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機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-

サンライズ以外で初制作のガンダム

ジークアクス公式サイトより https://www.gundam.info/feature/gquuuuuux/

*現在 劇場公開中の機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-のネタバレが含まれております ご注意ください



世界レベルのアニメーションコンテンツであり、プラモデルコンテンツでもあるガンダム。
創通とサンライズの著作物だったがいまではバンダイナムコHDの子会社となり、バンダイ=ガンダムという図式になっていると言ってもいいだろう

バンダイからすればガンダムの著作物を手にするのは莫大な利益のためでもあり、TOB(株式公開買い付け)をしてでも完全子会社化し機動戦士ガンダムの版権を独占している。またサンライズもバンダイナムコHDの配下になったので、総通とサンライズに許可を取っていた権利問題が簡単にクリアできるようになった。

とはいえガンダムの映像作品は基本的にバンダイナムコの管理化におかれ、サンライズ以外が音頭を取ることはなかった。

が今回は庵野秀明のカラーとタッグを組むことでも大きな話題となった。

アニメーション制作というのは昨今は2年、3年かけて作成をするビッグプロジェクトではあるが、サンライズとカラーがタッグを組む…なんてのは寝耳に水だった。

24年12月に入ってすぐに発表された機動戦士Gundam GQuuuuuuX』(以降/ジークアクス)。
春からのTVシリーズではあるが、年開けるとTVシリーズ3話分ほどの再編集版が劇場公開されることが続けて発表された。

その直後だが、イタリア版ジークアクスサイトでは世界観を詳細に記したネタバレ更新が行われたことがネットで話題となり、
ジークアクスの世界観は1年戦争でジオンが勝利したパラレルワールドである
というのが注目された。
正確には、ジオンが勝利した世界の仮想戦記モノというべきだが、このイタリア版サイトの情報は多くの人を納得させるとともに不安要素としても注目される結果となる。

さまざまな憶測と考察が入り交じるなか公開されたジークアクス
個人的には期待と楽しみしかない…という感想になる。



冒頭からファーストガンダムへのリスペクト!

ジークアクス公式サイトより https://www.gundam.info/feature/gquuuuuux/

ジークアクスがスクリーンで映し出されタイトルコールとともに流れるSE
チャララーーーン ダダダーン
の音はまさに機動戦士ガンダムのタイトルコールBGMであり、宇宙世紀作品であることを印象付ける。

そして冒頭に登場する3機のザクだが、1機は赤く塗装されている。
シャア・アズナブルがガンダム第1話のサイド7潜入ミッションに参加していることが描かれる
ここからIFの世界の始まりである

そしてガンダムを手に入れ、ホワイトベース(劇中ではペガサス)を手に入れたシャア。
それでも戦況はジオンが圧倒的に勝利する訳では無い
ソロモンが堕ち、ドズルが戦死するもののビグザムの量産によって1年戦争の勝利へと進むジオン軍。
しかし起死回生の作戦として連邦はソロモンをジオンの生命線でもある月に落とす作戦を決行する。

その作戦を防ぐべくシャア・アズナブルはソロモンを爆破四散するためにソロモンに乗り込むが……そこでシャアは行方不明となってしまうのだが…

という仮想戦記で今回の上映時間の1/3で描かれている
機動戦士ガンダムのIFとしてはありきたりでもあり、誰もが一度は想像する
1年戦争でジオンが勝利するという仮想戦記。



ジークアクス公式サイトより https://www.gundam.info/feature/gquuuuuux/

かく言う自分も35年ほど前の同人活動で書いた設定でもある。
シャアがサイド6で開発されていたガンダム4号機を鹵獲
シャア専用ガンダムとして戦線に立ち、アムロを撃墜する。そしてジオンが勝利し、ザビ家の演説が行われているところに赤いガンダムが襲撃。ザビ家を一掃し、キャスバルであることを演説する…
というものだった


またセガサターンで発売された「ギレンの野望」でもIFルートとしてジオンが勝利するゲームシナリオが用意されているなど、ジオンが勝利する設定…は今更ながら目新しいものではない……が、いずれもアムロとシャアがシナリオの中心にあったとも言える。

それを大きく覆し、UC0085からの
完全オリジナル展開で始まったジークアクスはわくわくさせるものだった。
マチュ、ニャアン、シュウジ
それぞれにキャラ立ちしており、普通に生活しているマチュがMSジークアクスに乗り込むために色々巻き込まれる
でも、
眼の前にガンダムがあるのは偶然。
だがガンダムに乗り込むは自分の意志で
というガンダム(MS)に乗る展開はガンダム王道


TVシリーズならではの物語展開に期待


偶然の出会いからはじまるガンダム、ジークアクスがどうなるのか?はまったくもって未知数。
TVシリーズは連続2クール放送予定となっているので、全24話。
であることを考えるとキャラ背景や展開などは5話、6話までみないとなんとも言える作品とも言える。

MSの頭部を破壊すれば勝利というクランバトルはGガンダムのガンダムファイトとルールは同じであり、このあたりを考えると平成ガンダムの要素やリスペクトが入ってくるのかもしれない。


ファーストガンダムのキャラたちも登場

しかし面白かったのは仮想戦記真っ只中のジオン軍
シャア指揮する艦隊のMSパイロット群には、ファーストガンダムに登場するモビルアーマー、ビグロのパイロット・トクワンやザクレロのパイロット・デミトリー曹長が登場する。

アムロがガンダムに搭乗せず、パイロットとして覚醒することのない世界ゆえにジオンパイロットは多く生き残っていると思われるゆえの当然の演出。

こういったファーストガンダムの「もしも」から溢れてくる「キャラクター」をていねいに回収したところはとても高く気に入っている。



様々な演出……はまさにトップをねらえ!のガイナックスOBらしい鶴巻和哉監督らしいところが随所に見られる。
ソロモンへの突入はトップをねらえ!の展開そのもの。多くの敵を長く照射するビームでなぎはらうものはガイナックスの伝統芸。
そういった古参のアニメファン、ガイナックスマニアがニヤリとするポイントをいろいろと組み込みつつ、『フリクリ』を思い起こさせるスピード感あふれる主人公の疾走シーンなど、鶴巻監督らしい演出を組み込んだジークアクス。

春からのTVシリーズが楽しみになる作品。
まさにBeginningともいえる作品です。

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