『へうたんから出た駒』(1946年)
2012年4月29日(日) フィルムセンター
時は戦後すぐ。
とにかく食料がなく、配給だけではどうにもならない。
近所に住む可憐な娘さんと母親(浦辺粂子)が食べ物で困っているのをなんとか助けたいと、男2人が食料を求めて田舎町へ旅に出る。
親切に卵を分けてもらったり、立ち寄ったある家では、そこの娘の変な歌をさんざん聴かされておべんちゃらを言うと、どんどん値下げしてくれるのでおだてたりして、なんとか食料を手に入れる。
帰り際、ひょんなことから豪邸の食料備蓄庫に閉じ込められてしまう2人。
秘密扉の中の、庶民には考えられない潤沢な食料や酒を飲み食いする。
ちょうど、不正に食料を備蓄しているのでは?という疑いがその豪邸にかけられており、倉庫が開けられるが、備蓄しているのが悪いということで、2人はおとがめなし。
むしろ、ヒーローのように新聞に載ることに。
娘さんのもとに帰って食料を分けていると、飯ごうの中に入れておいた卵からひよこがかえっていて、めでたしめでたし。
のんきな娯楽篇でよかった。
男2人が自然の中を歩いてくるさまは、清水宏の映画のようなおおらかさ。