"人間を問う"オムニバス公演 俳優・ダンサー募集9月
俳優・ダンサー・振付師の中島 猛です。
この度は自身初となる自主企画による公演の出演者オーディションを開催いたします。演劇公演です。
自身による完全オリジナル戯曲。募集するのは〈俳優〉〈ダンサー〉です。
■ 公演概要
キネマ・ノワール
プロジェクト公演
「ブラック・ダリアの慟哭」
作・演出・振付 中島 猛
本番 9/13(金)〜15(日) 全5回公演
小屋入り9/11(水)
会場
Performing Gallery & Cafe
絵空箱
(有楽町線「江戸川橋」駅 徒歩2分/
東西線「神楽坂」駅 徒歩9分)
■ 出演条件
チケットノルマ 無し
ギャラ あり(※恐縮ながら薄謝となります)
チケットバック あり
※ノルマはありませんが、興行に関わるということにおいてプロ意識を持って、積極的姿勢で作品のプロモーションに取り組んで頂けることを前提とします。
衣装費,場所代などのご負担はありません。交通費は自費。
■ 応募資格
18歳以上の表現者。
舞台経験者優遇。
年齢,経験問わず他者への敬意をもって接することができる方。
事務所や劇団などに所属している方は必ず許可を得てご応募ください。
参加費なし。交通費は自費。
《応募方法は下記》
■ 内容について
当公演はオムニバス構成となっております。約20分程の4篇からなる短篇集でありつつ、しかし単なる小作品の羅列ではなく、総じてひとつの長篇作品として形作り、「ブラック・ダリアの慟哭」と冠された結末へと着地する。
例えるならば、群像劇の様なイメージをお持ちになるとわかりやすいかと思います。今作はそれぞれのエピソードが交錯したり絡み合うことはないですが、ひとつの大枠の中で描かれていく。
短篇ながら、各2〜3名でのやり取りとなるので、濃密な演劇体験ができ、互いに大きな刺激を受け、与え合うこととなるでしょう。
【オムニバス一覧】
①「オルトロスは眠る」
原案 中島 猛「オルトロスは眠る」より
(二人芝居)
ひとつの過失による事故。それをきっかけに明暗を分けた二つの人生。 夢を実現させた者と、夢を諦めざるを得なかった者。かつて志を共にした親友同士は再会し関係を修復するが、その奥底では一抹のわだかまりが小さく疼いていた。
双頭の犬"オルトロス"。その頭は、眼は、永久に互いを向くことはできない。
〈登場人物〉
甲斐崎圭人……(35)
小野田暁……(35)
※ 以前、映像用脚本として書いた中篇作品(未公開)をベースに、舞台用に再構築いたします。
②「血の鎖」
(二人芝居)
過去の犯罪行為をキッカケに16年間引きこもりを続けている長男・函南峯佐と、そんな息子を囲う様にひっそりと生活する両親。
その環境に嫌悪し、半ば絶縁状態で家を飛び出し一人東京で暮らしていた長女・かおるの前に、ある日峯佐が現れる。
あの家は例えば茨の城。
私を縛るもの、それは。
〈登場人物〉
函南かおる……(28)
函南峯佐……(39)
③「名もなき者への讃歌」
(三人芝居)
都会の片隅でひっそりと死んだ、どこかの誰か。殺人事件らしい。
真相だとか、誰が殺したかとかそんなことはどうでも良い。その人は、何に喜び、何に哀しみ、何を夢見て、誰を愛したのか。
その人の人生とはいったい何だったのか? いつも手向けられていた花も無くなり、もうそこはただの路地裏と成り果て、そして誰もが何も知らずに通り過ぎていく。
やがて忘れられていく命について。
〈登場人物〉
唐渡しのぶ……(36)
芦原伽楽……(48)
牧村千歳……(26)
④「クリスマスローズの殺人」
(一人芝居×身体表現)
2001年。崩れ落ちるビルを見つめて、世界を知った。
2011年。自分の無力に打ちのめされ、それでも何かを信じようとしていた。
2020年。誰も救えない、誰の為にもならない「私」は物語を放棄し、作家であることも捨てた。ただの傍観者だった。
作家とは世界を司る支配者だと誰かが言った。何人(なんぴと)の命をも握っている。作家とは救世主たりえるのか。或いは殺人者なのか。
怒りと嘆きと混乱と混沌と。何者でもない「私」の、取るに足らない証言。
悪夢と漆黒の回顧録。
〈登場人物〉
「私」……(42)
黒蝶=ブラック・ダリア(ダンサー)
記憶の中の朧げなる風景(ダンサー) 3〜4名
(※このエピソードが今公演の主軸となり、「私」役の視点で全体の流れが進行していきます)
以上。
上記は全登場人物を記載しております。一部キャスティング決定済みの役もあり。
記載年齢はあくまでイメージ上のものであり、設定上不都合が無ければキャストに合わせて変更できる役もあります。
■ 演技の方向性
〈他者を演じる〉とは、すなわち「自己を見つめ探究する」ということに起因するものと考えております。そもそも自分とはどこまで行っても自分でしかなく、逃れることなんて出来ない。ということを受け止めた上で、その視点で役の人物を見つめ、寄り添う。
《俳優として演じる》という気概を一度捨て去って、キャリアも技術も一旦忘れて、まずは素直にその人物の人格と生い立ちを想像すること。
何よりも《人として》その人物に誠実に向き合えるか? が今回の作品を立体的に立ち上げる上で重要な点かと考えております。
当たり前をまず疑うこと。演劇とは? 演じるとは?
勿論、最終的に向かうのは演劇であり、行うのは演じるということ。でも一度まっさらなゼロ地点の状態から役の人物の心へと歩みを始めてみる。
なので、本オーディションにおいては、年齢,経験値よりも、〈人としてのあなた〉を見たい。
何年生きたか? ではなく、その何年 何を思い、何を考え、悩み、惑い、生きてきたか?
何を乗り越えたか? 或いは乗り越えられなかったか?
脆さや醜さは誰の中にもある。白か黒か? ではく、清濁共に噛み締めた人にしかできない表現がある。表現とは結局のところ人間力なのだと思います。
■ オーディションをやる理由と必然性
出演には主に2種類のパターンがあります。
① 代表者・責任者からの直接のオファーを受け承諾した場合。
② 作品や企画などに魅力を感じて自ら志願した場合。(オーディション含む)
様々な現場を見ていて、または自身が責任者の立場にある時も含めて時々感じるのですが、この2つのパターンの人達の間で、モチベーションや温度感に大きな差が生まれ、調和がとれていないという状況が見られる場合があります。作品に対する情熱度が異なるのは、前提が違う以上は仕方ない部分もあります。
しかし"参加する"ということは"船に乗る"ということだとも思うのです。舵を取るものがどこを見ているか、何を見ているか。どんな心持ちで、どんな視点を持っているか。どんな温度感か。乗組員としてそこに指針を合わせて作品力の最善を目指す。従順になれというわけでもなければ、媚を売るでもなく、同じ船に乗る者として調和感を持って取り組むのは使命ではないかと。作り手がどんなイメージを持っているのかはその視点に立たなければ分かり得ない部分も多い。
無意識であっても「頼られている」「必要とされている」という安心感がモチベーションや態度に現れてしまってはいないか。受け身になってはいないか。これは寧ろ、自分自身がこういった差が現れてしまっていたことがあったかもなと過去の経験を反省しているからこそ、オファーをすることと受けることの重みについて考えたと同時に、今回募集をかけるということに踏み切った所以となっております。
②の人達が作品の可能性や限界値を決めつけずに引き上げていくエネルギーをこれまでも見てきたし、今回舵を取る身として、その乗組員は本企画に対する情熱度の高い人を多く乗せることで、幾多の時化や雨風に挑んでいけたらと理想を掲げております。
■ ダンサーについて
ダンサーは4篇の中の1篇「クリスマスローズの殺人」が主な出演とはなりますが、各話の合間にもシーンがあります。役割としては、一人の人物の記憶や脳内のイメージを体現化する、というものです。ある時は役者の心情に寄り添ったり、ある時はその対となって阻んだり。振付はジャズベースにコンテンポラリー要素を含んだものになります。
↓参考資料
振付作品「破壊と墜落のエチュード」https://youtu.be/6_c_c9OUK4c?si=997y8io-h9Uc3C4X
作品の性質上、身体表現だけでなく、一部 演技を求める場合もあります。演技経験は問いませんが、未経験であっても恐れず意欲的に取り組んで頂ける方を優遇します。オーディションでは少しばかり台詞を読んで頂きますのでご了承くださいませ。
演劇現場ではありがちな「ダンサーである必要はあったのだろうか?」という展開。あらゆる可能性を探った結果、総体的なバランスを見た上での現場判断なのでこれは仕方ない…とは受け止めつつも、踊り手としての本心としては、やはり踊ることで存在意義を発揮したい部分もあるのが理想。
今回は振付も請け負う自身により《踊ることを前提としながら書くので、まず確実に踊ります。
尚且つ、「一応踊りもできます」くらいの人では踊れない難易度に設定するので、ダンサーである必要性があるのです。
ただし、俳優とダンサーとの空気感や色味の差異を無くしたい意味で、オーディションではダンサーとしてというよりは《表現者としての存在感》を基準値に置きます。身体に表情を持ち、全身であらゆる感情を生み出せる方を求めております。
シーンの中で生き、心と体を揺さぶられたい方はぜひ。
■ 稽古について
稽古場は都内区民施設にて行います。稽古期間は7月頃から。
基本、それぞれの話で進行させていき、中盤に全体稽古,通しを行い、全体像のイメージを共有しつつ、後は本番が迫るタイミングで再び合流。
なので、通常の舞台公演の稽古に比べると、トータルの拘束日数はかなり少なめです。なのでスケジュール的なご都合には合わせやすいのがメリットでもあります。(※ダンサーはイレギュラーで組んでいくので、ある程度スケジュールに余裕がある方が望ましい)
ただ、その分 出演話だけに意識が偏りかねないというデメリットもあり、皆で「ブラック・ダリアの慟哭」というひとつの作品を築き上げていくには全貌のイメージを如何に共有できるか? という課題が聳え立っている状況。これは演出家としても稽古の中で説いて導いていきます。
■ ハラスメント防止対策
権力を行使したあらゆるハラスメントを否定します。
当公演において、以下の行為を行わないことを宣言します。
・身体への許可のない接触。
・性的な行為の強要、または性的な関係や交際を迫る。(二人きりで稽古を行うことはありません)
・恫喝、または威圧的な態度をとる。
・暴力行為、または人格を否定する様な発言。
・プライバシーの範疇にあたることを不必要に問い詰めたり、言いたくないことを無理矢理言わせる。
これらに限らず、過度な心理的負荷をかけず、それぞれが真摯に自己へと対峙し、切磋琢磨できる場にすることが、即ちハラスメントを生まないことへと繋がるとも考えております。
ハラスメントは受け手が如何に感じたかの問題です。立場に関わらず、全ての者が、フラットな状態で向き合い、発信受信を行える様な健全な環境づくりを目指し、実行して参ります。些かながら雇用関係はあるものの、個人的には主宰者は飽くまで舵をとる身でしかないと考えております。
進行上の不具合や問題などが発生した場合は建設的に議論し、然るべき対処を行います。
人は誰しも不完全なもの。年齢やキャリア問わず、それぞれが足りなさ,至らなさを自覚し、受け容れながら他者と向き合い補い合うことが、創作において、そして何より人としての純粋な視点での進化,成長に繋がるものと信じております。
■ 最後に
多くの物語の中では問題が解決して終わっていくけれど、現実世界では必ずしも解決するとは限らないし、ましてやハッピーエンドなんてものはない。それからも日々は続いていくし、喜びもあれば苦難も訪れる。その繰り返し。そして、その果ての終わりには死のみ。
ハッピーエンドとは何だろう? バッドエンドとは何だろう? と、よく考えます。つまるところ、物語の結末というものに対する ある種の概念によるものなのかもしれません。だから私は、そういったものに囚われずに、テーマ性や作品の中で生きる者達の心の行方を丁寧に辿って、そしてその先へと導いていけたらと、祈るようにこの作品を育てていきたい。
刹那的に終わってしまう舞台の儚い魅力もよく知ってはいるのですが、一方で「如何に残せるか?」に重きを置きたい自身にとって、公演を立ち上げるということなんて1ミリも考えたことはありませんでした。
でもだからこそ、やるからには、観る方々の心の深いところに強烈に残せるものを差し出せたらと願っております。
劇場を出た後もずっと、願わくは、その後の人生にひとかけらでも何かを残せたら。
■ 応募方法
オーディション日程
5月3日(金) 18:00〜22:00
5月4日(土) 13:00〜17:00
各30分〜1時間程のイメージです。
会場は都内。
以下、ご回答を記載の上、宣材写真(あればバストアップ,全身共に)を添付して指定先へメールにてお送りください。写真はアーティスト写真(アー写)など顔が不鮮明のものでも可。
件名には【9月公演オーディション】と記載をお願いいたします。
【ご回答項目】
① 氏名
② 希望日程
・5月3日(金)
・5月4日(土)
・どちらでも可
・どちらも不可だが参加希望
上記から選択をお願いします。もし時間のNGがある場合はご記入ください。
日程で諦めるということを極力避けたいので、ご都合が合わないという方も その旨お伝えの上ご応募ください。
③ 出演ジャンルの希望
・俳優 ・ダンサー
どちらでも可という場合はその旨ご記入ください。
④ 所属(無い場合は記載不要)
所属がある方は必ず所属先の許可を得てご応募ください。
⑤ 志望動機
⑥ 好きな映画(複数回答可)
※こちらは任意です。書かずとも審査に影響はありません。
メール宛先:
futatsuno.kaito@gmail.com(中島)
必ず上記アドレスの受信設定をお願いいたします。応募後、2日以内には全員に返信いたします。以降経過しても返信が無い場合は、お手数ですがお問い合わせください。なお、メールアドレスの個人情報は合否結果の通知後、速やかに破棄いたします。
応募開始は【4月15日(月)】から。
応募期間:4月15日(月)〜4月30日(火)
お問い合わせに関しましても、上記アドレスにて承りますので、お気軽ににどうぞ。
中島 猛(ナカジマ タケシ)
映像俳優を志し、大手プロダクションの養成機関に入所。舞台出演をキッカケに退所し演劇界の道に。
その後、演技の幅を広げる目的で始めたジャズダンスに没入し、俳優業の傍らダンサーとしての活動にも意欲的に行う。主にジャズベースにコンテンポラリーやヒップホップ,モダンなど様々なジャンルを学ぶ。
以降、ダンサーとして経験値を積む傍ら、振付業もスタート。数々のイベント,公演にて作品を出展。
2022年、コロナ禍の混沌を揶揄的に描出したダンス映像企画「獅子よ、その血を抱いてゆけ」を製作。(脚本・監督・振付・編集)
2023年、コレオグラファー全国コンテスト『Legend Tokyo』の東日本公式予選『Legend RISE EAST』にて、秋葉原無差別殺傷事件をモチーフにした作品「破壊と墜落のエチュード」を発表。
《キネマ・ノワール》とは自身のソロプロジェクト。同名義で舞台イベント,映像問わず表現活動を行う。舞台公演の企画,主宰は今回が初となる。
・SNS
X(旧Twitter),Instagram
@takeshi014
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