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VRアーティスト「えんぴち」さんに、VRアートについて質問しました。

2022年10月22日(土)、23日(日)午前10時から午後5時まで、札幌市の地下歩行者空間(チカホ)北2条広場(7番)で開催するVRアート祭に参加するVRアーティスト「えんぴち」さんに、VRアートについて質問しました。

【質問1】空中に絵が描けるVRアートと出会ったきっかけを教えてください。
2017年に、既にVR機器を所有していた友人から『TiltBrush』を紹介してもらいました。
私にとって非常に幸いだったのは、初期費用がかからなかったことです。というのも、TiltBrushを紹介してもらった時というのは、友人達が何人も集まってボードゲームなどで遊んでいる時でした。TiltBrushを紹介してもらってから、その場で何時間も面白くて楽しくて私は描き続けていました。友達そっちのけで描き続けることを許してくれる人達たちでよかったです(笑)その様子を見て、その場にいた投資家の友人が、VR機器一式をAmazonでポチっと購入してくれたのです。ゲーミングPCもその友人が持っていたものを譲り受けました。
TiltBrushを紹介してくれた友達、機材一式を投資してくれた友達、この2人がいなければ私はここにいません。本当に感謝しています。

【質問2】VRアートの一番の魅力はなんだと思いますか。
Blenderなどのモデリングソフトとは違い、直観的に描けることではないでしょうか。Blenderなどではマウスやキーボードを駆使して少しずつ形を作っていきますが、VRアートでは自分の腕をただ動かせば、その通りにそこに描かれていきます。
初めて描いた時の衝撃的な面白さ楽しさを、私は未だに忘れることができません。

【質問3】VRアートの一番の難しさはなんだと思いますか。
共有です。VRアートは非常にデータ量が多くなりがちです。そのため、既存の3Dプラットフォームでは、アップ上限に引っかかってしまい共有ができないことも多いです。
プラットフォームによっては、分割したデータを用意しそれぞれをアップ後、プラットフォーム上で合体させればいける場合もありますが、大変時間がかかる作業です。
また、ペンの色が抜けてしまったり、動きのあるペンが止まってしまったりと本来の形で表示されないこともあります。
アップ出来ても、シンプルなものに限られる、実際にアップ作業をやってみないとできるかわかりません。
動画や画像で共有しても、実際にVRで見た時と全く異なる印象になりますので、本来の作品の姿をなかなか伝えられないというジレンマは抱えています。

【質問4】VRアートを広く知ってもらうためには、何が必要だと思いますか。
まずは、発表の場が増えたら有難いと思っています。作品の本来の姿は、VRゴーグルを被り見て初めてわかります。そういった体験できる場が増えたらいいなと思います。
同時に、既存の媒体で伝えていくのは必要だと思います。動画や画像ですと本来の形とは本質的には異なるのですが、まずはそういったアートが存在することを知っていただく意味で非常に重要だと思っています。

【質問5】10月22、23日開催のVRアート祭で展示する作品について、説明していただけますか。
タイトルは『衝迫咆哮』
会場が札幌でしたので、札幌で有名なものを検討して動物園からホッキョクグマに辿り着きました。そこをベースに、今回は『生物が存在しているということは、本能と理性の共存である』ということを表現してみることにしました。
生物の存在意識は本能に直結します。そして大抵は死を恐れます。なので存在する、生きるということは死に対して抗う一面を持つので、吠えるという形をとりました。
ただし、生物ごとの差異はあるにせよ、本能だけでは社会の中で存在し続けることはできません。そこを補うのが理性です。
吠える姿は本能、蝶を理性のメタファーとしました。本能の瞳は、理性の蝶を通して世界を見ているのです…文字にすると、すごく難しい感じになりましたね(笑)内側から湧き上がる熱を感じ取っていただければ有難いです。

【質問6】10月22、23日開催のVRアート祭に期待することはなんですか。
VRアートというものを、より多くの方に知っていただく機会となればいいなと思います。
新しい技術というものは、新しい居場所を生み出すものだと考えています。絵を描く経験が無くても、なぜかVRアートはできた!ということも周りで起こっています。そう考えると、今までの『描いたりしないからきっと無理』という流れが通用しない領域なのだと思います。今まで何をやっても合わなかったけれど、VRアートは合うかもしれない。そんな可能性を感じています。
何が言いたいかというと、ぜひご自分でもVRアートに挑戦してみてほしいです!
このVRアート祭がそのきっかけなったら素敵だなぁと思います。

【質問7】今後、どんな作品を制作していこうと考えていますか。
実は幾つかの方向性を見据えて色々水面下で動いています。
既にお話しているものでいうと『物語』と『VRアート』を掛け合わせて、立体的な絵本のような作品を作ってみたいと考えています。VRアートは作品世界に入れるというのも魅力ですが、そこに物語があり、作品世界を移動することで物語が進行していく、そんなイメージです。
あとは、VRゴーグルを持っていない層にもVRアートを届けたいという想いがあります。元はVRアートですが、ARにすることでスマホやタブレットでVRアートを見ることができます。ここからさらに飛躍させたものを求め現在動いているところです。ふわっとした書き方になりすみません。でもとても面白いことになりそうです。
自分が面白い!楽しい!と思う作品をこれからも作っていきたいと思います。

https://youtu.be/BRulxZQcQok


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