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アリアンロッドリプレイ-第0話

 このリプレイは、10年前くらいにプレイしたFEAR社刊「アリアンロッドRPG」のプレイ風景を記録・編集したものである。いやなんか公開できるようなものもなくなったし、なかなか面白く進められたので個人的に気に入ってるキャンペーンでもあるので、まぁ、折角なので蔵出ししとくか的な軽い気持ちでアップすることにしたものである。

 現行の2Eではないし、まだ慣れてなかったので裁定も割とガバいんだけど、まぁ、読み進めるのに不都合がない程度に用語説明を挟んでいくので、お話をメインに楽しんでくれると嬉しいんだぜ!


■■■Prologue■■■


 20XX年5月某日。
 前年末に失職し、家業を手伝いながらおいしいカレーの作り方を研究していた僕の元に、高校大学時代の先輩F氏から電話がかかってきた。


F氏 「アリアンロッドやろう! 明後日!
潮屋 「はぁ――。――はぁ!? 明後日!?


 しばし日本を離れていた氏は、絶賛RPG熱炎上中だった。


F氏 「やりたいネタがあるって言ってたでしょ」

僕 「いやまあ言いましたけど――明後日って無理じゃね? 人集まんないでしょ? みんな仕事もあるだろうし」

F氏 「大丈夫大丈夫! やれるやれる!」

僕 「本当かなあ」


 何やら猛烈に不安であったが、月休2日でもギャラはおんなじみたいな仕事を辞してから、僕自身のRPG熱が高まっていたのも事実。とにかく、ダメもとで電話やらチャットで希望者を募ってみると。


「ああ、言ってましたね。やりますやります」
「やる。っていうかやらせろ!」
「明日ならOK」
「え、ちょ、なんでもうメンツ埋まってるの?」
「君が遅いからいけないんだよ」
「畜生あんたさえいなければ!」


 至極あっさりメンツが確定したのだった。


僕 「なんだかなあ」

F氏 「ほら見ろ」

僕 「てゆーか明日かよ! シナリオの用意なんかできてねえよ!」

F氏 「大丈夫大丈夫! やれるやれる!」


 ――かくして、急遽アリアンロッドRPGが始まることになった。
 ちなみにこのとき、アリアンロッド経験者僅かに2名。含むGM。
 どうにかなるのか? ならんのか?
 神ならぬ身である僕には、予想もつかないのであった。



■■■Preplay■■■


GM んじゃまあ、なんか唐突に始まりまっちゃいましたよ! アリアンロッドRPG! 俺、GMしたことないけど!

プレイヤーC 問題ないよ。私もかなり久しぶりだし。

プレイヤーA 僕なんかプレイ自体初めてです。

プレイヤーD てゆうかキャラの作り方もわかんないんだけど、本当に明日プレイできるの?

GM もうここまで来ちまった以上、後には退けぬ。媚びぬ。省みぬ。まぁ、ルール上でもリビルド(キャラクターデータの調整)が認められていますので、はじめは適当に作ってみて、一回目を終えた後で調整すればいいと思いますですよ。

プレイヤーB りょうかーい。……で、舞台はエリンディル大陸?

GM いえ、ちょっと思うところがありまして、公式の世界設定は使わない方向で考えてます。……とりあえず、オープニングはこんな感じです。


――ラヴァル島。
 この島はかつて、強大な力を持つ「神器」に守られており、人々は、清らかな自然と豊かな実りを享受していたという。

 だが、一〇〇年前、一人の邪悪な魔導師が「神器」を破壊し、以来、土地は痩せ衰え、人々にとっては飢えと貧しさが日常となった。

 島の外れの小さな漁村で暮らす四人の若者達が、度胸試しと、ちょっとした小遣い稼ぎを兼ねて村外れの遺跡を訪れたのは、苦しく変わり映えのない日常から逃れるための、ちょっとした気分転換だった――


GM こんな感じで。原点回帰な雰囲気でいきたいな、と。

プレイヤーD PCはみんな知り合い?

GM です。でも一緒に冒険するのはこれが初めて、ということで。基本的には全員普通の村人で、「英雄の子孫です」とか「古代人の末裔です」とか、ヒロイックな設定をつけてもらってもあんまりシナリオ中で拾わないつもりなんで、そこんとこよろしくお願いします。

プレイヤーB 島国ってことは、地域クラスはダメ?

GM そこら辺は適当にこじつけてもらえれば良いですが、転職したとき別の地域クラスをとるのはダメね。あ、あと、種族は全員「人間」です。

一同 なんですと!?

GM あ、亜人はダメというわけじゃないです。エルダナーンだったら「細身で知的な人」とかヴァーナだったら「身軽な人」ということになるだけです。


※エルダナーン、ヴァーナはそれぞれアリアンロッドRPGにおける「エルフ」や「獣人」にあたる種族である。


プレイヤーA えーと、要するにデータ的には亜人だけど、設定的には人間ということですか?

GM その通り。まあ、これは小さい島国なんで異種族がいる余裕はなかろう、というコダワリみたいなものなんで、深く考えずに。

プレイヤーB ドラゴネット(竜人)とかは?

GM 羽生えてたり火吐けたりするのは遠慮してもらえるとありがたいです。(笑)

プレイヤーC レベルは1から?

GM CL2、所持金2500でスタートです。レギュレーションは基本、上級、アイテムガイド、エネミーガイド、スキルガイド。マジックアイテムも、買える範囲なら自由に買ってよいですよ。

一同 おっけ~。


 レギュレーションが決まり、キャラ作成が始まる。
 初プレイの人も多いのだが、さすがに全員歴戦の古ゲーマー達。基本的な部分を説明すると、すぐにコツを飲み込み、あれはどうかこれはどうかと熱心に考え始める。

 一方、GMはこの間、せっせとセッションの準備を進行中。
 つうか昨日の今日で展開早すぎね?


GM それではまあ、みなさんキャラクターの自己紹介をしてください。メインクラス順に、まずはウォーリアーの方から。

プレイヤーA→アッシュ じゃあ僕です。名前はアッシュ、17歳の少年です。【ハーフブラッド】でフィルボル(ハーフリング的な種族)の種族スキルを選択したのでちょっと背が低くて、そのことを気にしたりしてます。155cmくらい?

GM マスコット系ですな。

アッシュ 特徴は楽観主義なので、お調子者の考え無しという方向で考えてます。


GM では、次はアコライトの方。

プレイヤーB→チロル チロルです。ネヴァーフっぽい13歳の女の子です。小さい頃に村の猟師の家に拾われて育ちました。家の手伝いをしていた関係で斧の扱いが上手。クラスはアコライト/グラディエーター。したたかな妹キャラを目指す予定。

GM またマスコットじゃねえかよ!


プレイヤーC→ミーファ ミーファ、18歳、エルダナーンっぽい女の子。過去に村の外れに住んでいた魔術師の娘。ある日、いつの間にか5歳くらいの女の子が住み着いていたため、それより小さい頃を見た村人はいません。
 魔術師は事故で死に、その際、過去の記憶を失ってしまっていました。今は村の食堂で住み込みで働いています。

GM お姉さんキャラですか。ふむふむ。最後はシーフの人。


プレイヤーD→トーリ トーリ、15歳、黒髪の女の子。家は裕福だったけど、没落してどっかの裏路地生活暮らし&森林暮らし。運命は支配なので、恐らく冒険が成功した暁にはそーいう方面に進むのだと思う。

GM お嬢様系かな? ……って女の子三人ですか。なんというギャルゲ。

チロル ハーレムパーティだね、お兄ちゃん。

ミーファ あらあら、アッシュ君もてもてね。

アッシュ とてもそんなんじゃないやい。

トーリ こら、あんた達! そんなこと言ってる場合じゃないよ! お金稼ごうよ! 一山あてようよ! もうゴミ拾いとか飽きたよ!(机ばんばん)

GM 実は守銭奴系だったのか。(苦笑) でもまあ、ちょうど良いのでトーリがみんながよく溜まり場にしている広場に駆け込んできたところから物語が始まることにしましょうか――


to be continued……!

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