の頃に初めてマルタン・マルジェラのショーをテレビ番組のファッション通信で見て衝撃を受けました。服自体やコレクションの見せ方もすごいなと思いましたが、デザイナーの哲学が一貫しているところにも痺れました。
さまざまなファッションやスタイルが好きではありますが、特にファッションデザイナーとしては日本人女性で世界的に活躍されている川久保怜さんを尊敬しています。
ーそうなんですね。僕にとってもマルジェラや川久保さんは大きな存在です。
さてブランド名の由来や、コンセプトなどを教えてください。
なるべくブランド名自体に意味やイメージを持たせたくなかったので、ラテン語を繋げた造語にしました。
コンセプトは、身近な存在を新たな視点で解釈したり、日常を慈しむきっかけを作るジュエリーブランド。
人や物事のように、見る角度や着け方によって表情が変化する、多面性のあるアイテムを展開しています。
ークリエイションのインスピレーションになっているものは何ですか?
日常の中で印象深かったことや、些細なことの集積、普段よく目にしているはずのものから再発見したことなどがアイデアに繋がることが多いです。
ー稲井さんの「日常」の捉え方がとても素敵だなと思います。ジュエリーデザイナーを務めてきて、これまでのハイライトは?
duoctriaのブランドビジュアル制作の際に、スタイリストの山本マナさんや樋口麻理江さん、メイクアップアーティストのUDAさん、フォトグラファーの熊谷勇樹さんや田中 雅也さんなど、以前から注目していた素晴らしいクリエイターの方々とお仕事ができたこと。
プロダクトの制作面でもKEISUKEYOSHIDAさんとのコラボレーションができたこと。
また、直接ご案内したお客さまに「良い買い物をしました!」と喜んでいただけたこと。気に入っていただいた方々の声、一つひとつが嬉しいです。
ー高揚感のあるコラボレーションですね。それぞれのアーティストの個性が一体となり調和され、duoctriaの世界観が伝わります。今後の創作も楽しみです。
これからのヴィジョンについても教えてください。
日常や身の回りのことからアイテムが生まれることが多いので、これからはお客さまの声にも耳を傾けつつ、小さくとも新しいことに挑戦し続け、より良い物を作り続けていこうと考えています。
ー最後に、今回のイベントについて一言お願いします。
今回は現在あるアイテム全種に新作を少し加えてお待ちしております。店頭で実際にいろいろ着けて頂きながら、アイテムのことなど直接お話しできると幸いです。
duoctria ORDER/POP UP EVENT
at POESIES
[ 期間 ] 2024年2月10日(土) 〜 2月12日(月)
[ 時間 ] 12:00 〜 19:00
[ SHOP 情報 ] POESIES(ポエジー)
東京都渋谷区幡ヶ谷 2-1-3 高橋ビル 1F
tel : 080-5739-0795
▪️会期中はデザイナー稲井つばさ氏が在店します
▪️イベント開催に合わせて新作ジュエリーのローンチを行います
※受注品の納期について
会期終了後より6〜8週間程度になります。
(新作は8週間程度、ほか既存のアイテムは6週間程度)
POESIES Instagram:
duoctria Instagram:
duoctria official
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