京都みなみ会館、2015年1月
「京都みなみ会館」という映画館がある。近鉄東寺駅から徒歩1〜2分ほど。世界のアート系映画や、特撮怪獣映画にかなり力を入れているミニシアターだ。
自分が京都みなみ会館に始めて訪問したのは忘れもしない。2015年の1月2日。京都市では珍しく大雪で雪が積もった正月。「今年はシネコンばっかじゃなくてミニシアターも回ろう!」と抱負を立てた矢先、すぐに近場のミニシアターを探して向かった次第だ。
当時は大阪じゃなくて、京都の実家で暮らしていた私。烏丸の「京都シネマ」と迷って結果こっちを選択し出発。当時はまだ出町座もアップリンク京都も開館前。雪を深く踏み込む感覚は、子供の頃以来じゃないかと思うほどノスタルジーを感じた。
2022年現在のみなみ会館は九条通の北側に建てられたかなり近代的な造りで、シアターが3つある"半シネコン状態"になってるけど、2015年はまだ移転前。今のみなみ会館の斜め向かい、フレスコの隣にあった。
これですね。今までこの道何回も通ったことあったけど、ずっと「LASVEGAS」っていうパチ屋だと思ってたよ。映画館だったとは。ごめん。
右端の狭い階段が唯一の出入り口です。怪しいブツ売ってそうな雑居ビルの暗さなのよ。この時点で、TOHOシネマズやMOVIXしか行ったことない自分は少し怖じ気つきます。
恐る恐る階段を登ると、ロビーで受付。
小さなカウンターと、申し訳程度の机と椅子。あとは隙間がないほどに壁にびっしり貼られた上映予定の映画ポスター。
ああそうか、ここは空間を楽しむ場所なんだな。例えば純喫茶が、珈琲を飲むだけの場所じゃなく、内装や音楽や照明も全て含む「空間」に身を置くことを目的とするように、ミニシアターもまた映画見るだけじゃなく、映画に溢れた空間を楽しむ場所なんだな、と。
ちなみにこの日見た映画は、ウェス・アンダーソン監督の当時の最新作「グランド・ブダペスト・ホテル」でした。みなみ会館との相性抜群。元は前年の夏頃にシネコンで公開してたんですけどね。見逃してたおかげで、すばらしい劇場に出会えました。
劇場は、うろ覚えですがおそらく150人くらい入れそうな大きめの1シアターのみ。不思議なのが、劇場の床がUの字に湾曲してるんですよ。普通はスクリーンに近いほど席が低くなるんですけどね。ここは中心が一番低くて、そこからスクリーンに近づくほど逆に高くなる仕様。つまりA列よりB列のほうが低いんですよ。なのにB列に座ってもちゃんと前の人の頭と被らず、スクリーンが見れるんですよね。これ未だに謎です。
衝撃が多かったミニシアター初体験。その後、同年の3月に始めてオールナイト上映に参加するんですが、それはまた次回にでも。
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