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戦争で傷ついた心の闇を描く社会派シネマ

(画像:https://www.pexels.com/ja-jp/photo/40820/

心痛むニュースが続く昨今。そこで今回は、戦争で傷ついた心の闇を描く作品をご紹介します。戦いで傷つくのは身体だけではなく、癒えないのはむしろ心の傷かもしれません。終わりのない苦しみに人生を狂わせてゆく主人公達から、戦争の愚かさと狂気が伝わってきます。

アメリカン・スナイパー

史上最強の狙撃手と言われた故クリス・カイルの自伝をクリント・イーストウッド監督が映画化。4度のイラク派兵で多大な功績を挙げる一方、良き家庭人でもあるクリスは戦場の緊張感に晒され続け、次第に平和な日常が凡庸と感じるほど心が引き裂かれて行きます。

戦争という大義の下、人を殺める代償は個人が払うという悲惨な現実を描く作品です。

 『手紙は覚えている

アウシュビッツで家族を失った90才のゼヴ。妻に先立たれ、認知症である彼は、同じ過去を持つ友人マックスが4人の容疑者を記した手紙を手掛かりに、家族への復讐を果たす旅に出る……。

目覚めるたびに記憶を失い、何度も手紙を読み返しながら続けるゼヴの旅。困難の果てに辿り着いたのは想像もしなかった事実でした。

戦争に植え付けられた復讐心に囚われてしまった人生の哀しさが胸に迫ります。

 『野火

大岡昇平の同名小説を塚本晋也監督が脚本・撮影・主演を務めた問題作。第2次大戦末期のフィリピン・レイテ島でさまよう敗兵の姿を描く。

主人公の田村一等兵は結核のため部隊からも野戦病院からも追い出され、苦悩や絶望の末に人間であるための一線を越えてしまいます。

極限状態に置かれた心理が生々しく描かれ、監督の強い反戦のメッセージが伝わってきます。

 いかがでしたでしょうか。戦争の愚かさや、平和の儚さについて改めて考えさせられる映画作品。気になった方は、ぜひ観てみてください。

▼この記事を書いた人
MiChiRu / 
80年代の洋画あたりからゆるっと続く映画愛。フライヤー収集も。

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