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失敗★蓮ストール 1-Ⅲ-if

【 雨宮蓮へのインストールに失敗しました! 】

#夢小説  ♯ペルソナ5ロイヤル ♯女主 ♯成り代わり ♯微改変✕ ♯オリジナル混合中!
夢主は周回プレイ記憶者です。

★今回はメタ発言盛り回です。

☆苦手な方は、一番下のキャラクタープロフィールだけでも把握していってください。

 ※題名※ ERROR!!
今回からしばらく、日常にオリジナル展開を混ぜていきます。原作からそんなに逸脱はないはず。


 \前回までのあらすじァ!!/

6/30 (木)
 真から、原作にない『秀尽校長パレス』の発見から攻略を提言された蓮。情報開示は、蓮に委ねられた。
展開はどう転ぶ? どうする……?

 夜、神田の教会を訪ねる。
洸星高校2年生、女棋士『東郷一二三』。
彼女の将棋から、パレスの戦術の着想を得るため(?)、【星】アルカナの取引を結ぶ。

 ……そして、閉店間際のルブランに帰って、『さくらりん』を見守り、佐倉惣治郎を送り出した。彼女の顔つきが変わる。
改めて名乗った。
わたしはルブラン━━。

読者あなたはその存在を気にしてもいいし、ネームドNPCだと思ってもいい。









「 ジョーカー、お話ししましょう 」


「化けの皮剥がれるの早くないか」
「わたしはルブラン。8さいです」

 と、しょっぱなから情報量を叩きつけてきた。




 よじよじと、ソファ席の対面にリンが座る。正座したらしい、少し顔の高さがましになった。
俺はモルガナを抱き上げて、一応俺の膝の上に運ぶ。

「『お待ちしておりました、あなたは*****人目のジョーカー』……という表現は、もう古いのです?」
「まちまち、かな…」
「今となってはジョーカーの数も、万で数えられはしないです」
「飛ばしすぎだぞ」
「……な、……なに言ってんだ、…………こいつ?」

敬語になりきれない丁寧語で、メタ発言を続けざまにする少女に、モルガナが萎れて縮こまる。ヤルダバイゴールか、それ以上に特別な存在……、
タムリン、さくら りん、もしくはルブラン。
彼女はじっとモルガナを見つめる。

「だいじょうぶ、彼女がわかればいいはなし。モルガナもおはなしを聞く?」
「…………」

不安げにミィと鳴いた彼がふっくらと体毛を膨らませるのを、優しく撫でる。

「…………オマエは、わかるのかよ」
「うん」
「……オマエ……、わからないやつだなぁ……」

モルガナはゆっくりと俺の膝から降りたが、ギュッと俺の腰にひっつき、呼吸する毛玉になる。モルガナがかたくなに目を閉じ、丸くなっているのを、何度か撫でて俺は少女の姿に視線を戻した。


 それで、


「なんて呼べばいい?」
「ルブランは佐倉惣治郎のものでしたし、あなたはタムリンを呼ぶようにさせられたのです。そうなので、さくら りんと」
「佐倉、タム、リンと」
「あなたはリンちゃんと呼んでいましたね」
「とりあえずリンでいいか」

 佐倉さんの前ではリンちゃんと呼んで、
 ペルソナはタムリンと呼べばいい。

「わたしはルブランですが、正確にはジョーカーが1年を過ごした間のルブランのことを指します。たくさんのジョーカーがルブランで過ごした、その先で見るひとつの夢、それがわたし、です」
「8歳というのは━━発売から8年?」

俺そっくりの鉄面皮は、こくりと頷いた。
毛玉が耳を、俺の腰に頭を擦り付けている。猫の体では『耳をふさぐ』ことができない。

「……もしくは、ひとつの夢に付き添って現れたのがわたしです」
「すごい曖昧な存在だな」

ロイヤルはさておき、ペルソナ5は発売から8年経つ。P5プレイヤーがこの世界で否応なく過ごさせられる場所、それがルブランだから、辻褄は合う。プレイヤー、周回プレイヤー、アニメ、マンガ、二次創作…これら全て「『平行世界』の『ジョーカー』」として別人カウントすれば『たくさんのジョーカー』ともなり、それに『たくさんのifのルブラン』が追随することは当然となる。

「ジョーカーの存在にはルブランが必要です」
「スマブラとかのコラボ以外は」

それにも頷き返してくるあたり、天上人か、知識量が俺並みなのか。

「重ねれば、百年にもなるです」

 ━━百年……。
 プレイ時間とか、が。…か。

「付喪神とか、座敷わらしか……」

あ、
そうか。
なるほど。
ジョーカーあることないことうろ覚えwiki…… 座敷童は赤色の服で現れることが多い。
という知恵が潜在的にあったから、リンはルブランで現れるに当たって、赤衣の座敷わらしになったのか。
タムリンとしての青い衣、銀の髪と金の瞳、そしてここでの給仕という姿は、ベルベットルームの住人と、そのメイドを思わせる。
認知が混ざりすぎてぐちゃぐちゃになっている、と俺は解釈した。

「ルブランの存在には、ジョーカーが必要ですから……“あなた”のワイルドなペルソナの中でも、特別らしいタムリンの姿になったようです。ルブランは」

ルブランへのジョーカーからの思い入れを、100年分アルカナバーストしたら、それは現実世界にも体を得て顕現できるのかもしれない。

「この世界がおゆるしになったから、できたことですが、」
「それは神様か、夢の主が、」
「目を背けるなら、やめること」

交互に話しているはずだが、まるで一文に、思考回路が続いているようだ。

「タムリンが特別になったのも、タムリンがルブランの姿のモデルになったのも、そもそもルブランが姿を得たのも……まあ、この世界独特だろうな。独特すぎるだろ」

俺そのものも、な。

「さくらも、ルブランから出られないだけで、本当はルブランではないかもしれないです」
「そうか。なら、5割くらいはルブランということにしておこう」
「では、わたしがジョーカーと異世界に着いて行っているのも、依り代の半分がタムリンだからかな」
「ややこしいなあ」

ついてきているタムリンはルブランなのか。
そうか。
タムリンを処刑したら、リンも消えるのかな。
少なくとも、俺が認知している空間の中では、俺だけが納得しているので、もう少し納得仲間がいてくれると嬉しい。

「それで……えっと、そう」

リンは机に肘をつくと、そのまま両手をテーブル上に、身を乗り出す。


「さくら りんは、誰をも加害しない。ジョーカーをお手伝いします。やくそく」


 …………。

「こないだ佐倉さんがバグったことについての弁明は?」
「ごめんなさいでした」

ぺたっと乗り出した身でテーブルに伏せった。
やっぱりお前の仕業か、このやろう、怖かったんだぞ。と、リンのふわふわ髪をかき混ぜた。

「ジョーカー。いえ、あなた。あなたいてこそ、さくら りんは存在します。わたしがいなくても、関係のない助けは、いくらでもします。どうか、わたしを、使ってください」
「……例えば?」
「おりょうり、おそうじ、めざまし、とか」

ほんとにメイドさんみたいになってきた。
そして、

「川上貞代にさせられることはできません」

思考を読んだように念押ししてきた。
ルブランで在る間は、システムには干渉できないらしい。それは確かに、リンがいなくても関係ないことしかさせられない。

「━━しかし、」

机に伏せった体を起こしはしながら、リンは肘を置いてこちらを無表情で見つめる。

「あなたが、みなに軽蔑されても、みなを侮辱してでも……良いと覚悟して世界を変えるつもりなら、わたしは手伝うでしょう」


【誰に軽蔑されてもいい。
 誰を侮辱することになってもいい。
 改変できるなら変えたい展開もある】

「わたしは、夢と現実、理想とゲームの狭間…その時計台の鐘撞き」


テーブルに身を乗り出すどころか、その上に座ったリンは、もはや俺のことを見下ろしている。

「時計台の、鐘、撞き……」

モルガナが確かめた彼女の姿は、柱の振り子時計に戻っていくものだった。それは時間がくれば、それを知らせるために鳴る。今はからくり仕掛けだが、昔はその役目を果たす人が、鐘を鳴らしていたとも言う。
現代に合わせて言い換えるなら、
“アラーム”。

「肯んずるならわたしは、大鐘を鳴らす。人の心の奥に変化を知らしめる。警鐘か、大銅鑼か、鈴の音か。そういう、なにかを━━」

時計、または時間は、この世界…ゲームを語る上で、欠かせない要素だ。

「あなたが世界を変えるちから…響かせます。お任せを。……さあ、あなたには今、明確に世界を変える機会が与えられているです」

机の上で、うやうやしく礼をした。
その彼女が、頭を上げて真剣に俺を見つめる。

 世界を変える機会。
 間違いない、
 真さんが探し出したパレス。

それを攻略して、校長先生が『改心』すれば、“ペルソナ5ロイヤル”の物語がどれだけ大きく揺さぶられるものか……!
銅鑼とまではいかないが、大鐘が響くほど…と例えられるような影響は、きっと出る。

「………… …………今は、」

俺が『夢主』なら、
皆はきっとこの提案に諸手を上げて賛成するだろう。だから、今、俺は背中に冷や汗を流し、ためらうのだ。責任の在り処はどこにあるのか━━、と。

「あなたが思えば、いつでも」

俺は許されるのだ、きっと。
この世界の行く末を、可能性を、知っているくせに、それを隠して! 登場人物のふりをして! 元の心さえ都合よく忘れ去って! ……きっとそれを話したところで、許されて……!
そして“誰かが代わりに背負ってくれる”!!
きっと頼んだ瞬間、俺が黙っていても、真さんが他のメンバーに情報を漏らすような、そういうイベントに追い込まれるに違いない。
 俺が夢主だという認知、
 成り代わり主だという認知、
……それが俺を、一際浮き立たせる。
俺のことをよく知る者が、俺が物語を弄くり回すのに協力しようという状況……、

「…………悪魔め…………!」

俺はぎらぎらと笑う。どくどくと体が脈動し、体中を震わせる。理性は体から汁となって滲み出して気体と乾いていく。俺は歯と歯ぐきを剥き出しにし、目を見開いて、リンを見上げている。


「クククク…… ははははははっ!」


 ━━俺は柔な椅子を立った。

 リンを見下して、その両肩を掴んだ。

 善行のために人を嬲る叛逆心が体を焼く。


   「 鐘を鳴らせ!

    この世界を変える!! 」




【雨宮蓮へのインストールに失敗しました!
XX-Ⅲ-if】






 ★サクラ・ リン

 ルブランを手伝っている性別不詳の幼児。長髪に蓮の花飾り、赤色の和袖にもんぺを履いている。
というか、服装が違うタムリン。
もしくはルブランの座敷童。閉店時間になると時計に入って行く。
「たくさんのジョーカーがルブランで過ごして100年経った、その先で見るひとつの夢」「夢と現実、理想とゲームの狭間 その時計台の鐘撞き」
名乗りはさくらりん8さい。惣治郎もルブランの来客も、いるのが当たり前のように扱っている。というか蓮たちすらしばらくいるのに気付いていなかった。外出時は蓮の近くにいないとルブランに戻ってしまう上、ペルソナ使いやコープMAXの相手にしか見えない。彼女自身は霊視もしくはサードアイの方がよく視える。

 蓮とメタ知識を共有しており、彼女の『物語の運命を変えたい』という『行動の潜在的欲求』を理解している。
彼女が言う鐘を鳴らす、とは、蓮の物語を変えることへの罪悪感の意識を薄める力であり、またこの物語の題名を少し変えることができる。

それを除けば、本当にいてもいなくても、世界が変わらない存在。
屋根裏部屋の掃除をしてくれたり、弁当に入れる料理を手伝ったとしても、物語は何も変わらない。
読者あなたはその存在を気にしてもいいし、ネームドNPCだと思ってもいい。



☆★ To be continued!! ★☆

 

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