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横浜流星主演 べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~第7話を観て
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べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~第7話は「好機到来『籬(まがき)の花』」
ってことで、本格的な版元への道を歩みだした蔦屋重三郎(横浜流星)のお話しがメインの回。
第6話まで苦渋の決断であったり辛酸を嘗める展開だっただけに、気持ち的には
「やったぜ蔦重!」
って気持ちになる話だったといえますね。
第7回「好機到来『籬(まがき)の花』」
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鱗形屋が捕まったことによってチャンスが蔦重に訪れる。
しかし版元の互助会の結束は固いが互助会に蔦重は乗り込んでいく
互助会の中で今までの細見の倍の数を売ることを約束することを条件に版元の仲間になることを約束させる蔦重。
さっそく改訂版に取り掛かるが、細見をいままでの倍を売るためのハードルは高い。
ということは百も承知と蔦重は仲間とともに改変するネタを集める。
それぞれの細見をどうやったら魅力的になるか?の情報を集める中
蔦重のところに平賀源内の子分ともいえる小田進ノ介がやってくる。彼から現在の細見が分厚くなっているので薄くできないか?と案をもらい、
「これだ!」
と薄くて軽い本に作り変えることを思いつく蔦重だった。
薄くて軽い。でも使い勝手がいいガイドブックをつくるため
まず本のコンテンツで不要なものを省略
次に本の並び順をお店の並び順に変えてみることに
さらに本のサイズを大きくすることで掲載内容を見やすくすることにする
西村屋は西村屋なりに細見の改定を考える。雑談のなか細見を出している別の男の存在を思い出し、その小泉忠五郎とタッグを組んで細見をつくるために吉原へ挨拶やってくる。
その話の流れで蔦重を懐柔しようとするが、蔦重はきっぱりと断るのだった。
蔦重は西村屋の魂胆を吉原の入銀だけだと判断。
吉原のみんなが体を使って稼いだ稼ぎを、外の人間の言いなりになっていいように吸い取られるのを食い止めるために蔦重は熱く語る
「花魁たちに胸を張ってやらせたい!」
この蔦重の言葉は女郎の主人たちに心に強く響き、花の井を始めとした花魁たちにも協力するきっかけとなる。
西村屋の細見に勝つためにどうするか?
当初の吉原の情報を正しく見やすく掲載するのはそのままに、吉原にある「すべて」を掲載することを決意する蔦重。
そういった蔦重はの思いが駆け抜ける中花の井は細見が最も売れたときの話しを聞いてあることを思いつく。
そしてついに完成した細見を神社奉納した蔦重のところに花の井がやってくる
そこで差し出す一枚の紙。
そこには花の井が瀬川の名を継ぐことが書かれていた。
瀬川の名前は絶大。この情報を乗せれば絶対売れる!その確信と、蔦重の助けになるために花の井なりの「吉原のために」決意をしたことだった。
花の井は
「任せたぜ蔦の重三」
と声を掛けて神社をあとにする
そして細見の公開日
蔦重は新たな細見「籬(まがき)乃花」を公開する。
吉原のすべてを掲載したのに加えて、瀬川襲名の最新情報を掲載した本
それを今の半分の価格で売ることを提案する。
「籬(まがき)乃花」を認めざるをえない…鶴屋喜右衛門(風間俊介)だがまだなにか暗躍をする顔を見せるのだが……
そんなころ捉えられていた鱗形屋が帰って来る。
今週の横浜流星
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今回はコメディな部分を随所で見せてくれる横浜流星。
「どうも、にわかのお邪魔、ご無礼つかまつりの三郎」
といったふすまの影から登場するシーンはお笑い舞台のよう。
さらに彫師・四五六役(肥後克広)とのやり取りではお笑い芸人を相手にコンビのようなテンポ良い笑いを届けてくれる
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耳元で「吉原」とささやく様子はコメディ番組の勢いともいえる
このときの横浜流星の子どものような笑顔は女性ファンにとってはたまらないものなのではないだろうか?
その一方で吉原の旦那がたの前で啖呵を切るシーンのかっこいいこと!
「女郎の血と涙がにじんだ金を預かるんなら、その金で作る絵なら、本なら、細見なら、女郎に客が群がるようにしてやりてぇじゃねぇすか!」
「その中から客選ばせてやりてぇじゃねぇすか」
「吉原の女はいい女だ。江戸で一番だってしてやりてぇじゃねぇすか!」
「胸張らしてやりてぇじゃねぇすか!」
「それが………女の股で飯食ってる、腐れ外道の忘八の、
たった一つの心意気じゃねぇすか」
この演説シーンは熱い!熱すぎる!
涙ぐみながらも熱弁を振るう蔦重の姿に胸を打たれたのは旦那がたのみならず観ている視聴者の多くにも伝わったのではないだろうか?
流星くんのうまい演技があってこそのすばらしいシーンでした。
さらに義兄さん(中村蒼)に頭を撫でられるシーンの仲の良さ、愛情の深さを見せるシーンもあり、サービス満点回といってもいいだろう。
第7回「好機到来『籬(まがき)の花』」
最大の盛り上がりは花の井との会話
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ついに花の井(小芝風花)が瀬川の名を次ぐことになる
九郎助稲荷の前での会話の中で、花の井が持ってきた1枚の紙には、瀬川の名代を引き継ぐことが記載されており、ここでの会話は、蔦重と花の井の信頼関係がどこまでも深く、強く、何者にも変えられない不変のものであることを印象付ける。
「前にも行ったと思うけど、吉原を何とかしたいと思ってんのはあんただけじゃない」
「だから礼には及ばねぇ」
「………けど…任せたぜ、蔦の重三」
このときの小芝風花ちゃんのキリリとした目線と色気と艶のある目の輝きの演出は最高
それに対していつもと変わらない笑顔を向ける蔦重(横浜流星)もかっこいいのだ
そして多くを語らずに
「おぅ 任せとけ」
と一言で返す蔦重のかっこよさ
今回は蔦重と花の井の回と言ってもいいかもしれない。
鱗形屋の復讐が始まる!?
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劇中では偽版(にせはん/ぎはん)。史実では重版(コピー販売)で痛手を被った鱗形屋ですが、予告では反撃するべく策を練っている様子がみられました。
史実では、1776年に鱗形屋なりの吉原細見を作り逆襲に打って出てきます。このあたりがどのようにドラマティックに描かれるか?は楽しみでもあります。
が、
その前に1775年に出版するのが「金々先生栄花夢」(きんきんせんせいえいがのゆめ)という黄表紙(大衆小説)でこれが超大ヒットするようです。
吉原細見とは違う本ではあるものの、鱗形屋(片岡愛之助)の本作りの手腕が遺憾なく発揮されるのではないでしょうか?
江戸でもモテモテ(?)の横浜流星…
じゃなく蔦重
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今回新キャラとして吉原の大文字屋の志げ(山村紅葉)のところの秘蔵っ子のかをり(稲垣来泉)が新登場
蔦重にスキスキ攻撃を見せるのですが、蔦重は妹のように軽くあしらうところがなんともいえない良い雰囲気でした
稲垣来泉ちゃんは、24年12月公開の『【推しの子】 -The Final Act-』で、主人公の1人星野ルビーの転生前の天童寺さりな役を演じた子役。
このときの病で入院しっぱなしながら担当医のゴロー先生に恋心を抱く演技は良かったのだが、今回もその姿を思い出すようなピュアな女の子の演技を見せてくれました。
2021年は「そして、バトンは渡された」にも出演。
山田孝之の子ども役としても屈託ない笑顔と子どもの割に背伸びした発言が印象的な演技を見せてくれていますので、よかったらそちらもご覧ください。
次回は「逆襲の『金々先生』」
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瀬川の名が載った吉原細見は大ヒット。
そして吉原にも客足が戻ってきた中……盲目の大富豪、鳥山検校(市原隼人)が……
この鳥山検校は史実でも5代目瀬川を身請けしたことが記録として残っており、花の井ならぬ瀬川がどこまで登場してくれるか…少し心配
史実では1775年に五代目瀬川が鳥山検校に落籍された(身請けされた)となっているので、現在のドラマ内の時間軸でいうと早々に身請けされる…可能性もあるわけで……
まだ7話なのにこのドラマティックな展開は面白さ満点です