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京都スナップ紀行 1日め(2025/1/24)

あこがれの地・京都

京都。
修学旅行で行くはずだったのに、急遽わたしの代だけ変更になって行けなかった場所。新本格ミステリ好きには聖地とも言える場所。
京都画報」も「いけずな京都旅」も「京都人の密かな愉しみ」も大好きな番組だし、もうず~っと憧れていたのです。

ただ、憧れつつも、
遠方への旅行は金銭的に厳しいな……→貯金に余裕でてきたけどコロナ渦真っ最中に旅行はちょっとな……→コロナ禍収まりつつあるけどオーバーツーリズムで人やばそうだな……
といろんな理由から先延ばしになっていたのですが、「1月の京都は比較的空いてる」という話を耳にし、えいやっと予約。

ついにあこがれの地・京都へ行くこととなったのでした。

話題の新幹線コーヒー
のぞみブレンド、コク深めで美味しいね

※撮影はすべてX-T50+XF23mmF2です

まずはメシにしよう

11時前に京都駅に到着。まずは予約していたランチのお店へ向かいます。
慣れない駅ナカをさ迷い歩いてなんとか地下鉄に乗り換え、Googleマップを頼りにぶらぶら歩き出す。

正月飾りをあちこちで見かけた 地元では三が日過ぎたら外してしまうけど、
こちらは一月いっぱいつけているのかな
ディスプレイの形がイイ
落とし物だろう手袋とその番人
ふくふくの招き猫、かわいっ!

道中そこここに京都らしさが滲んでいて、楽しくスナップしていたらあっという間にお店に到着。
京都最初のゴハンは、「京都行くんでおすすめスポット教えて下さい!」とTwitterで募ったらフォロワーさんが教えてくださった、焼肉屋さんのハンバーグランチです。

自分のお好みの焼き加減が選べるという名目

店員さんの指示に従い、煮汁がふつふつしてから2〜3分のところで、一つ目のハンバーグをご飯の上へ。表面こそ焼き色はついているけれど中身はやわやわ、ほぼ生肉。

卵黄を割って、醤油ベースのタレを掬ってかけて一口。柔らかく崩れたひき肉の脂が卵とご飯が混ざり合い、一体となって口の中でとろける!ワシワシッとかきこむ! 美味しい! 美味しいけど……これハンバーグっていうより、ユッケだな?

2個目はちゃんと火を通して食べようとしばらく焼いたんだけどうまく日が通らず、中途半端に焼き固められた表面がノイズになって、1個目ほどの一体感・多幸感は得られなかった。ユッケのつもりで食べたほうがいいね。

そうそう、セットのサラダがえらく美味しかったです。刻んだ大根葉(?)と紫玉ねぎをオリーブオイルと塩で和えたのかな。深い緑と紫の取り合わせが綺麗だし、これは真似して作ってみたいな。

錦小路から丸善へ

お腹も満たされ、腹ごなしに錦市場へ繰り出します。
キャンディカラーの天窓がかわいい! 通りが切れるたびに若冲の絵の垂れ幕に迎えられて嬉しい。全部柄が違うのもいいな。
たしか生家の青物問屋が錦小路にあったんですよね。

漬物・野菜・鮮魚や乾物などを扱う昔ながらの商店と、観光客向けにド派手に飾ったお土産屋や食べ歩きのお店が混在していて、狭い路地は賑やか。
お昼直後じゃなければいろいろ食べたかったんだけど。

外国人旅行者の方と場所を譲り合いながら写真に納める
撮りたくなっちゃうよねえこれは!

家族から「とにかく辛い、よく効く七味を!」とリクエストされており、ここならあるだろうと探したらうってつけの品を発見。

「世界一辛い七味」と謳ったおちゃのこさいさいの「舞妓はんひーひーはなんとハバネロ入り。帰宅後さっそく開けてみましたがたしかに辛い! でも決して食べられない辛さではなく、香りもよく美味しい七味でした。ちょっと振るだけでよく効くからコスパもいいね。

ぢんとらの「大辛も美味しそうなので買ってみた。冷凍すれば一年持つとお店の方に教えていただいたので、来冬まで七味には困らなそうです。

ミッションを終えたので錦小路の喧騒を抜けまたぶらぶら歩き。通りがかった蛸薬師にお参りし、お目当ての一つ、丸善本店へ。
今は商業ビルの地下にあるんですねえ。

写真集や文具、新刊棚を見て回り、お目当ての梶井基次郎「檸檬」(と「城崎にて: 四篇」)を購入。やっぱ京都に来たからにはね。
「『檸檬』を買ってスタンプを押そう!」なんて専用スタンプが用意されているあたり、同じことを考える人も多いんだろな。

梶井基次郎、実は未読なのでこれを機に読んでみます

誠光社、恐ろしいところ

ホテルでチェックインを済ませて一休みし、旅程再開。寺町通りを北上しながら次の目的地を目指します。

寺町通のアーケード、レトロポップ!
かわいい箸置き 買うか迷った
オ ナイス光
年季の入った古本屋さんの向かいには……
なんとあの本能寺! こんな通りのすぐ脇にあるのか!
堂々たる屋根
裏手にある信長公廟はpaypay対応👀
まあ信長公新し物好きだしな

アーケードを抜けて通りを変え、さらに北上。道中で文具屋を覗いたり、美味しそうなベーグルを衝動買いしたりしながら、Googleマップを頼りに路地裏に入ると、お目当ての書店「誠光社」に到着!

以前読んだ本のある空間採集で紹介されていて、いつか行ってみたいなと思っていたのです。

さりげない看板 見落としてしまいそう

温かみのある板張りで統一された店内書棚スペースには、面白そうな本がずらり。緩やかなジャンル分けで並べられた背表紙を眺めるだけで楽しい。

中央の棚に平積みされた犬の画集に目を惹かれ、パラパラめくるとドンピシャ好みの画風! いいな欲しいな買っちゃおうかと値札を探すも見当たらなくて、「あれ、値段わかんねえ……」とマスクの中で呟いた。
すると奥にいた店主が即座に飛んできて「ああ値札がついていないですね、すみません。こちら4500円ですね」と教えてくれる。

迅速な対応にびっくりしてお礼を言いつつ「4500円! クゥ、結構するなあ……でかいしこれ持って帰るのもなぁ……」と棚に戻して他の本を見ていると、また戻ってきて「こちら、同じ作者の本です、よければどうぞ」と比較的お手頃な豆本画集を出してきてくれる。

え、すごすぎ。
変に馴れ馴れしくなく自由に棚を見させてくれて、だけど客の様子を観察して適切なタイミングで必要な情報を教えてくれて、欲しい本につなげてくれる。大規模書店じゃできないだろう細やかな接客に、ちょっと感動してしまった。
(単にわたしの独り言がでかかっただけかも……だとしたら申し訳ない)

そんなこんなで購入したのはこちらの4冊。

何か記念に一冊買おっかな~ぐらいの軽い気持ちでいたら、並んでる本がどれもこれも面白そうで、だけどここで逃したら再会できなそうでついついいろいろ買ってしまった。
うう、思わぬ散財。楽しくも恐ろしいお店です、誠光社。

そちこちでサザンカが綺麗に咲いていた

鴨川さんぽ、そして下鴨神社へ

きょうのミッションはもう一つ。
下鴨神社の相生社あいおいしゃで、婚活中の兄のために縁むすび守を買って帰らねばなりません。ということで鴨川(賀茂川?)べりに移動し、川に沿って更に北上していきます。

これがかの有名な鴨川かあ!
遠くの山までどこまでも開けた景色と、静かに流れる澄んだ川面、時折聞こえるトンビの鳴く声、学生さんたちのはしゃぐ声。チルだ……。
しかし歩いても歩いても同じ景色が続き、だんだん焦り始める。
下鴨神社、17:00で閉まるんだけど……間に合うか?!

トンビがピョーロロロと旋回しており、風情
トンネルに入るといい感じの光が差している

どうにか営業終了20分前に鴨川デルタへ到着。
地図で見るとここからが長いんだが! 早足で社務所まで進み、5分前。
間に合った!と思ったら巫女さんがすでに店じまいの準備を始めていたので、お願いしてお守りを買わせていただく。すみません、ありがとうございます!

相生社のそばの夫婦像。男の方すごい絶望的な顔してるけど大丈夫?

相生社にしっかり兄の良縁をお願いし、本殿にも参拝。

意外なほどに空いていた 時間が時間だからかな
奉納された干支の絵と絵馬 カッコイイ

たまごの春巻、京都の夜

帰りはさすがに疲れたので地下鉄でホテルに戻り、夕食へ繰り出します。この夜は中華と決めていました。

地下鉄降りたらとっぷり日が暮れていた

京都には薄焼き卵で巻いた春巻を出すお店があると、料理youtuberのgenさんの動画で知り、絶対食べてみたい! と思っていたのです。
出しているお店は市内でも数店しかないようですが、幸いホテルの近くに該当のお店があったので、喜び勇んで向かいます。

たどり着いたお店は、小さな町の中華屋さんといった風情。
いらっしゃいませ~と快く出迎えられて席につくと、カウンター内で店主が中華鍋を振るいながら常連客らしきマダムと楽しげにお話中。
「(ウォオすみません、観光客がお邪魔しちゃって……)」と内心恐縮しつつ、春巻と、ちょっと悩んでヤキソバを注文した。

程なくして届いたのがこちら。

これが京都の春巻だー!!
あんかけのヤキソバも美味しそう!

いつもの春巻のパリパリ感とは全く違う、繊細なサクサクの皮。ちょっと具の湿気を吸って柔らかくなっている部分は卵の味が感じられる。
具はとろみのついていない、あっさり塩味のタケノコとエビがぎっしり。食感も味付けも優しくてホッとする、しみじみした美味しさでした。
ヤキソバも細麺とたっぷりの豆もやしが餡とよく絡んで、美味しかった!

すっかり満腹大満足のお腹を抱えて河原町の方までぶらぶら歩き、SOU•SOUで刺繍ブローチと伊勢木綿の首巻きを購入。苦渋の決断で4つに絞ったけどまだまだ欲しいのたくさんあった……!

それから六曜社(地下店)でブランデー入りココアをいただいた。

あっつあつの濃いココアにたっぷりのブランデー、夜道で冷えた身体に沁みますねえ……。一口ごとに濃密な香りが鼻をくすぐり、気持ちもふわふわほどけていく。

カウンター奥に所狭しと並ぶウィスキーやブランデーの瓶がレトロな照明に照らされキラキラ光る様や、常連さんと店主の交わす心地よい京都ことばのイントネーションに浸りながら、あーなんていい空間なんだろう……と幸せを噛み締めました。
空気を壊したくないのでカメラも封印です。

1杯を大切にいただきながら、旅行のお供に持参した本の終章をゆっくり読み終え、旅程の1日めを締めくくったのでした。いい1日だった……。

→2日めの記事はこちら