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【学生柔道で珍事件】有り得ない事態発生で他競技と世界に大恥晒す情けない日本柔道界

先日の学生優勝大会での柔道着反則事件について

10月22日に行われた「柔道・全日本学生体重別団体優勝大会」の男子準々決勝、国士館大vs日体大の試合で事件は起こった。第3試合の73㎏級の試合途中に柔道着の規定違反による反則負けが宣告されるという前代未聞の場面があったのだ。よく分からない人もいるだろうが、柔道着の検査というのは試合前に行われているはずのものであり、規定違反であればそもそも試合場に上がることはできていない。すなわち試合は成立しないことになる。試合が開始されている時点で、審判はお互いを道着チェックをクリアしているものとみなしているため、試合中に反則になることはないはずだ。

何が問題だったのか

今回の問題点として先ず道着チェックが果たして本当に行われていたのか、ということが挙げられる。現に反則負けを宣告された(のちに撤回)国士館の選手は、その後道着を替えるよう命じられて試合再開している。

つまりは、違反道着であったことには違いない。試合前の道着チェックが正確に行われていたとすれば、その時点で道着の変更もしくは補欠選手との交代などの手立てが打てたはずだ。

当然のことだが、規定に違反している道着を着用する選手は試合に出場させてはいけない。ルールあっての競技だからその前提は絶対に守らなければならない。ましてや大きな怪我もありうるコンタクトスポーツであるから、審判と相手選手と信頼関係があって成り立つものである。

柔道界の道着検査の問題点と闇

主に柔道着検査は開会式や試合場の注意などが行われた後一斉に行われる。また計量後にその都度一人ひとりチェックしていく場合もある。

誰がクリアして誰が違反していたか、チェックしているかは不透明なところだ。何より検査してから試合までの時間があるので、その間に選手が別の道着に着替えることも出来てしまう。

しかもこの検査、正確に行われているのかも不明なのだ。なぜならほとんど検査官のさじ加減で見ていて、測定器などを一切使っていない場合も多いのだ。実際この大会でも会場に一切の測定器がないという異常事態だったのだ。

つまりはこの反則負けも審判のさじ加減であって、正確な測定器に従ったものではない。判定基準が曖昧すぎるのだ。(動画で確認する限り当該選手の道着は明らかに小さく見えるが)
であれば何故道着検査を通過しているのかという話になるので、柔道界の道着検査のずさんさが浮き彫りになった瞬間だといえる。

道着検査のずさんさを象徴するエピソードとしては、ある地方の某県の高校柔道の話がある。その県ではある強豪校が長年王者に君臨し続けており、一強時代が長く続いている。その県柔連の会長はその高校出身で、審判関係者各位もその強豪校OBのメンツが揃っているとか。そういった県では、その高校だけが道着検査を免除されており、反則道着を着用している選手が横行しているとのこと。

他競技ではどうしているのか

似たような道着検査を行う競技としてブラジリアン柔術の例を挙げてみよう。
柔術の大会では必ず「試合場に上がる直前」に検査が行われる。正確に言えば召集が3試合前ほどにあって、試合前に待機する椅子がある。そこへ入る前に計量も一緒にして道着検査も測定器に基づいて行われる。それが普通というか、どの格闘技だって試合場に上がる直前に検査をするのが常識だが、柔道界にはその常識すらないようだ。

問題の根本 チートを使って勝とうとするのは卑怯

ドーピングにしろ反則にしろ、「バレなきゃ良い」「勝てば何しても良い」という風潮が広まっているのが問題だ。チートを使って勝ったことに喜びはあるのか。正々堂々と戦わないのは己に自信がないからだ。

今回の件でも選手を可哀想という声も見受けられるが、そうは全く以て思わない。そもそもこの選手は違反した道着で試合に臨んでいるのだから、チートを使って少しでもズルして勝ってやろうという魂胆がうかがえる。

柔道界に蔓延する違反道着はしっかりとチェックする体制と対応策、そして選手自身の正々堂々と潔白で試合に臨む姿勢と心構えの両方が必要だろう。


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