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臨機応変さ
手間暇かけることはいつ何時でも尊いですが ここは臨機応変にもいいなと最近感じています。
金継ぎは手間暇かかるもの
漆が乾くのに、時間がかかります。環境も整えてあげなければなりません。手間暇かかります。
作業の副産物で器に傷がついちゃうかもしれません。(つかないよう極力注意しますが)
その手間暇の、隙間にある自然環境と自分自身の意識。
それと向き合う貴重な時間がとても尊いと思うのです。
狭くて作業が難しい破損部分
これは、修復依頼のありましたおたま置きです。
おたまを置く部分がパキンと割れてしまってます。
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接着しますが、なかなか作業スペースの確保が難しい破損箇所。
直接食材や口が触れない箇所であること。
ある程度の強度が必要な箇所であること。
依頼主の方が漆仕上げにこだわりがないこと。
以上をふまえ、
接着剤(食品衛生法適合)と真鍮粉による簡易金継ぎで修復しました。
作業開始からおよそ10分
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きれいに頑丈に接着できました。
接着剤が盛り上がり、ぷっくりふくらんだ修復部分もかわいらしい。
おたま置きの元々のデザインと調和した、いい感じの修復仕上がりになったと思いますがいかがでしょうか
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これは金継ぎではない。
という声も聞こえてきそうですが、繕うことができまたお玉置きとして使ってもらえるようになりました。
金継ぎは、そんなに敷居が高いものではありません。
使う材料や用いる技法も臨機応変に。
それで
修復がそばにある生活がとても心地よいことに気付いてもらいたいです。
修復が日常にあるくらし。
ここちよい。