レジではイヤホン外してくれたら嬉しいです。
バイト先のコンビニに女性が1人で入ってきた
午前2時頃コートを着てマフラーを巻いても尚寒いのか、腕組みをしている
今日は冷凍商品の納品がないから暇だ。
レジでぼーっと立っていると、さっきの女性が今度はお菓子の棚に移動している。何かカサカサと音のする箱を手に取り立ち上がる瞬間
急に主人公になった
誰かに見られている前提の動き
効果音が着くなら「ぴょこん!」だろうか
軽く飛び跳ねる様に立ち上がって、つま先を浮かせながらリュックの紐を直す。
誰かに見られている前提の動きを、誰にも見られてないつもりでやっているらしい
それで私は、急に脇役になった気持ちがした。
深夜のコンビニでだるそうに立ってる、作画が雑な店員A
あの女性の視界には見えていないから、まだ画面に映っても無いみたい。
この人生の主人公は私、みたいな言葉聞いたことあるけど、それってみんなの人生では私も脇役ってことなんだ
こっちのことなんて見えてもないし聞こえてもないし、持ちやすく広げたレジ袋の取手も上からグシャッと持ってかれる。
夜に聴きたい邦ロックのMVみたいな足取りで女性が店を出ていく。
私もよくやるからわかるなぁ
多分商品をスキャンしてる手元くらいしか映らなかったと思うけど、上手く店員Aやれてたら今日の仕事は十分だな。