『わたしのSEX白書 絶頂度』(1976年)

2012年5月16日(水) ユーロスペース

多分、何度目かの鑑賞。
筋をまったく覚えていなかった。
ただ、鮮烈な映像と、そこに流れる空気感のみを記憶していた。

姉と弟がいる。
姉は病院の採血係で、弟は浪人生。
弟は、ヤクザのような男(益富信孝)の手伝いをしている。
益富の情婦は芹明香。

弟の友人が急に腹痛を起こし、姉の勤める病院に入院する。
友人の部屋に看護婦が入ってくる。
映像が二重映しになり、白衣を着ている看護婦と裸体の看護婦が重なる映像は強い印象を残す。

益富が姉弟の住むアパートを訪ね、一人でいる姉に、弟に渡すよう封筒を託す。
やかんの蒸気で封をはがし、中を見る姉。
中には、益富と芹のセックスを撮った写真が数枚。
姉は、それを見ながらこたつの中で自慰をする。
弟が帰ってくる。
姉は別に慌てない。
「真面目に勉強してると思ったら、ヤクザと付き合って、不良ね」
とけだるく言う。
姉の声は、低い成分があって色っぽい。
姉は弟の前で自慰を続ける。
押し入れに隠れる弟。
でも、見てしまう。
懐中電灯?で姉の股間を照らす。

益富が姉に近づく。
自分たちの仕事を手伝え、あんたくらいの美人なら金になる、と。
姉は相手にしない。
二人が話す背後では、ビルの解体工事が行われ、ガーンガーンという音がする。

姉には言い寄ってくる男がいる。
病院食の配達に来る男。
姉は男の車に乗り、ホテルに入る。
結婚したら毎晩のようにかわいがってやる、とねちっこく言う男。

男との情交の帰り道、姉は益富に電話をかけ、仕事を手伝うと言う。
ホテルでサラリーマンの男の相手をする姉。
「弟が病気で、仕方なくこんなことしているんです」とうそくさい芝居をしてみる。

芹は、益富が姉に仕事を回すのが気に入らない。
弟に迫るが、弟はできない。

姉は、社長のような男(桑山正一!)に15万で買われる。
男は自分の所有する馬の話をする。
種を付けたいのに、牡馬に発情期の雌馬の小便のにおいをかがせても勃たない。
が、牡馬と雌馬の目と目が合ったら…
男は、文明によって人間は本能を失ったと言う。

男と、男の秘書のような男の二人は、姉の体を弄ぶ。
秘書が勃起すると、社長は姉にフェラチオをさせたまま、秘書と肛門性交をする。
嫌がる姉。
姉にくわえられ、秘書に後ろから攻められる男の下半身を、カメラは執拗に捉える。

部屋に帰った姉は、弟に迫る。
二人は愛し合っていた。
しかし、弟は拒み、部屋を去る。

姉は益富の部屋へ行き、益富に抱かれる。
芹が入ってくる。
益富を奪われた芹は泣く。
益富は芹に、二人のセックスを撮影するようカメラを渡すが、全然関係ないものばかり写す芹。
三人の果てのないセックスが続く。

ラスト、病院で採血している姉。
突然ウっとなり、カメラは彼女の股間を写す。
画面が反転すると、股間からは血が流れている。
姉の顔のアップに戻り、姉に電話が入った旨がオフで告げられる。
「ハーイ」と言う姉のアップのストップモーションで終。

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