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『漁港口の映画館 シネマポスト』ではレア・フェネール監督作品『助産師たちの夜が明ける』が11月8日(金)まで上映となっております。

2023年/フランス/100分
配給:パンドラ
原題:Sages-femmes
英題:MIDWIVES
監督:レア・フェネール
出演:エロイーズ・ジャンジョー、ミリエム・アケディウ
日本版字幕:松岡葉子
医学用語字幕翻訳協力:田辺けい子
後援:公益社団法人日本助産師会

タイトルに助産師とありますので、いわゆる社会派的側面の強い映画であることは予め想像できると思います。
そこで社会派映画とはどこまでの範疇、範囲を社会派とみなすのか…私の考えを申し上げますと、まずは以下の前提が基本にあります。

・個から多である
・多の中で共通する問題事案がある
・法律や行政に触れている事案

若干硬い言い回しですが、例えば松本清張の小説名作群にはそうした要素が詰められているケースも多く存在します。
代表的な『砂の器』はまさにハンセン氏病(らい病)からの村八分、差別扱い、人権問題が孕んでいます。映画化においても原作の趣旨を踏まえた理解を感じるのです。

描き方としてストレートに訴える方法もありますが、人間ドラマに混ぜながら、登場人物たちにとって何らかの成長や気づきに繋がる流れを構築する方法が、エンターテインメントの枠の中では王道と見る向きが一般的かもしれません。
これはドラマがあって初めて社会的問題を考えるきっかけになるのです。
ドラマというツール、コネクターが橋渡し役として問題を分かりやすいものに解析していく効果と言って良いかもしれません。

しかし、それでも純度にこだわるべきという意味でドキュメンタリーに特化する方向性もあるので、社会的問題を軸に置き映像表現をどのような形にするかは、まさに製作者、監督の得手不得手に委ねられているという見方もできます。

共通するのは問題をいかに浮き彫りにする事ができるか、結果として視聴者側にテーマとする点の問題意識を持ち得られることに成功したか否かが問われる方法論の有無と言って良いと思います。
優れた社会派映画はまさにそこがクリアになっています。それでいて映画というフォーマットにおいても感動を与えているのです。

映画『助産師たちの夜が明ける』は十二分に私が示した解析を充たして止まない力作と言って過言ではありません。
最寄りの映画館でのご鑑賞を自信を持ってお奨めいたします。
山口県では弊館の在る下関のみです。
隣接の福岡県は北九州を飛ばして博多エリアになります。

考察しながら、社会派映画とミニシアターの相性はやはり良い関係であることが伺えます。

【『幽霊はわがままな夢を見る』上映情報】

周南「絆」映画祭とは – 山口県周南市で開催する周南「絆」映画祭。
この町から「人」の力、「まち」の力を、映画を通して全世界に発信したい。

11月30日〜12月1日開催の周南映画祭に出品となります!

山口県東部に初登場です!

『『幽霊はわがままな夢を見る』公開決定!』

2024年11月30日(土)より1週間限定上映!名館、名古屋シネマスコーレにて公開!

どうぞよろしくお願いいたします❢


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