Twitterで紹介したDVDネタ集②
過去のツイートを掘り返してまとめてみる。
「食人族」動物愛護版
・モキュメンタリー映画初期の傑作にして金字塔。食人族が棲む村に向かった若者たちの末路を描く「食人族」。
・JVDの「食人族」てんこ盛り食人愛好家盤(なんちゅう名前だ)には、「動物愛護版本編」が収録されている。「動物愛護」ということで、動物(虫も含む)を"イタイイタイ"するシーンをカットした本編。計5分ほどカット。
・このツイートした人笑ってますね。きっと「ふざけた特典つけてんな」と思って笑ってるんでしょうが、本作については撮影にあたりガチで動物を"ないない"していることから、至極真面目に制作された特典。
・米グラインドハウス社のDVD/Blu-rayでもこのバージョンの本編が再生可能。なお動物愛護版の初出は「米グラインドハウス社のソフト」説(同社のソフトの記載)と「一部劇場で上映されていた」説(JVD盤の記載)の2つがある。
・「愛好家盤」の仕様的な話をすると、このソフトは本編が2種収録されている。ディスク1に旧ジェネオン盤と同マスター本編(PALマスター4%早回し)、ディスク3に米グラインドハウス社製本編(こちらは正尺)。件の「動物愛護版」はディスク3の本編のみ再生可能。地味に英語2.0ch/モノラルの両方をリモコンから選択できる(音声解説は選択できず)。
特典面は日本版Blu-rayにも収録されているものが多いが、30分ほどのデオダート監督インタビューと「食人族」世界各国での上映会の模様はBlu-ray未収録。
「食人族」JVD盤のお遊び
・「食人族」ネタでもう一本。「愛好家盤」のディスク1を再生すると、めちゃくちゃ退色/傷だらけな映像で再生されるが、ちょっとすると横からデオダート監督が「冗談やで~」と登場。そのあと高画質(当時水準)な映像で本編がスタートする
・初見の自分は大爆笑。
・ところが、再生のたびにこの映像が出てくるので、そのうち飽きる。しかもスキップ不可だし、チャプターメニューがないので飛ばして再生することすらできないという地獄仕様。結局ディスク3の正尺版で毎回見始めるんですよね。
・そういうところ、さすがJVD。
「さすらいのカウボーイ」TV版
・ピーター・フォンダが監督を務めた異色の西部劇映画「さすらいのカウボーイ」。Blu-ray(キングレコード)は本編が4種収録という結構手の込んだ仕様。
・内訳は下記の通り。
・個人的おすすめはプリントの質感がいい③2002年マスター。
・特筆すべきは④テレビ放映版。普通、ソフトにテレビ版吹替を収録するならメイン本編にあてがうのが主流だが、「さすらいのカウボーイ」についてはコレクターズ・エディションDVDもBlu-rayも、別本編形式で収録している。
実は日本のテレビ放映版は未公開シーンを含んだ米テレビ放送版が基になっているため、本編の編集がまったく違っているのである。
未公開シーンについては単独で特典として収録されているが、本編に組み込まれた形で再生できるのは世界中でもおそらくこの特典のみ(日本語吹替音声のみだが)。吹替もメイン本編にあてがってしまった場合未公開シーン部分が欠落してしまうことを考えると、この形式が一番ベストだったのだろう。
・余談だが「未公開シーン込みでテレビ放送」はユニバーサル作品でなぜかよく見られる印象。色々理由はあれど、2日に分けて超大作待遇での放送を敢行したギラーミンの「キングコング」や「大地震」、グロをカットした穴埋めで未公開シーンを追加した「ハロウィン」「遊星からの物体X」とかとか。そういえば今挙げた4本はいずれも米Shout!Factory社のBlu-rayリリースで特典収録されている。
「悪魔のはらわた」UHDBDのエラー盤
・米Vinegar Syndrome社発売の「悪魔のはらわた」UHDBD。初回生産分のUHDディスクがエラー盤になっており、交換/回収対象となっていた(現在は修正盤が発売)。
・曰く、"特定のプレーヤー/TVで再生すると、色調が過剰になる"とのこと。
・私が買ったのも初回生産分だったので、後々届いた修正版と比較。ツイートの画像1枚目がエラー盤。まさに「色調が過剰」。
・ウェブサイト「High-Def Digest」なんかではこのエラー盤を対象としてソフトのレビューをしていた(「鮮やか」と絶賛だった…)記憶だが、今見たらちゃんと訂正がされていた。
・ソフト全体の話だが、これはUHDBD1枚とBlu-ray2枚の3枚組盤。内訳は下記。
UHDBD:本編
Blu-ray①:本編+特典
Blu-ray②(3DBlu-ray):3D版本編。
この映画、米国では偏光グラスによる3D映画として上映されたので、Blu-ray②にはちゃんと3D版本編が収録されている。しかも3DBlu-ray再生に対応していない機種のために、いわゆる赤青3D映像(アナグリフ映像)が収録されている。おしゃれな赤青メガネもついてきたよ。
「大脱走」初版DVDは画角が横に広い
・ツイートの通り。「大脱走」初版DVDは画角が横に広い。特に画面左側の情報量が多い。2ツイート目の1枚目の画像を見てほしいが、ラストのヒルツ(スティーブ・マックイーン)が独房へ向かうシーンでは、カメラ移動用のレールが見切れている。
・なんで左側だけ広いのか、とずっと思っていたが、フォロワーさんが下記の動画をツイートしていてハッと思った。
・当該動画は「夢のチョコレート工場」Blu-rayの画角に対する考察動画。要約すると、"当該Blu-rayはオリジナルカメラネガに存在する、サウンドトラック用に設けていた左側のマージン部分をトリミングしていないので、画角が変になっている。" という話。
・そう。「大脱走」の初版DVDも同じ話で、カメラネガからテレシネしたもののサウンドトラック用の左側のマージン部分をトリミングしないでマスターを作っちゃったんじゃないかしら、と思っている。
「タワーリング・インフェルノ」日テレ版の欠落
・ツイートの通り。「タワーリング・インフェルノ」の2枚組DVDやBlu-rayに収録されている日テレ版吹替はちょっと欠落しているので、HD放送短縮版でも保存しておいた方が良い。
・2枚目のツイートで言っている「ここの吹替」というのは、本編0:54:30ごろのシーンのこと。ウィリアム・ホールデン演じる社長がパーティの客をなだめ展望エレベーターへ誘導しようとするが、危険性の高いメインエレベーターが開くや否や客がなだれ込んでしまうシーン。このシーンの吹替音声がソフトでは欠落している。オリジナルにはなかったBGMがバックにかかっていることから、いわゆる「M違い」による欠落と推測。
・「タワーリング・インフェルノ」日テレ版は10年ぐらい前まで短縮版でHD放送されていたが、2013年にBSジャパンでノーカット版吹替が製作されて以降はそちらのほうが放送に使われがち(Wikipediaの「テレビ放送履歴」の項参照)。どうせならたまに日テレ版も放送してほしい。フジ版も最高なのでたまに放送してほしいですね。
・この手の、「TV放送時にしか聞けない(ソフトでは欠落している)吹替」ネタは結構ある。
有名なのだと「暴走特急」(おっぱいに気をつけろよ)、「コマンドー」(俺にとってジェニーは全てなんだ)、「続 夕陽のガンマン」(犬に食われちまえ)あたりか。
ぼくのTwitterでも時々とりあげているので、ここでまとめて紹介。
「レオン」…UHDBDセット収録のTV版吹替はカット部を追録(再録含む)しているが、同梱のBlu-rayにTV放送完全版本編が収録されていて(ツイートで言っている「96分版」)、再録部のオリジナル音声が聴ける。ただし、マチルダの父親のセリフの一部が追録後のままになっている。
「ブリット」…M違いが比較的多い。そのためかスペシャルエディション2枚組DVDでも欠落、WOWOW補完版(「吹替の力」盤収録)では追録されてしまっている箇所がある。
「ザ・ドライバー」…35周年盤Blu-rayのベースになったマスターはあるシーンがゴソっとカットされている(原因不明)。HDリマスター版には当該シーンは含まれているので日テレ版に関してはそっちを買えばいいが、テレ朝版は35周年盤にしか入っていないのでカバーできない。
マスターからカットされている状態なので、もしかしてHD放送でもカットされるんじゃないだろうか…と思ってたが、いざ見たら当該シーンがちゃんと含まれていた。HDリマスター版Blu-rayから引っ張ってきたとかではなく、ちゃんと35周年盤マスター準拠の画質。どこから持ってきたの…?
「狼よさらば」…これはちょっと趣が異なるが、誰も騒いでなかったので紹介。ソフト収録の吹替は「カット部を追録したもの」らしいが、もともと音源があった個所も追録しているようで、スターチャンネルではオリジナルの音声が放送された。地上波のHD放送ではバッサリカットされているので、あれは短縮版に対する追録、あるいは自主規制による追録だったと思われる。(ちなみにこれを挙げると、「ツイン・ドラゴン」フジ版とか「ダーティハリー」とかも挙げなきゃいけなくなる。いずれもCS放送で初回版が放送されることが多い)
(2023年3月追記)
この後、Blu-rayを確認したところ、スターチャンネル放送と同様の初回音声が収録されていることが判明。ところで下記ツイートで指摘している部分(ともう一か所)しか追録個所がわかっていないが、いずれもオリジナルキャストの徳丸完氏によるセリフ。パケ裏の「追録個所はキャストが異なる可能性がある」ってどこのことを指しているのやら。
(追記ここまで)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?