『雨のアムステルダム』(1975年)

2011年12月16日(木)鑑賞 @銀座シネパトス

この時代なのに、なぜか画角がスタンダード。
アムステルダムのPR映画のような趣もある。
吉田喜重の『さらば夏の光』的な。

蔵原惟繕は『約束』や『青春の蹉跌』にかなり触発されたのだと思うが、
それっぽいミュージックビデオみたいで、映画としてはだめだった…
ショーケンのオフの声が、やたら説明的。

ショーケンは、『化石の森』よりはずっと自然で、いかにもショーケンっぽい。
ショーケンの住み家のトイレがガラス張りで、後ろを振り向くと、向かいに住む娼婦の女があいさつをしてきて、いつも二言三言しゃべったり。
ショーケンが家にいるときは、いつもラクダ色のステテコを履いてたり。

ショーケンと岸恵子は津軽の出身で、たまに津軽の海的なものが挿入されたりする。
『津軽じょんがら節』を思い出す。

商社マンのショーケンが赴任先のアムステルダムで日本の美女(岸恵子)と会い、同郷の女だと気づく。
ミステリアスなその女は、表向きは日本レストランの女主人だが、
内実は、銀行員の夫が数億の金を横領した末に自殺、スキャンダルになるのを恐れた会社(社長は三國連太郎)によって、借金のカタに高級官僚向けの娼婦にさせられている。
ゲイの官僚にはもう一人いる男娼をあてがうが、彼は水死体として上がる。
三國連太郎に目をつけられたショーケンは、アムステルダムを追い出されそうになるが、岸恵子を自由にする条件で、ショーケンが死んだ男娼の代わりとなる。が、客の男を殺してしまう。
男は要人だったが、なぜか替え玉がいて、彼の死は明るみにはならない。
ショーケンと岸恵子は逃亡。
ショーケンは岸を置いて突然ひとりで逃げるが、岸は撃たれ、ショーケンも氷が張ってスケート場のようになったところで撃たれ、ショーケンの体が氷をツーっと滑って止まり、「終」マーク。

なんだろう、これ…という映画だった。


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