【連載エッセイ】嗚呼・・・熟年婚活~[11.誕生日プレゼントに慣れていなくて]
結婚願望がなかったワーキングウーマンのチャレンジはいかに・・・
男性からの誕生日プレゼントに慣れていなくて、
「誕生日でしょ。」と言われると構えるし、
「これ、プレゼント!」と渡されると、緊張が先に来てしまい
「えー!♡うれしい~」
が、なんかセリフっぽくなってしまうのだ。。。
お食事デートばかりがぽつんぽつんと続いているB氏は、毎日連絡取り合うとか、毎週会うとかの熱量はないのだが、週に1~2往復のメールのやりとりが多いほうで、じっくりとしたペースでおつきあいが続いていた。
ステディな関係にはまだなっていないから、、と、B氏にも、Fくんを除く他の方たちにも、わざわざ自分の誕生日を伝える気はなかった。なのだが、B氏とはそのやりとりの中で、たまたま私の誕生日があったことを流れで伝えていた。
年度末で忙しい時期に大震災も起きて、どれくらいぶりだったろうか、しばらく会えていなかったのだが、震災から1か月が経つころB氏から「会いましょう!」とお誘いを受けて、週末に会うことにした。
同じような展開で、E氏とも会うことになったので、同日に2人とデートすることにしちゃったのだ。
E氏と午前~ランチまでお会いすることにし、その後の時間からをB氏にリクエストすると、「お茶しましょう。」と、青山の素敵なカフェを指定してくる。
やっぱりこの方は飲食のお店選びのセンスはとてもよくて、本当にうれしい。
E氏とのデートは先述のとおり、残念ながら会ってうれしかったという感情が薄かったので、E氏と別れた後は、さっさと切り替えて早く青山へ向かいたい。という気分だった。
落ち合ったのは素敵なカフェなのだが、なんだか営業車みたいなお車でB氏はいらっしゃったので、気分が上がっていた私は少し「あれ」と思ってしまったわ。
婚活を振り返ると、このような、私からのいわゆるダメ出しジャッジは誰にでもどんな時でも常にあったような気がする。。。
大変お恥ずかしながら、だいぶだいぶ後になってから気づくのだが、こういう固定概念の塊で人もモノごともジャッジする悪癖が、私にはあるようなのだ。
話を戻すと、久しぶりにB氏と再会し相変わらずソフトでやさしい彼に甘えて、当時私は新しい職場と仕事に就いたばかりで驚愕続きの日々だったことで、思わず仕事の説明と、職場やそこで働くの人たちとの感覚の隔たりによるストレスを滔々としゃべった。
オトナのB氏は、「そうなの~」「それは大変だね~」などと私に同意してくださる。そしてさらに私のトークはエスカレートしてしまう。
素敵なお茶の時間は、そんな風に過ぎて行ってしまい(反省)、B氏のお話や二人でのおしゃべりという、ほんわかしたムードの時間はほぼないままに
お店を出ることに。
B氏は車で家まで送りたい。とおっしゃって、車に乗って。と促すが、家まで来られても困る。とか、車のなかで襲われたら困る。とかいろいろ拒否反応が出てくる私。
子供かっ?!
勝手な自分のストレス話ばかりになった素敵なカフェでのティータイムを申し訳なく感じたのもあり、内心困惑しながら助手席に座る。
すると、手のひらサイズのリボンがけした箱を2つ渡された。
「お誕生日だったんでしょ。だいぶ遅くなったと思うけど、おめでとう。」
ほんとうに思いがけなくて、びっくりする。
「ひとつはお誕生日祝いに。よかったらつけてほしい。」
と示された方のBOXを開けると、スワロフスキーのアクセサリーだった。
男性から女性へのプレゼントの定番らしいキラキラプレゼントを、自分が受け取ることになったシーンだ!
スワロフスキーキャラじゃないと思っているので、こっ恥ずかしくて唸ってしまう・・・ あ!お礼と感激を表現しなきゃ!!
「こちらのほうは、新しいお仕事祝い。使ってください。」
と渡されたのは、スワロフスキーのキラキラのボールペンだった。
これには、なんて気が利いているのでしょう!と感激した。
これがFくんだったら、「ありがとう~♪ うれしい~!」と熱くハグしていることだろう。
いやいや、B氏にそうしてもいいシーンだったかもしれない。車中だし!
B氏はそういう展開を期待していたかもしれないのに、控えめでぎこちない私のふるまいに、きっと彼は拍子ぬけしたことだろう。
ごめんなさい。ほんと不器用な女で、、私。
ステディにつきあっている彼氏や親しい友人からなら、もちろんフランクに感情も全開でうれしさを表すし、相手とも喜びを共有できる。
それよりちょっと距離がある関係の人から、誕生日やクリスマスプレゼントを差し出されると、構えてしまうのだ。
その相手にめちゃくちゃ好意がないのに、特別なものを喜んで受け取ってしまうと、絶対相手は「受け入れられた♡」と思うだろう。そう勘違いされてしまうのがその後めんどうだなぁ、と思ってしまうわけである。
「受け取れません!!」と頑なに押し返したこともあったっけ。
かわいくない。
かわいくない!
不細工な女だね。
冷静に過去を振り返ると、おぞましく不器用で不細工な自分に気づいてしまい、できるならやりなおしたい!と懇願したい相手も何人もいる。
まじめすぎ。
なのかな。
ピチピチしていた頃から、甘え上手、喜び上手、そして、もらい上手だったら、中年熟年になってこんな苦労はしなかっただろう。まったく。
ちなみに、次の年の私の誕生日にFくんが来てくれて、プレゼントとして渡されたのは、前のフライトで行ったインドから、木製の象。手のひらに乗るくらいのサイズで本物感があって気に入った。そして、「ごちそうするよ!」と連れて行ってくれた成田の「スシロー」。私はそのときはじめて行って、その美味しさに加え、すごいお手頃価格に感動した。
B氏とは、プレゼントいただいたことでやっぱりなんとなく「特別感」が漂ってきて、その後別日程でディナーデートの後とうとう手を握られる展開になった。
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