失敗★蓮ストール 1-Ⅲ-if
【 雨宮蓮へのインストールに失敗しました! 】
#夢小説 ♯ペルソナ5ロイヤル ♯女主 ♯成り代わり ♯微改変✕ ♯オリジナル混合中!
夢主は周回プレイ記憶者です。
★今回はメタ発言盛り回です。
☆苦手な方は、一番下のキャラクタープロフィールだけでも把握していってください。
※題名※ ERROR!!
今回からしばらく、日常にオリジナル展開を混ぜていきます。原作からそんなに逸脱はないはず。
\前回までのあらすじァ!!/
読者はその存在を気にしてもいいし、ネームドNPCだと思ってもいい。
「 ジョーカー、お話ししましょう 」
「化けの皮剥がれるの早くないか」
「わたしはルブラン。8さいです」
と、しょっぱなから情報量を叩きつけてきた。
よじよじと、ソファ席の対面にリンが座る。正座したらしい、少し顔の高さがましになった。
俺はモルガナを抱き上げて、一応俺の膝の上に運ぶ。
「『お待ちしておりました、あなたは*****人目のジョーカー』……という表現は、もう古いのです?」
「まちまち、かな…」
「今となってはジョーカーの数も、万で数えられはしないです」
「飛ばしすぎだぞ」
「……な、……なに言ってんだ、…………こいつ?」
敬語になりきれない丁寧語で、メタ発言を続けざまにする少女に、モルガナが萎れて縮こまる。ヤルダバイゴールか、それ以上に特別な存在……、
タムリン、さくら りん、もしくはルブラン。
彼女はじっとモルガナを見つめる。
「だいじょうぶ、彼女がわかればいいはなし。モルガナもおはなしを聞く?」
「…………」
不安げにミィと鳴いた彼がふっくらと体毛を膨らませるのを、優しく撫でる。
「…………オマエは、わかるのかよ」
「うん」
「……オマエ……、わからないやつだなぁ……」
モルガナはゆっくりと俺の膝から降りたが、ギュッと俺の腰にひっつき、呼吸する毛玉になる。モルガナがかたくなに目を閉じ、丸くなっているのを、何度か撫でて俺は少女の姿に視線を戻した。
それで、
「なんて呼べばいい?」
「ルブランは佐倉惣治郎のものでしたし、あなたはタムリンを呼ぶようにさせられたのです。そうなので、さくら りんと」
「佐倉、タム、リンと」
「あなたはリンちゃんと呼んでいましたね」
「とりあえずリンでいいか」
佐倉さんの前ではリンちゃんと呼んで、
ペルソナはタムリンと呼べばいい。
「わたしはルブランですが、正確にはジョーカーが1年を過ごした間のルブランのことを指します。たくさんのジョーカーがルブランで過ごした、その先で見るひとつの夢、それがわたし、です」
「8歳というのは━━発売から8年?」
俺そっくりの鉄面皮は、こくりと頷いた。
毛玉が耳を、俺の腰に頭を擦り付けている。猫の体では『耳をふさぐ』ことができない。
「……もしくは、ひとつの夢に付き添って現れたのがわたしです」
「すごい曖昧な存在だな」
ロイヤルはさておき、ペルソナ5は発売から8年経つ。P5プレイヤーがこの世界で否応なく過ごさせられる場所、それがルブランだから、辻褄は合う。プレイヤー、周回プレイヤー、アニメ、マンガ、二次創作…これら全て「『平行世界』の『ジョーカー』」として別人カウントすれば『たくさんのジョーカー』ともなり、それに『たくさんのifのルブラン』が追随することは当然となる。
「ジョーカーの存在にはルブランが必要です」
「スマブラとかのコラボ以外は」
それにも頷き返してくるあたり、天上人か、知識量が俺並みなのか。
「重ねれば、百年にもなるです」
━━百年……。
プレイ時間とか、が。…か。
「付喪神とか、座敷わらしか……」
あ、
そうか。
なるほど。
ジョーカーあることないことうろ覚えwiki…… 座敷童は赤色の服で現れることが多い。
という知恵が潜在的にあったから、リンはルブランで現れるに当たって、赤衣の座敷わらしになったのか。
タムリンとしての青い衣、銀の髪と金の瞳、そしてここでの給仕という姿は、ベルベットルームの住人と、そのメイドを思わせる。
認知が混ざりすぎてぐちゃぐちゃになっている、と俺は解釈した。
「ルブランの存在には、ジョーカーが必要ですから……“あなた”のワイルドなペルソナの中でも、特別らしいタムリンの姿になったようです。ルブランは」
ルブランへのジョーカーからの思い入れを、100年分アルカナバーストしたら、それは現実世界にも体を得て顕現できるのかもしれない。
「この世界がおゆるしになったから、できたことですが、」
「それは神様か、夢の主が、」
「目を背けるなら、やめること」
交互に話しているはずだが、まるで一文に、思考回路が続いているようだ。
「タムリンが特別になったのも、タムリンがルブランの姿のモデルになったのも、そもそもルブランが姿を得たのも……まあ、この世界独特だろうな。独特すぎるだろ」
俺そのものも、な。
「さくらも、ルブランから出られないだけで、本当はルブランではないかもしれないです」
「そうか。なら、5割くらいはルブランということにしておこう」
「では、わたしがジョーカーと異世界に着いて行っているのも、依り代の半分がタムリンだからかな」
「ややこしいなあ」
ついてきているタムリンはルブランなのか。
そうか。
タムリンを処刑したら、リンも消えるのかな。
少なくとも、俺が認知している空間の中では、俺だけが納得しているので、もう少し納得仲間がいてくれると嬉しい。
「それで……えっと、そう」
リンは机に肘をつくと、そのまま両手をテーブル上に、身を乗り出す。
「さくら りんは、誰をも加害しない。ジョーカーをお手伝いします。やくそく」
…………。
「こないだ佐倉さんがバグったことについての弁明は?」
「ごめんなさいでした」
ぺたっと乗り出した身でテーブルに伏せった。
やっぱりお前の仕業か、このやろう、怖かったんだぞ。と、リンのふわふわ髪をかき混ぜた。
「ジョーカー。いえ、あなた。あなたいてこそ、さくら りんは存在します。わたしがいなくても、関係のない助けは、いくらでもします。どうか、わたしを、使ってください」
「……例えば?」
「おりょうり、おそうじ、めざまし、とか」
ほんとにメイドさんみたいになってきた。
そして、
「川上貞代にさせられることはできません」
思考を読んだように念押ししてきた。
ルブランで在る間は、システムには干渉できないらしい。それは確かに、リンがいなくても関係ないことしかさせられない。
「━━しかし、」
机に伏せった体を起こしはしながら、リンは肘を置いてこちらを無表情で見つめる。
「あなたが、みなに軽蔑されても、みなを侮辱してでも……良いと覚悟して世界を変えるつもりなら、わたしは手伝うでしょう」
【誰に軽蔑されてもいい。
誰を侮辱することになってもいい。
改変できるなら変えたい展開もある】
「わたしは、夢と現実、理想とゲームの狭間…その時計台の鐘撞き」
テーブルに身を乗り出すどころか、その上に座ったリンは、もはや俺のことを見下ろしている。
「時計台の、鐘、撞き……」
モルガナが確かめた彼女の姿は、柱の振り子時計に戻っていくものだった。それは時間がくれば、それを知らせるために鳴る。今はからくり仕掛けだが、昔はその役目を果たす人が、鐘を鳴らしていたとも言う。
現代に合わせて言い換えるなら、
“アラーム”。
「肯んずるならわたしは、大鐘を鳴らす。人の心の奥に変化を知らしめる。警鐘か、大銅鑼か、鈴の音か。そういう、なにかを━━」
時計、または時間は、この世界…ゲームを語る上で、欠かせない要素だ。
「あなたが世界を変えるちから…響かせます。お任せを。……さあ、あなたには今、明確に世界を変える機会が与えられているです」
机の上で、うやうやしく礼をした。
その彼女が、頭を上げて真剣に俺を見つめる。
世界を変える機会。
間違いない、
真さんが探し出したパレス。
それを攻略して、校長先生が『改心』すれば、“ペルソナ5ロイヤル”の物語がどれだけ大きく揺さぶられるものか……!
銅鑼とまではいかないが、大鐘が響くほど…と例えられるような影響は、きっと出る。
「………… …………今は、」
俺が『夢主』なら、
皆はきっとこの提案に諸手を上げて賛成するだろう。だから、今、俺は背中に冷や汗を流し、ためらうのだ。責任の在り処はどこにあるのか━━、と。
「あなたが思えば、いつでも」
俺は許されるのだ、きっと。
この世界の行く末を、可能性を、知っているくせに、それを隠して! 登場人物のふりをして! 元の心さえ都合よく忘れ去って! ……きっとそれを話したところで、許されて……!
そして“誰かが代わりに背負ってくれる”!!
きっと頼んだ瞬間、俺が黙っていても、真さんが他のメンバーに情報を漏らすような、そういうイベントに追い込まれるに違いない。
俺が夢主だという認知、
成り代わり主だという認知、
……それが俺を、一際浮き立たせる。
俺のことをよく知る者が、俺が物語を弄くり回すのに協力しようという状況……、
「…………悪魔め…………!」
俺はぎらぎらと笑う。どくどくと体が脈動し、体中を震わせる。理性は体から汁となって滲み出して気体と乾いていく。俺は歯と歯ぐきを剥き出しにし、目を見開いて、リンを見上げている。
「クククク…… ははははははっ!」
━━俺は柔な椅子を立った。
リンを見下して、その両肩を掴んだ。
善行のために人を嬲る叛逆心が体を焼く。
「 鐘を鳴らせ!
この世界を変える!! 」
【雨宮蓮へのインストールに失敗しました!
XX-Ⅲ-if】
★サクラ・ リン
☆★ To be continued!! ★☆