第3話 勤しめ! 熱血自由団!!-前編
■■■Preplay■■■
GM はいはい。皆さんこんにちは。まずは毎度おなじみ、成長報告のお時間です。
アッシュ 【2ハンドアタック】と【ブランディッシュ】を取得。範囲攻撃できるようになりました。
【2ハンドアタック】……武器を両手で使用した際、威力を向上するサムライのスキル。
【ブランディッシュ】……近接攻撃を範囲攻撃にするウォーリアのスキル。
チロル レベルアップして、【プロテクション】が5Lvになったよ! あと、【ジョイフルジョイフル】をとったよ!
【ジョイフルジョイフル】……PC1名を再行動可能にするバードのスキル。
GM 【プロテクション】5は本当、参るなぁ。支援系スキルも充実してきたからますます厄介だ。
チロル でもなんだか攻撃の能力は据え置きな感じだよ……。(しょぼん)
GM 欲張んな!(笑) 次、ミーファ。
ミーファ 【ファイアボルト】が火力アップでついに5Lv! あと、リビルド時に外した【マジックブラスト】を取り直しました。で、装備を[メイジスタッフ]から前回拾った[フォースワンド]に変更してます。
トーリ 私も【サプライザル】を4Lvにアップ。それから【スピードショット】をとったので、行動値があがったよ。
【スピードショット】……弓/銃の行動値ペナルティを軽減するレンジャーのスキル。
GM 大分カンストスキルが出てきたなぁ。
アッシュ あと、ギルドレベルが2になりましたよ。
GM ふむ。ギルドスキルを一つ取得できるが、どうするね?
ミーファ 【祝福】か【陣形】だよね?
【祝福】……ギルドメンバー全員のMPを回復するギルドスキル。
【陣形】……ギルドメンバー全員が移動可能になるギルドスキル。
チロル 悩むけど、ここは【陣形】かな? このパーティ、エンゲージ操作するのかなり重要。
ミーファ 前のめりだからね。(苦笑)
GM つうかこのゲーム自体が前のめり推奨ゲーに思えてならない。(笑)
……ま、ともあれギルドスキルも決定したところで、そろそろ今日の冒険を始めましょうか!
Opening Phase
■■■ 勇者様御一行、都へ ■■■
――二つ目の祭壇を開放した君達は、
鉱山の町バスティールにて町の人々から盛大な歓待を受けた。
生涯でもそうはない愉快な一夜が明けて、君達は思い出す。
それが週末の冒険だったことを――
一同 そういえば週末だったっけ。(笑)
チロル 酒盛りした後なんだね。
ミーファ やば! 無断欠勤!
アッシュ 漁は朝が早いのに!
チロル むにゃむにゃ……私もう食べられないよ。ぐう。
ミーファ ほら、みんな朝だよ! 起きて!(鍋カンカン)
GM 宿屋の主人も部屋の戸を叩いて、「おはようございます、勇者様! 朝餉の支度ができていますよ!」とモーニングコール。
トーリ 至れり尽くせりだ。ありがとさん、と言って食堂に行こ。
アッシュ 寝てるとおなかすくよなー。(笑)
ミーファ どれだけ寝てたのよ!(笑) とりあえず、朝ごはん食べながらこの後どうするか話しましょ。
GM じゃあ焼きたてのベーコンと玉子焼きの朝食が用意されとります。
ミーファ ご飯、ご飯♪
トーリ ここは米食文化?
チロル うう、まだ眠いよぉ。
GM そーすっと、昨日の晩餐に来そびれた町の衆が窓の外に群がっていることに気づきます。「すげえ、あれが勇者様!」「まだ若いよ!」「結構可愛いんじゃない?」「ふん、あたしの方が美人だわ!」などと口々に。
ミーファ お、落ち着かない。(笑)
アッシュ 食べてる間はまったく気にならないかな。
チロル 私も半分寝てるからねー。
トーリ じゃああたしが手でも振ってあげよう。
町の衆1(GM) 「きゃーきゃー!」
町の衆2(GM) 「今俺に手を振った!?」
町の衆3(GM) 「何言ってんだ、俺にだよ!」
ミーファ パンダですか、私達は。(笑)
トーリ さて、とりあえずご飯を食べ終わると?
ミーファ じゃあ食べ終わる前後にみんなに聞いてみる。休みも明けたし、一度村に帰らないといけないと思うんだけど。
宿屋の主人(GM) 「え、帰っちゃうんですか……」(物凄く悲しそう)
アッシュ このまま次の祭壇目指そう!(どきっぱり)
チロル チロルは「おとうさんへ ちろるはじゆうだんなのでたびにでます」って置き手紙してきたからね。(笑)
GM&ミーファ 意味わかんねー!(笑)
トーリ ま、あたしも特に帰る必要ないな~。
ミーファ やっぱり。(笑) マスターに「たまっていた年次有給を消化させてください」って手紙を出そうかな。
チロル 一気にリアルを感じさせるセリフ。(笑)
トーリ そんな福利厚生の良い酒場だったの?
ミーファ いけないいけない。ここはファンタジー、ファンタジー。
アッシュ 手紙ったって、一日で着くような距離だろ? 一度帰った方が早そうだなあ。
ミーファ そうなのよね……。(悩)
GM んじゃまあ、君達がいかがすべきか、ともやもやしてますと、一組の親子が君達の前におずおずと進み出る。「あの~勇者様……」
一同 はい?
アッシュ 勇者の自覚ないから、呼ばれても気づかないよ。(笑)
チロル アッシュ兄ちゃん、多分私達のことだよ!
アッシュ 何!? そうか、僕は勇者だったのか!(笑)
GM アッシュも惚けた奴だなあ。(苦笑) まあとにかく、男は続けるよ。
材木商(GM) 「さしでがましいようですが、もしこれから霧の森に向かうのでしたら、私の馬車に乗っていきませんか? 私、材木商をしているのですが、ちょうど仕入れで都に向かうところなのです」
トーリ 都まではどれくらいかかる?
GM 距離的には4~50km。荒れた道が多いので歩くと2~3日かかるのだが、馬車で行くなら1日。急げば半日でもいけるかな、という感じ。
アッシュ それはありがたいな。
GM 材木商の息子も「一緒に行こうよ勇者様! 僕が都を案内してあげる!」とアッシュの袖を引っ張りますよ。
アッシュ それは弱る。(笑) みんな、今から向かっても大丈夫かな?
トーリ のんびり馬車の旅ってのも悪くないね。
ミーファ そうねぇ。それじゃあありがたくご厚意をいただこうかしら。護衛も兼ねて。
GM まあ、山賊とかモンスターの類いも滅多に出ませんがね。
宿屋の主人(GM) 「それでは、村の方には私の方から連絡しておきますね」
トーリ うーん、良い待遇。
材木商の息子(GM) 「わーいわーい! 勇者様と一緒だ! 勇者様と一緒だ!」(大はしゃぎ)
チロル わーいわーい! 馬車だ馬車だ!(同レベル)
アッシュ ははは。じゃあこの剣を見せてあげよう。どうだ、かっこいいだろ?(笑)
材木商の息子(GM) 「……そ、そうだね! 格好良いね!」(一同笑)
チロル えへん、私のことはチロルお姉ちゃんって呼ぶんだよ!
材木商の息子(GM) 「わかったよ、チロルお姉ちゃん!」
GM ついでと言ってはなんですが、宿屋の主人のご好意で、保存食とお酒を差し上げます。効果は戦闘中以外に使えるハイHPポーションとハイMPポーションで、重量は1ですが4回分使えます。
ミーファ わーい、お酒~♪ チロルちゃんはまだお酒飲めないから、私の分の保存食と交換しようね。(いそいそ)
チロル 私だってもう大人だよ! お酒くらい飲めるよ! ……でもお菓子の方がいいな。(笑)
アッシュ ミーファ、そんなに酒が好きだったのかー。
ミーファ 実は酒好きで酔うと脱ぎます。(笑)
トーリ その設定はどうなの?(笑)
GM まあ、果実酒の類いだし、悪酔いするよな酒じゃないよ。チロルが飲んでも大丈夫。(笑) まあ、そんなこんなで皆さんは、材木商人の親子と一緒に都へ向かうことと相成ったのでありました~。
Middle Phase-01
■■■ 王都ファージアス ■■■
GM と、言うわけで、ミドルフェイズです。
トーリ 今どのあたりー?
GM はいはい。皆さんは、材木商の親子とのんびり楽しく馬車の旅を満喫しました。特に危険もなく、祭壇に欠片を捧げた影響か良い陽気です。
ミーファ 冒険日和ね~。
GM 一、二件宿場町を通り抜け、次の日の昼前頃に王都ファージアスへとたどり着きました。
アッシュ 材木の積み下ろしとかあるなら手伝おうか? 力仕事は慣れてるからね。
材木商(GM) 「ととと、とんでもない! 勇者様にそんなことさせられませんよ!」
アッシュ いいっていいって~。勇者とかそんな大層なもんじゃないんだからさ~。
チロル 私も手伝うー!(ぴょんぴょん)
材木商(GM) 「いえいえ。人足がいるのでご心配には及びませんよ。それより、これから霧の森に向かうのでしょう? ゆっくり英気を養ってください。懇意にしている宿があるので御案内しますね」
ミーファ 良い人です……。
GM と、材木商の息子が「勇者様、僕が町を案内してあげるよ!」と言って、町を案内してくれます。島一番の都会ですので、ここで魔法の武器とか購入しても良いですよ。
トーリ それじゃあ強い弓買おうっと。
ミーファ うーん。欲しいものは幾つかあるけど、レベルもお金も足りない……。(悩)
GM この島の実情を考えますと、いつでもマジックアイテムの類いが買えるなどとは思わない方がよござんすよ。(悪)
ミーファ そう言われると、とりあえず買っておこうかなぁ……。
アッシュ お金足りないなら、貸そうか? 僕、剣もらったからさしあたっては必要ないんだ。
ミーファ うー。じゃあありがたくお借りして、[フレイムスタッフ]を買います。
チロル もう使わない低レベルの斧を売って、[MPポーション]相当のお菓子に代えてもらった!(笑)
GM お菓子かよ! せめてハーブかなんかにしてくれ。(笑)
トーリ [フェニックスの尾]は買い取ってもらえる?
GM それな~。んーと、とりあえず難しいようです。
店の親父(GM) 「うーん、これは本物の[フェニックスの尾]じゃないか! 悪いけど、うちじゃとても買い取れないよ」
アッシュ 希少すぎるかぁ。
店の親父(GM) 「買い取ってくれそうな貴族とかを当たってみるよ。見つかったら連絡する」
トーリ よろしくお願い。
チロル それにしても、なんだか持ち上げられ過ぎて、なんだか怖いね。
ミーファ いつ落とされる流れなんだろう。(笑)
GM で、そろそろ日も暮れようとしてますが、いかがします?
トーリ まあ宿で都風の料理でもいただこうかー。
チロル おなかすいたよー、もう宿に帰ろうよー。……と言いながら、屋台で買った鯛焼きをぱくついてます。(笑)
GM 食べてんじゃん!
トーリ どんだけ腹ペコなんだよ!
チロル デザートは別腹だよ!
ミーファ 晩御飯をデザート扱い?
GM その発想は無かった。
ミーファ とりあえず、宿屋に帰ります。
GM では宿屋に戻ってきますとですね。ロビー、なのかな? まあともかく入ってすぐあたりのとこに10人ばかりの大層立派な鎧をつけた騎士がずらっと並んでます。
アッシュ な、なんだなんだ?
トーリ 都の騎士的な人?
GM そのようですね。
チロル 全然気にせず歌ってる。「ごっはん♪ごっはん♪ ごっはんだぞ~♪」(笑)
ミーファ チロルちゃん、しーっ!(笑)
GM その騎士達ですが、宿屋の主人に「あ、あの方々です」と言われると、君達の方へ近づいてくる。
ミーファ な、なにも悪いことしてないですよ?(笑)
GM 却ってやましいことがあるように思えるよ。(苦笑)
ミーファ はっ、いけない。軌道修正軌道修正。(笑) えーと、何か私達に御用ですか?
騎士リーダー(GM) 「君達がアッシュ殿と、その仲間達か?」
アッシュ そうですけど?
トーリ あたしはトーリ!
アッシュ そのリーダーさんはどの位の年齢?
GM 20代前半といったところ。結構若くていい男ですよ。
ミーファ あら、意外。もっと歳がいってると思ったけど。
GM あんまり戦争とかないんで、良家の子弟の名誉職なんですよ。騎士。ただ、この騎士リーダーだけは腕も結構なものと見受けられますが。
トーリ ふーむ。
チロル どうしたの~? ご飯行こうよ~。と、全然気づいてません。(笑)
GM チロルは傍若無人だなぁ。まあとにかく、その騎士達ですが、アッシュが本人であることを確認しますと、いきなし跪きます。
ミーファ ふぁっ!?
アッシュ そ、それは驚くよ!
ミーファ (素に戻って)どこまで私達持ち上げられるの!? すごい嫌な予感がするよ!(笑)
騎士リーダー(GM) 「我々は、ファージアス王ルク・デュラ・ファウゼン陛下に仕える騎士であります。そして、不肖私めはその長、イグニス・マクファーソンと申します。以後お見知りおきを」
アッシュ は、はあ。
騎士リーダー→イグニス(GM) 「聞けばこの度、島の環境が好転するに至ったのは貴君らの活躍あってとか。ルク王陛下もいたく感銘を受け、是非とも王城にて御歓待させていただきたく、推して参った次第であります」
ミーファ どっから聞いたの!? 誰も信じてくれてないのに!(笑)
トーリ うわぁ、本当に持ち上げられまくりだ……。
アッシュ わ、わかりましたから顔を上げてください! そんなに僕達偉くないですから!
GM ぶっちゃけますと、騎士団の方々は、数日前に水の精霊力が回復して以来、その原因を探っていたのです。……で、たまたま今日、例の材木商が「うちの町に勇者様が現れなすったんだ!」と宣伝していたことが情報網に引っかかって、詳しく調べていたのです。
トーリ こらこら、材木商。(苦笑)
イグニス(GM) 「ともあれ。勇者アッシュ殿、そしてお仲間の皆様。突然のことで不躾ではありますが、何卒共にお越しくださいますよう、平にお願い申し上げます」
GM イグニスは畏まってお願いしまする。
チロル うん、いいよ!(即答)
ミーファ ちょっとチロルちゃん、もうちょっと詳しく話を聞かないと!
アッシュ 王様が呼んでるの? 本当に?
トーリ 勇者待遇♪ 勇者待遇♪
イグニス(GM) 「左様でございます」
アッシュ うーん、ちょっと困惑。
ミーファ ま、まぁ、王様に呼ばれたのなら行かないのも失礼ですよね……えっと、今すぐですか?
イグニス(GM) 「できれば。早速御歓待したいと、陛下のたっての願いでありまして」
ミーファ ちょ、ちょっと待って下さい! こんな格好じゃ失礼じゃないかしら!?
イグニス(GM) 「急なお願いですので、服装や作法の類いはどうぞお気になさらずに」
アッシュ むう、そういうことなら僕はついていくけど。みんなは?
チロル 私は頼まれたら嫌と言わないよ。(笑)
トーリ あたしは元は貴族だし。堂々と行くよ。(胸張りっ)
ミーファ じゃ、じゃあぱぱっと失礼にならない程度に身支度を整えて、行きます……。
GM んでは、そんなこんなで上等な馬車が仕立てられて、皆さんは王城へ向かったのでした、というところで一旦シーン切り~。
Middle Phase-02
■■■ 謁見 ■■■
GM ミドルフェイズの2。皆さんは王城にやってきました。長らく苦しい経済状況が続いておりましたので、全体的に華美な感じは抑えられて、質素倹約に努めている様子が伺えます。
ミーファ 正しい! きっといい王様だ!
GM それでも建築そのものの素性の良さと言いますか、センスの良さが溢れておりますので、雰囲気的には圧倒されるかも知れません。
チロル うわー、ここが王様の家なんだー。(キョロキョロ)
アッシュ 一週間くらいこういうところに住んでみたいな。(ぼそっと)一週間で飽きそうだけど。
ミーファ は~、さすがに大きいわねえ。
トーリ こんな城くらい、没落する前のあたしの家だって……。
GM ちなみに、この国の王家、ファウゼン家は、島に『神器』をもたらしたとされる初代ファージアス王から現在のルク王まで二七代続いていて、島の歴史が開闢して以来、約四〇〇年に渡って島を統治してきた名家です。
トーリ ……と言うこともないかな、うん。(笑)
GM トーリの実家が島の外でない限り、ここより良い家はないよ。(苦笑)
トーリ ちぇっ。
GM で、だ。皆さんがおのぼりさんらしくキョロキョロしてますと、現王であるところの二七代国王ルク・デュラ・ファウゼン陛下が自ら君達を出迎えます。
ルク王(GM) 「これはこれは勇者殿! お目にかかれて光栄です!」
ミーファ 慌てて王様に膝をつきます。
アッシュ よし、それを見て僕も膝をつく。礼儀作法はミーファの真似をすれば間違いない。(笑)
ルク王(GM) 「この度の御活躍を聞き及び、一刻も早くご挨拶とお礼をさせていただきたく、無礼とは存知ながら、お呼び立てしてしまいました。何卒御容赦下され。
……そして、ラヴァル島一〇万人民を代表して御礼を言いまする。一〇〇年の長きに及んだ『失器の呪縛』から島を解き放ってくださり、まことに、まことにありがとうございます」(深々とお辞儀)
トーリ これはこれは御丁寧に。
ミーファ いえ、私たちもたまたまこういう状況になっただけですので、そんな……。
アッシュ そんな、何だか皆さん、僕たちのこと凄く偉いみたいに扱うので、逆に困っているくらいです。
GM ちなみにルク王は30代前半。比較的若いですが独身です。
ミーファ 12歳差ですか……。ぶつぶつ……。(笑)
ルク王(GM) 「さあさあ、固い挨拶は一先ず抜きにしましょう。ささやかですが宴の準備ができております。どうぞこちらへ」
GM と、皆さんを会食の間に御案内。豪華絢爛、というほどではないのですが、一流の料理人が腕によりをかけたナイスな料理が並べられますよ。
ミーファ お心遣いありがとうございます。ありがとうございます。
チロル おー! これ、食べていいの!?(目がキラキラ)
ミーファ このお酒おいし~!(笑) はっ、いけない、ついついお酒の魔力に。(笑)
GM 確かにおいしいですよ。今までの飲んでた酒が象の小便なんじゃないかと思うくらい。
ミーファ なんて表現するんですか。(笑)
ルク王(GM) 「ささ、勇者殿もまずは一献」
アッシュ あっ、これはどうも。……おいしい!
ルク王(GM) 「ははは、さすがは勇者殿。呑みっぷりもお見事です!」
チロル もぐもぐ……これおいひいよ! あっひゅにいちゃん!(ほっぺぱんぱん)
GM おいしいですね。今まで食べていたのがサンダルの裏だったんじゃないかとと思うくらい。
ミーファ さっきからGMの表現がおかしいよ?(笑)
アッシュ 普段なら深く考えないけど、こういうときは何から食べるか悩むなあ。
ミーファ 後でレシピ教えて欲しいな。
アッシュ 食卓についてるのは僕らと王様だけ?
GM んー。まあ、プライベートに親しい人とか重臣とかがいるけど10名程度というところ。もちろん君らは上座。
ミーファ 上座なの!?
GM ……いや、、つうかさ。君らが自分のしたことに対して過小評価し過ぎなのよ。
ミーファ だって、ある意味流されるまま冒険してきただけだし……。
トーリ え? あたしは頑張ったもん。自信満面って感じでメシを食って酒を飲んでるよ?(笑)
GM トーリは大物だなぁ。
アッシュ そういや遺跡を発見したのはトーリだっけ。偉い偉い。(笑)
トーリ イヤハハ。(ちょっと照れ)
GM 実際、君らは100年続いた飢餓を救ってるわけですよ。さっき人口10万と言いましたが、最盛期は100万オーバーだったのですよ。
トーリ 凄い過密人口だったんだね。
アッシュ どれだけひどい飢餓だったんだ……。
GM まあ、島を出てった人も多いので、減った分が全員死んだわけじゃないけど。でも『神器』の力に守られていた頃は、この島はそれこそ楽園のような島だったのです。
アッシュ うーん。生まれたときからこんな感じだったから、実感がわかないなあ。
GM ともあれ。君らは予想外の歓待に驚いたりしつつもおいしい料理を堪能したわけですが。一段落着いたところで王様が切り出します。
ルク王(GM) 「さてさて、色々と噂では聞き及んでおるのですが、折角の席です。勇者様と仲間達の御活躍、是非とも本人達の口からお聞かせいただけませぬか?」
チロル 私は聞かれたら全部話しちゃうけど?
アッシュ うーん。別に隠すようなことはないんじゃないか?
ミーファ 廃坑のカギを壊したことは黙っておきましょ。(笑)
トーリ 武勇伝として戦ったモンスターのことを話そうかな。あと遺跡発見のエピソード。
ミーファ 泥まみれになって見つけてきたんだよね。(笑)
トーリ ちがっ、そこはこう、なんか格好良く!
GM ふむ。じゃあ、一通り話を聞きますと、ルク王は合点がいった、という顔で頷きます。
ルク王(GM) 「なるほどなるほど、それで合点がゆきましたぞ。かの騎士は、伝説の『聖剣の勇者』に相違ないでしょう」
アッシュ え? その人のこと知ってるの?
ミーファ この国の騎士だったとか?
ルク王(GM) 「詳しくは何故か王家にも伝わっていないのですが、王家に仕えていた騎士であったことは確かだそうです」
トーリ え? なんで伝わってないの? おかしくない?
ルク王(GM) 「言い伝えによれば、例の『魔導師』が『神器』を破壊する以前、『魔導師』と『勇者』は知己であったようで、『勇者』はそれを気に病み、自ら騎士籍を返上した、と言われております」
ミーファ じゃあ、やっぱり偉かったんだ。あの骸骨騎士。
ルク王(GM) 「で、ですな。祭壇の件なのですが、実は我がファウゼン王家には古くから言い伝えがありましてな」
アッシュ それはどんな?
ルク王(GM) 「このようなものです――」
――かつてこの地に四つの精霊降り立ちたり。
そは水の辺、鉄の山、霧の森、光の中に在り。
偉大なる王ファージアス、神器をもって精霊を従え、
この地に悠久の繁栄を約束せり――
一同 んんん?
ルク王(GM) 「水の辺とはオーレリア岬の遺跡、鉄の山はバスティール鉱山を指しているのでしょう。とすれば、後は霧の森と光の中に欠片を安置すれば、島は完全に元通りになるということなのでしょう!」
ミーファ 光……?
アッシュ 霧の森には元々行くつもりだったけど……光の中?
ミーファ あれ? 神器の欠片って、あと1コだったよね?
トーリ うん。残り1コ。
一同 あれえ~?
ルク王(GM) 「おや、どうされました? まるで欠片が足りないみたいな顔をされてますぞ」(笑)
一同 ……………。
ルク王(GM) 「いや、そんなことはありませんでしょうな。はははははは」
アッシュ あの、その通りなんですが。
ルク王(GM) 「は?」
アッシュ (生暖かい笑み)
ルク王(GM) 「本当に?」
アッシュ キリッ!(笑)
ミーファ ニコッ!(笑)
チロル アッシュ兄ちゃんの言うとおり。(むしゃむしゃ)
ルク王(GM) 「おぉ……!」
GM ルク王は天を仰いで卒倒します。(笑)
ミーファ 王様ーッ!?
アッシュ 困ったなあ。でも、僕らの手元に欠片があと1つしかないのは事実だし、無くしたわけでも奪われたわけでもないし。
ミーファ もらったのがもともと3つだったし。ここで嘘をついても仕方ないでしょうね。
GM では、そこでイグニスが助け舟。
イグニス(GM) 「陛下、勇者殿。畏れながら申し上げます。今は島の精霊力を取り戻すのが最優先。勇者殿には一先ず霧の森へ向かっていただき、その間に兵達に神器の欠片を探させては如何でしょうか?」
ルク王(GM) 「ふぅむ、それで如何でしょう? 勇者殿」
アッシュ もちろん、島の為です。みんなで協力しましょう!
チロル もぐもぐ、ごくん。……もちろん、私達に任せてよ!
GM では、イグニスはアッシュから神器の欠片を見せてもらい、特徴などをよく調べた上で調査に向かいます。
トーリ まあそれじゃ、私達は霧の森に向かいますか。
ルク王(GM) 「勇者殿、霧の森へ向かわれるのでしたら、微力ながら兵をお貸ししましょう」
ミーファ 精鋭部隊? 精鋭部隊?(わくわく)
GM いえ、こんな感じの人達です。
○兵士/アイテム 重量[0]
ルク王がつけてくれた兵隊。自主性と戦闘力はゼロだが、煮炊き洗濯応急手当を請け負ってくれ、また、必要に応じて冒険の手助けをしてくれる。
[効果]
・1シーンに1回、身を呈してPCを庇う。(【ガーディアン】相当)
・1シーンに1回、魂のこもった応援を行う。(【ディスコードLL5】相当)
・治療の手伝いをしてくれる。(HP、MPを回復する際、常時+1Dされる)
トーリ 本当にアイテムじゃん!(笑)
アッシュ 骸骨騎士にもう一度話を聞いておいた方がいいかも知れないね。
ミーファ とりあえず、霧の森に行って帰ってきて、まだ欠片が見つかってなかったら骸骨騎士さんに会いに行きましょ。
トーリ よしじゃあ、もういっちょ世界のためにひと頑張りしましょー。
ルク王(GM) 「勇者殿、どうか御武運を……」
GM といって、翌日、ルク王は君達を送り出してくれました……というところでこのシーンは終了です。
to be continued......
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