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バイリンガル・帰国子女 海外子育て ワークショップでの学び
こんにちは、アメリカ駐在中のシナモンです。
米国大学でバイリンガル教育研究をなさっている先生のワークショップの参加したので、気づきや内容をシェアしてみたいと思います。
今回は、永住の子どもたちではなく、駐在のバイリンガル(日英)教育にフォーカスします。
土台の言語が必須
その子にとって「一番強い言語があることが大切」
しっかり深く考えることができる言語は何なのか。母語(最初に習得した言語)が必ずしもその子の「一番強い言語」になるとは限らない。
違う言い方をすれば、もし英語と日本語が1:1な場合は、思考が浅くなる、ということである。
何か国語も話せたとしても、浅く、表面的なことしか話せなかったり、思考できない場合は、なかなかきついことは想像がつくであろう。
年齢別の英語力の伸び方(駐在中)
0~7歳 英日どちらも浅い
8~10歳 英語の伸びが良い
10歳以上 年齢が上がるにつれて英語が大変になる傾向
中学生以上の場合、親の方針と子どもの気持ちが違っている場合、なかなか海外駐在は困難かもしれない。
英語習得はあせるな
10歳以上の場合、ネイティブレベルになるには、(性格や個人の能力差もある)が、
SpeakingとListeningは、3年以上。
ReadingとWritingは、5年以上。
かかるらしい。もちろんネイティブレベルを目指すわけではないが、
現地校についていってほしい、それなりの成績を取ってほしい、という期待がより大きくなって、ネイティブレベルまで期待してしまうことは、あまりにも求めすぎだと気づいた。
1番避けるべきこと
「プレッシャーをかけすぎて、現地の生活が嫌いになる」ことは最も避けるべき、
と先生がおっしゃっていた。
子どもの性格によっては、親のプレッシャーを感じやすい子もいれば、あまり影響を受けない子もいる。励ましが圧にならないようバランスが大切だと感じた。
どちらの言語も中途半端
個人的な体験だが、学生時代、カナダにいたとき、英語も流暢、日本語も普通にはなせる日本人の男の子がいた。彼は中学から単身留学できており(親に無理やり行かされた)、日本の勉強は小学校まで、現地校に通っているが、日本人が多い学校だったため日本人の友達といつも一緒。おそらく、目的意識がないまま無理やり留学させられたので、英語が嫌そうだった。高校卒業後、どうするかわからないが帰国はしたくないようだった。
彼と話していて感じたのは、深い話ができないので会話が続かない。流行りの店や、軽い食べ物の話ぐらいはできるが、ボキャブラリーが乏しく、盛り上がらない。日本語の時も、英語の時も同じだった。私の名前はそれほど難しくない常用漢字だが、私の名前が読めず驚いた。
特殊な例かもしれないが、「1番強い言語が必要」の意味がよくわかると思う。
駐在の子どもたち
永住と違って駐在の場合、駐在期間、時期によって、「1番強い言語」が違ってくるであろう。しかし、共通して言えるのは、駐在は、子どもが海外大学進学しない限り帰国する。つまり、日本語の保持は必要ということだ。
では、どのくらい日本語保持に重きを置くのか?
これは、
「親が家庭の方針を決めて、ゴールから逆算して今やるべきことに取り組む」
と、先生はおっしゃっていた。
正解はないが、方針は大事ということである。不慣れな場所に行くとき、ナビに目的地を設定せずに行くと迷いますよ。という事だろう。
まとめ
目的地設定は、そんなにピンポイントでなくてもいいと思う。
あまりにも早くから何丁目何番地まで決めてしまうのも、また親子ともに息苦しくなる。
本人の興味関心が明確になってくる中学2年あたりから、将来のことや、海外や日本の大学のことなど話していけばよいのではと思う。あくまで、わくわくをベースに(笑)。
余談
親というのは、子どもに
「健康で幸せに生きていてくれれば。」と心穏やかに思う日もあれば。
学力や進路で「このままじゃダメになる!何とかしなければ。」と責任感でいきり立ってしまう日もある。
焦りや苛立ちを子どもにぶつけすぎて「なんてダメな親なんだろう。」と罪悪感に打ちのめされる日もある。
みんな、悩んだり笑ったりしながら子育てをして、ある日、「あっという間だったな~」なんて、懐かしく振り返る時が来るのだろうなぁ。おっと、ウルっときちゃう。