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こころ旅 これから
写真はこころ旅213日目のゴール地点、大阪と京都の境に位置する狩尾(とがのお)神社から撮影したモノです。
足を運んでみて、映像で見て感じた以上の高低差にビックリしました。
ところで、正平さんがお亡くなりになる少し前に、こんな記事を書きました。
読み返してみると、ショックを受けた出来事を挟んでいる割には、現在の自分の考え方が概ね元に戻ってきている事に気付きます。
本日までBS4Kで放送していた、田中美佐子さん代走の三重県編を見ていて、薄情なもので、心の底から楽しんでいます。
もっと「正平さんが亡くなった後のこころ旅なんて…」と思っていたので、
こころ旅という番組が続いている事で、あっけないほど安心しているのです。
確かにこころ旅という番組は、正平さんが屋台骨となっており、正平さんがお手紙の場所を訪れる事で旅が完結するという認識でした。
しかし正平さんの体力の低下と共に、スタッフ総出で番組を面白いものにしていこうという「チームこころ旅」の気概を感じるようになってから、例え屋台骨が無くなっても、こころ旅という番組を十分支えていける存在に、皆さん成っていると思うんです。
(スタッフ間の会話シーンを見る機会が増えたのも理由のひとつ)
正平さんの背後を走り、直接会話をしながら多彩なカメラで風景をつぶさに切り取る淳さん・新井さん・田村さん・奥田さん。
風景と共に空気感を記録する姫井さん・南部さん・ベッツさん。
番組に欠かせない自転車のメンテナンス全般を担当する水さん、ハトヤさん。
番組全体の演出を司る、ディレクターの菊地さん・岡崎さん・チャラオ先輩さん・姉さん・後藤さん・カイさん・瀧澤さん・仕込みの齋藤さん・根木さん・西さん。
その他、映り込んではいるものの名前の出てこない多数の方々…
ディレクターズカットや、蔵出しスペシャルに登場する、正平さんとの会話シーンを通して、人となりをなんとなく理解しているスタッフの方々が多くいます。
田中美佐子さんピンチヒッターの三重県編で頻繁に見受けられたのは、Aカメ担当の田村さんと美佐子さんの、他愛のないやりとり。
あの様子を見ているだけで「あっ、楽しい」って思っちゃうワケです。
ディレクターの方々が丁寧に重ねたロケハンによって、お手紙に寄り添っていく心地よさも健在です。
不幸中の幸いと言いましょうか、週替りの代走を立てるという今までにないスタイルでの放送を、正平さん存命のうちにやった事で、新しいこころ旅の種まきは出来ました。
2024年春からスタッフ(水さん・ハトヤさん以外)を含めたチャリを一斉に電動アシスト化した事で、一緒に歳を重ねてきたスタッフの方々も坂道に対応できる状態になった事、これも先の展望が開けていると思える要素のひとつ。
だから、この人達が道筋を付けてきた自転車旅を、日本映像遺産とも言える各地の風景がゆっくり流れていく様子を、お便りの送り主の記憶を一緒に辿る物語を、もう少し追っかけたいんです。
今後とも続ける場合、正平さんがお亡くなりになった事実が、常について回る事となるでしょう。
代わりの走者、こころ旅スタッフの皆さん、町行く人々の反応。
しかし「長太(なご)の大楠」のように、雷に打たれ、枯れそうになっても、人の手を借りて、しぶとく新芽を出して欲しいと思います。
こころ旅マニアの中に、同じような心境の方がいたら、嬉しいなぁ。