弁護士ドットコム、デザイン部の取り組み2021
弁護士ドットコム 専門家プラットフォーム事業本部デザイン部の内藤です。
昨年から下記を目的としてDFD(Design Focus Day)を実施しています。今年もDFDの取り組みをご紹介したいと思います。が、その前に組織に大きな変化があったのです。
2021年の大きな変化
2021年1月に大きな組織変更があり、弁護士ドットコム、税理士ドットコム、ビジネスロイヤーズという事業部が専門家プラットフォーム事業本部として1つの組織となりました。クラウドサイン事業本部と2つの事業本部体制になっています。それに伴い、専門家プラットフォーム事業本部のデザイン部のメンバーも増えました。
当初のDFDへの想い
昨年までのデザイン部では、弁護士の先生と一般ユーザー向けのサービスにデザイナーが相互に流動的に関わって欲しいという想いを持ってDFDに臨んでいました。そして、デザイン部の取り組みを通じて、お互いのサービスの垣根を超えたレビューや協力体制が期待を遥かに上回るレベルで実現できていました。
新たなデザイン部への想い
そんな中、専門家を、もっと身近に。という経営理念のもと弁護士、税理士、企業法務など、関わる専門家領域が異なるユーザーに対する課題解決をしてきたメンバーが集まったのです。
具体的になにをすべきかが見えず戸惑いもありましたが、同時にDFDの時間を利用して各事業での施策や知見を共有できれば、相互にプラスな作用が生まれるのではと考えました。そして、デザイナーが価値を発揮できる領域が広がったと捉え、DFDも規模を拡大して実施することにしました。
2021年、デザイン部起案の取り組みが誕生
新メンバーを交えて前期の振り返りを行い、たくさんの課題発見ができました。
期待以上に各事業のデザイナーの新しい視点が加わり、素敵な取り組みがたくさん生まれました。曖昧な状況の中、自分たちがすべきことは何かを見極め、デザイン部全員が当事者意識を持って各取り組みを推進してくれています。
それでは、順にご紹介したいと思います。
※この記事は専門家プラットフォーム事業本部デザイン部のお話です。
プロジェクト間の異動を効率的に
オンボーディング
大きな組織変更により各事業部からデザイナーが集結。事業を横断した異動もあり、配属先の各事業やプロジェクトの理解に時間がかかっていました。そんな異動に伴うオンボーディングコストを効率的にしたいという思いから立ち上がったのがこの取り組みです。
事業理解のために各事業のRead Meを見直し、プロダクトの仕様や用語、作業環境や関係者など、幅広く理解できるように資料を整備しました。
さらに、異動の際にプロジェクトのユーザー・サービス理解を深めるために社内でのユーザーテストを実施しています。ある程度形式化することで社内外のユーザーテストに活かせるスキームも誕生しました。ユーザーテストを実施する側にも新しい知見が得られる良い機会になっています。
3世代に渡るCSSの世代交代、スマートフォン対応
ページ改修
サービスの長い歴史の中で生まれた3世代に渡るCSSがあり、UIの装飾も混在している状況です。これらの優先度が上がりづらいものの改修することで、印象価値の向上やUI改善、日々の施策の実装コスト削減を実現しています。
一方で優先度の関係でスマートフォン対応が遅れているページがあります。これらのページをスマートフォン対応し、サーチコンソールのモバイルユーザビリティでエラーが出ているものを削減することで、ユーザーと検索エンジンにポジティブな影響を生み出しています。
マーケティングツールの改善サポート
デザインシステム
弁護士ドットコムには弁護士の先生に寄り添い、専門的な事業知識を発揮して活躍しているマーケティングのメンバーがいます。一方で、事業知識の深いメンバーに頼った属人的なコンテンツ制作が発生していました。そんなメンバーの知見・思考を一般化・モデル化できるか、に挑戦する取り組みになりました。
まずはデザイナーとの接点も多い、メルマガのコンテンツ制作に着目。目的を明確にしながらターゲットに最適なアプローチを考えるためにマーケティング・コンセプト・キャンバスと名付けたフレームワークを作成しました。このフレームワークを使うことで思考プロセスを整理・見える化し、関係者のコミュニケーションのズレを減らすことを狙っています。
エンジニアの取り組みにデザイナー初参戦
出張TFD
弁護士ドットコムの開発部も20%ルールを採用し、TFD(Tech Focus Day)として開発の取り組みを進めています。今回はその取り組みにデザイナーがはじめて参画しました。
まずはデザイナーとして何ができるか、何をすべきかという視点で課題整理しました。社内ツールの改善のための社内メンバーへのヒアリング、デザイナー向けにドキュメント作成などを実施しました。
エンジニアの取り組みに参加することで、普段と違う進め方や考え方に触れつつ、逆にデザインプロセスに興味を持ってもらえるなど、各職域の相互理解を深めるきっかけにもなっています。
一般ユーザー向けデザインシステム改修
Omusubi System
事業目標を追いつつ、ユーザー体験のさらなる改善を実現するためにデザインシステムを進化させるタイミングがやってきました。
ユーザー体験向上のための仮説検証サイクルにより対応しやすい「機動的なデザインシステム」への刷新を、デザイナーだけでなく、売上・マーケティングのメンバーともすり合わせながら進めています。抽象度の高い仮説から具体のUIに落とし込むまでのプロセスがオープンに可視化されて進んでおり、あらゆる施策への展開を期待しています。
新デザイン部のミッション、ビジョン、バリュー策定
デザイン部MVV
組織変更もあり、あらためてデザイン部のミッション、ビジョン、バリューを考えることにしました。トップダウンでMVVを落とすのではなく、メンバーの価値観・想いを反映したものにするべく、個々の価値観の知る・理解することから始めています。
手探り感はありつつも、みんなが納得感を持って、モチベーション高く弁護士ドットコムで働くためにも、同じ方向を向けるミッション、ビジョン、バリューを策定していきます。
社内外に向けてデザイン部の取り組みを発信
ブランディング
デザイン部の取り組みや成果を社内外に向けて発信したいという思いから生まれた取り組みです。この記事以外にも下記のような施策をはじめ、たくさんの自発的、実験的な取り組みが実施されています。今後、弁護士ドットコムの開発ブログも刷新されていくので、さらにデザイン部の活躍を発信していきたいところです。
この記事も文章校正してもらいました。
振り返り・まとめ
組織変更を機にさまざまな課題発見ができて、たくさんの取り組みが生まれました。各事業の知見を持ったメンバーが集まることで、新たなコミュニケーション・コラボレーションが生まれた1年でした。
それぞれが得意な領域を広げたり、追求したり、苦手な領域に挑戦したりと有意義な時間になっていると信じています。
デザイナーの成長
個人的な驚きとしては大きく2つあります。
まずは、昨年よりも個々が自律的に動ける組織になっていて、課題発見、解決の案出しから推進までを各自で迅速に実施できるようになっていること、さらに、視野も大きく広がり、他職種や事業部の目線で取り組みの成果を展開できていることです。
各個人が自分のやるべきことを見出し、自走できる状態なので「どうしたらいいですか?」という質問・確認の機会が最小限に抑えられ、「この目的でこれをしたい」という提案が増えたのを感じています。
私自身の役割
私自身の役割として、今後もデザイナーが利他的に職域を広げながら活躍できるような環境・場作りを心がけていこうとあらためて思った1年になりました。
DFDで面白そうな取り組みが生まれるたびに首をつっこみたくなるのですが、なるべく控えたいと思っています。そして、弁護士ドットコムのデザイナーの活躍をもっと社内外に伝えていこうと思います。
来年も弁護士ドットコムのデザイン部をもっと良い組織にするために伴走していきたいと思います。
最後まで読んでいただき有難うございました。
この記事は、弁護士ドットコム Advent Calendar2021 16日目の記事です。
前日は@t_odashさんの「データレイク、データウェアハウス 、データマートの3層構造の分析基盤を運用する話」でした。