とある記事から考えてみたいと思います。
この問題に共通しているのは、選手寿命にまつわるリスク、その保障の是非となります。
しかし、大谷翔平というベースボール史上最高選手の前には論理破綻を余儀なくされる事案として、客観的に視ても懐疑的にならざるを得なくなるのが本音です。
メジャーリーグの場合、選手個人のセーフティネットにおける出場希望イコール保険料支払いクリアの自己判断があります。
そこをプライオリティとしてどのように位置付けるかは完全に個人に委ねられます。ビジネスライク社会ならではのアメリカ国民的にも‘出る出ないは個人の自由で良いじゃないか’が浸透している背景も含めて、実際余裕があります。
元々、大義としては世界中にベースボール振興を促し理想結果として、コンテンツ需要を高めてビジネス買いに繋げる意向がアメリカメジャーリーグ機構から提唱されたことに端を発し、日本とメキシコが賛同したことで世界各国に伝播していった経緯があります。
そこで、メジャーにはこの保険料があるからこそもし大会時の怪我が原因でシーズンを棒に振っても年俸保障があるから、まあ出ても良いかの判断材料にはなり得ます。
その点、日本はそうした環境が脆弱であり選手管理は球団任せであるのは大きな違いがあります。
かつて落合監督時代の中日ドラゴンズがWBCに選手提供を見送る判断をしたのは、その点に拠ります。
またメジャーリーガーが多額の保険料を出してまで参加すべきか否かが問題であるのに対し、日本プロ野球機構は国の威信をかけてといった選手もその気にさせられる、明らかに出場する意味での温度差があります。
本論として、大谷翔平の凄さは紛れもなく選出時点でもメジャートップの成績を誇る彼の口から、出場が夢だと語り、理由にかつてのイチローの活躍が自身にかなりの影響を与えられたとある通り、先般のWBCでの優勝は誰が見ても、当時のイチロー選手の立ち位置にある大谷選手の活躍が牽引したのは事実以外の何ものでありません。
ソフトバンクホークスの柳田悠岐選手のようにWBCに出場しない選択もある中で、出場の意思を示して実際に出場して大会で活躍した後にペナントレースで調子を崩した選手が多い為に選手会の労働組合が動く経緯を、シーズン大活躍中の大谷翔平や吉田正尚、ダルヴィッシュ、ヌートバーと比較対象として、前述の保険制度や日本の現状を考慮してもベースボールと野球のレベル差なのか、自己管理に問題があるのではないかと考えざるを得ないのです。
往年のプロ野球選手が当時の裏話に酒と女性関係を自慢エピソードに挙げるケースが聴衆の食い付きが良いと多々見受けるのですが、総じて昭和豪快伝とします。
そこで大谷選手がこのように話します。
野球ファンは球場に胸を躍らせながら素晴らしい一流のプレイを観に来るものであって、選手は最高のパフォーマンスを発揮する為に日々をどのように過ごすかに気を配る必要があり、身体を疲れやすくするアルコールは飲まない、疲れを回復させる為の睡眠は長く摂ること。食事は大事。長くハイクオリティに現役生活を送るためには。
意識レベルが大谷選手と日本のプロ選手との違いだけなのか、単にメジャーと日本の差の問題なのか…どちらにせよ成績を理由に保護してほしいと言うには、大会に出場した全ての選手が成績不振に陥っていることでしか理屈が成り立たない論理に見受けてしまいます。
ストイシズムに現役時代を有意義に過ごす事と人気のある時に安易な欲望を満たす事の刹那と捉える‘実力’の有効期間を楽しむというアスリート本人のどちらかの選択でもあります。
例えば野球であれば、特定球団のファンとして生活にリンクさせながら球団の勝利を励みにして過ごしている人も多いと想像できるならば自ずと答えは出るとも言えます。
サッカー文化よりベースボール、バスケにビジネスマターの強いアメリカが世界大会に持ち込めるスポーツコンテンツとしてWBCを打ち出し、経済スポンサードに日本を呼び込み、大会を重ねるごとに参加国も増えているにせよ、日本の有り様、そして肝心のアメリカ含めて様々な思惑が垣間見えるのがバックステージの見処という見方もあります。
そして、昭和豪快伝を楽しく聴ける若い世代は更にいないだろうなと思うのです。
【インフォメーション】
下関名画座 次回上映作品ご案内
■上映日程
第16回 2023年9月17日(日)
「第三の男」(1949/イギリス/105分) ※吹替版上映
原作:グレアム・グリーン
監督:キャロル・リード
出演:ジョゼフ・コットン
オーソン・ウェルズ
アリダ・ヴァリ
音楽:アントン・カラス
内容
第二次世界大戦直後、米英仏ソの四か国による分割統治下にあったウィーンに親友のハリー・ライムを訪ねてきたアメリカ人作家のホリー。だが、ハリーの家に着くと守衛からハリーが交通事故で死亡したと告げられる。腑に落ちないホリーはウィーン中の関係者にあたり、真相究明に奔走する・・・
■タイムスケジュール
1日4回上映実施いたします。
①10:30 ②13:30 ③16:30 ④19:30
それぞれ上映後は5分程度の作品解説あり。
■チケット
前売り1,100円 当日1,300円
※映画チケット購入者には当日有効の駐車場3時間無料
※シーモール1Fインフォメーションカウンターで販売中
■問合せ 山中プロダクション(09082474407)