見出し画像

‘まちづくり’を掲げた行政や民間事業でも補助金使用について、ひときわ警鐘を促してきた経営コンサルタントの木下斉氏のある日のXの寄稿に共感するところがありました。

考えてみると、平成時代から現在までに日本中郊外は特にディスカウントストアとコンビニエンスストアだらけになった感があります。
記事の中にある都市部もデベロッパーの思惑に優先されるがまま、とどまらない開発のうねりの最中です。
金融資本主義の悪弊を指摘する声もあります。
資本主義の構図は単純です。
資本を投下して付加価値を加えて回収する。いかに優先的に消費を呼び込み独壇場を作れるか、資本の多寡を競争原理の基軸に置くので商圏イコール人口密度のランキングでコスト(資本)が変化するに過ぎません。
一部上場の企業の視点は対象が全国規模です。デベロッパーと建設大手は言わずもがなです。

そこで人が生活する上で町のあり方が問われます。町の風景に直結する点で、開発企業は行政とのネゴシエーションが凡そ必要になります。資本主義と社会基盤の共生が成り立たないと歪な形、結果になるのは当たり前で、利用されない建物が出来るだけなのです。
パイ(人口)の大きな都心部で成り立っても地方で同じやり方が成立するはずはないのですが、行政側の考える‘まちづくり’はどこか都心のジュニア版を夢想しがちなイメージがあります。
真新しいモノを提供すれば人流が闊達になると考えるのでしょう。

行政のサービスには元々限界があると分かった上で、一般市民が現在を生きる選択肢を自ら考えることが大切な気がしてなりません。
若い時分は都心部で揉まれて、独立するスキルを身につけて何処でも通用できるようにするとした、これまでの送り出す側の理想があったと思いますが、インターネットを駆使することで地方からの発信が可能な時代になった点は最大のテクノロジーの進化を体感できているはずです。これは老若男女問わず、関心領域のカテゴリーに活かしていけます。

やはり個人の考え方、思想が醸成できているか、何かと行政任せや依存体質に浸かっていないか、自己検証することで、まだ可能性を見出せるのではないかと私は信じています。
アートや文化の面で考えると、良くも悪くも情報摂取について、インターネットからが概ねのスタンダードに近い現在、案外、都市部と地方もトレンドに差がなくなり始めています。
これだけ自分次第という言葉が有効な時代はなかったのではないかと。

‘便利’‘儲かる’
このアイテムのみの主要な目的にならない選択的思考を突き詰めても良いのではと感じるのです。

【漁港口の映画館 シネマポスト 次回上映(3月1日より)作品のご案内】

原題または英題 Cinema Laika
製作年 2023年
製作国 フランス・フィンランド合作
配給 ユーロスペース
上映時間 81分

監督・撮影・編集 ヴェリコ・ヴィダク
脚本 ヴェリコ・ヴィダク、エマニュエル・フェルチェ
出演 アキ・カウリスマキ、ミカ・ラッティ、ジム・ジャームッシュ、アンナ・カルヤライネン、 カイサ・カルヤライネン

フィンランドの名匠アキ・カウリスマキが仲間たちと作った映画館「キノ・ライカ」のドキュメンタリー。

カウリスマキと共同経営者の作家ミカ・ラッティが2021年に映画館をオープンさせるまでの様子やインタビューに応じる姿などをカメラに収め、カウリスマキが自ら館内の内装や看板設置などの作業に勤しむ姿も映しだす。「枯れ葉」に出演した女性デュオのマウステテュトットや「希望のかなた」に出演したヌップ・コイブ、サイモン・フセイン・アルバズーン、盟友ジム・ジャームッシュらも登場し、カウリスマキとの思い出や映画への思いを語る。





いいなと思ったら応援しよう!