■異貌の知神、登場!!
■PCの作成
■神統[♦J]:英雄神(知者)
■神名:ガリオラ([♥6]:が/ざ)
生前、高名な科学者として多くの技術の発明、発見によって人類に貢献した男、ガリオラ。
死後、彼はその知性を評価されて神へと昇格する。その発想と知恵は、ディムナ族の主神ですら舌を巻くほどだという。
■神影[♠2]:畏怖
一つ、欠点を上げるならば、生前の実験によって焼けただれたその体、その顔はあまりに怖ろしく、神となっても治ることがなかった。そのために、多くの神々は彼の知恵を認めながらも話すことを躊躇ってしまうほど。……困ったことに、ガリオラ自身はそれについてさして気にしておらず、好きな思索と実験を続けられることを喜んでいるということだ――。
■ジャーナルパート①
■導入パート
■場所[♥A]:農村
■事件[♠A]:独占
事件は、とある農村で起こった。
その村は、さして変哲のない農村だったが、今年になって急激に困窮していっているというのだ。例年に比べ、不作なわけでもないというのに――。
ガリオラ:「……なるほど、その事情を探れ、ということですな」
主神ディムナ:「うむ。不作でもないのに貧しくなっているというのは明らかにおかしい。何者かが不正を行っているのであろうが――証拠がなければ天罰を与えることもできぬ」
主神ディムナ:「知者ガリオラよ、お前ならば村に何が起きているかを見極め、正すことができるな?」
ガリオラ:「よろしい。そういうことであれば私は適任でございましょう」
かくして、ガリオラは件の農村へと向かうのであった――。
■事件パート
■C試練[♣6]:変身
旅の学士を装い、村を訪れたガリオラは、はじめはその容姿を恐れられたが、幾つかの助言を行うことで人々の困窮を助けることで信頼を勝ち取っていった。
――そして、数日に渡って村を観察した結果、遂に証拠を捉える。
ガリオラ:「なるほど、そういうことか」
ガリオラは、村人を集め、実験を始める。
ガリオラ:「見たまえ、この2つの升を。一見すると同じに見えるが――こちらの升からこちらの升に籾を移すと、いっぱいにならぬ」
ガリオラ:「こちらの升で計れば量は多くなり、こちらの升で計れば量は少なくなるのは自明。――これを使い分けることで、諸君が収める年貢の量をごまかしていたのだ!」
ガリオラ:「そしてこの升は――徴税人のネモ[♣J]の家から拝借したものだ!」
ネモ:「ば、馬鹿な! 何の証拠があってそんな――!」
ガリオラ:「この傷を見てみろ。先日、貴様が年貢を計っているときに取り落し、ついた傷がしっかりとついているだろう」
ネモ:「げえっ!? あの時不自然にぶつかってきやがったのはそれが目的だったのか」
ガリオラ:「文字通り、年貢の納め時だな」
ネモ:「ちいっ、こんなところで終わってなるものかよ!」
言うが早いか、ネモの姿は別の村人そっくりになる! 巧みに位置を入れ替え、どちらが本物かわからなくなってしまう!
■決着パート
■決着[♠4]:勝機
ガリオラ:「往生際の悪い……。時にキシン[♠7]、今年生まれた子馬は何匹だったかな?」
キシンA:「(確か今村にいる子馬は……)な、七匹だ!」
キシンB:「なーも、去年の暮れにゆずってもらったばかりでまだ今年の子は生まれてねっぺよ」
ガリオラ:「馬脚を現すとはこのことだ。観念せよ!」
キシンA→ネモ:「ぐあああああーっ!?」
■エピローグ
見事に不正を犯した徴税人であり、異神の信徒であるネモを捉えたガリオラは、村人から口々に礼を言われる。
ガリオラ:「礼など良い。――実を言えば、我は主神ディムナに遣わされた使途なのだ」
そう言うと、ガリオラは神業をもって自らの正体を証明する。平伏する村人たちを、ガリオラは優しく諭す。
ガリオラ:「此度は、日頃の信心を忘れぬお前たちの苦境に心を痛めた主神の計らい。お前たちが信心を忘れず、日々の糧への感謝を忘れなければ、主神は決して見逃したりはせぬからな」
――かくして、農村で起こった事件は解決した。
立役者となったガリオラは、神々の称賛に対し、飄々と「なかなかよい問題であった」と笑うのであった――。
サンプルジャーナル「異望の知神、登場!!」~END~