池子の森と縁日祭礼
池子の森の音楽祭と保健所の「縁日祭礼」許可についてのお話。
10/24(土)25(日)に開催する「池子の森の音楽祭」のレイアウトミーティングを現地でしてきた。
池子の森自然公園も400mトラックもコロナウィルス の影響で閉鎖中。外の高台にあるフェンス越しに会場を眺めながら「去年の開催前日みたいだね〜」などと雑談しながら打ち合わせは始まった。本番会場の400mトラックは大雨が降った時の貯水池も兼ねている。
昨年は大雨のため開催前日に湖のようになっていて同じ場所から絶望的な気持ちで会場を眺めていたのだ。幸いなことに翌朝早朝に水は引きなんとか開催にこぎつけた。トップの写真は水の引いた会場が朝日で浮かび上がってきた瞬間をとらえた1枚。スタッフからすれば奇跡を感じる神々しい時間だった。
去年の池子の森の音楽祭は「入場無料(開催協力金として1500円の寄付をお願いしています)」というなんともわかりにくいものだった。なぜこんなことになったかといえば会場での飲食提供が原因だ。通常の市民イベントでは「縁日祭礼」の許可基準の中で行うことが一般的だ。この許可を得るには「自治体の共催」が必要なのだがそれとは別に「入場無料」という条件もあったのだ。初年度は逗子アートフェストリエンナーレの一環で行政の予算内で開催していたため入場無料で問題がなかったのだが今は行政からの予算0の自立した企画として運営している。
自立運営かつクオリティを上げていくには入場料無料はありえない。かといって縁日祭礼がとれないと提供できる飲食はすでにパッケージされた弁当系や市販のペットボトルや瓶の飲み物だけ。いわゆるフードトラックも大丈夫なのだが出来るだけ地域の飲食店に出店してもらいたいとなるとそうそう持って店舗はない。
それではなんとも味気ないのでどうしても飲食出店ができるようにしたい。その苦肉の策が前述の表記だ。もちろん協力金を払いたくない人はどうぞと通すのだが昨年はほとんどの方が気持ちよく払ってくれた。しかし裏事情を知らなければ「入場無料と書いてあるけどこれ入場料みたいなもんだよね?」と騙された気持ちになる人もいるだろう。
今年はそれを避けたい。そこで飲食出店を取り仕切る「みどりの市場」を無料イベントとしてエントランス付近で、音楽祭は有料イベントとして同時開催することでの解決を模索している。これを音楽祭全体の一体感を損なわずに実現するにはどうしたらいいか?が今日の議題だった。
今後どこの自治体もお金がなくなること必至で様々な催しが行政の助成金無しで自立せざる得なくなるだろう。そうなった時に有料に踏み切るイベントは他にも出てくるはずだ。「地方創生」をうたうのであれば地域のお店が集まった市場を開いたり会場に飲食ブースがある屋外イベントなどはかかせない。
公衆衛生の立場から保健所が野放図になんでもOKにはできないのは理解できる。しかし今ある「縁日祭礼」は昔ながらのお祭りにでてくるテキ屋さんを想定したルールだ。時代に即して「公益性が認められるイベントであれば有料無料問わず一定の講習を受けた飲食店などであれば出店できる」といった新たなイベントルールを作るべきだと思うのは自分だけではないはず。
近隣で開催されていたマーケットや朝市の類が保健所からの指導で萎縮せざるえない風潮もうまれている。一つのイベントだけが動いても効果がないだろうからイベント同士が連携して一石を投じることはできないものだろうか?