ヒロインだけじゃない! 伊藤沙莉の魅力を紐解く
『ちょっと思い出しただけ』(2022)で、葉(よう)を見事に演じた伊藤沙莉さん。本作では無邪気で可愛らしい印象が強い彼女ですが、2003年から子役として活動する彼女の芸歴は長く、これまでにさまざまな役柄を演じてきました。
今回は、彼女が脇役として存在感を放つ筆者のおすすめの映画『寝ても覚めても』(2018)の紹介とともに伊藤沙莉さんの魅力を紐解いていきます。
ヒロインの危うさを引き立てる、しっかりものの親友
原作は2010年9月に刊行された、柴崎友香さんの同名小説。伊藤沙莉さんはヒロイン(朝子)の親友役(春代)を演じています。ふわふわした朝子とは対照的に、いつも彼女を心配しお母さん的存在である春代。『ちょっと思い出しただけ』で、池松壮亮さんやお笑いコンビ・ニューヨークの屋敷裕政さんと繰り広げた、テンポの良い会話劇も健在です。
ご存知の方も多いと思いますが、伊藤沙莉さんのお兄さんは、M-1グランプリ2021で準優勝を果たしたオズワルドの伊藤俊介さん。作中で朝子の非人道的な行動に対し、温かなユーモアで包み込むシーンがありますが、それは彼女の素の部分の現れかもしれません。
また、伊藤沙莉さんと言えば耳心地の良いハスキーボイスの持ち主で、2021年にはTVドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』でナレーターを務めるほど。彼女の声は、シリアスな場面にもコミカルな要素を加える力があり、『寝ても覚めても』のサバサバした春代のキャラクターにとてもマッチしていました。
伊藤沙莉さんがヒロインの友人役を務める映画は、他にも『パンとバスと二度目の初恋』(2017)があり、ヒロインを違った形で見守るこちらもおすすめです。ここ数年は冒頭の『ちょっと思い出しただけ』に加え、『タイトル、拒絶』(2020)や『ボクたちはみんな大人になれなかった』(2021)など、主演映画も目白押し。
ストーリーはもちろんのこと、彼女の演技や声に着目して鑑賞してはいかがでしょうか?
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