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11月振り返り

11月は少し環境に変化があった。
10月の終わりから、占いの仕事と別に、都内の大学でアルバイトを始めた。
大学の研究センターに併設されている博物館の仕事で、短期の予定だったけれど、たまたまポストが一つ空いたのと、とにかく働きやすい環境だったので、来年度も継続して働くことになった。

半年間、星詠みの仕事だけで生活を維持してきたので、少し悔しさもあるけれど、それ以上に経済的・精神的なゆとりが生まれたことの方が今の私にとっては大きい。

そして、新たなフィールドワークの場を得られたのも嬉しい。占いを仕事にしているくらいなので、人間観察はもはや私のライフワーク。

博物館に来られるのは年配の方々が多いので、東京の名門大学を卒業された方々のその後の人生を見聞きできる機会はとても貴重で、この上ない役得と思っている。

人類学の分野では、異なる文化を持つ集団の中で一定期間生活を共にし、実態を観察する研究方法を「参与観察」と呼ぶらしい。

20代の頃の私の観察対象はまさに「異文化・海外の暮らし」で、とにかく世界中を飛び回っていた。
30代の観察対象は「自然に近い暮らし」だったように思う。人生で初めて、田園風景の広がるのどかな田舎で生活した。

どちらも実際に長期間現地に滞在・生活し、その都度新たな知見を得た経験はまさに参与観察的だし、およそ10年スパンで興味の対象がスパッと切り替わる謎の現象にも説明がつく。

そして40代になろうとする現在、私のアンテナは「都会(文化・教養・経済)の暮らし」に移行しているように感じている。

拠点を東京に移し、大学で心理学を学び、休日は美術館や映画館へ。
今の自分が心地良いと感じる日々の暮らしの構図は、東京という土地を新たなフィールドワークの場に選んだということなのかもしれない。

つい2,3日前にこの「参与観察者視点」をひらめいたことで、実はかなり精神的に解放された。

20代の頃、憧れだった海外移住のチャンスが幾度もあったにも関わらず、なぜかいつも直前で自ら破綻させ、30代では自然豊かな土地で暮らしたいと願い東京から移住したものの、どうしてもコミュニティに溶け込むことができなかった。

人生を人間観察の場と設定して生まれてきてしまったからには、「どこにも染まれない」のではなく、自分の意思で「染まろうとしていない」のだと認めざるを得ない。

見る人が見たら無責任な生き方に映るだろうし、自分でも将来の予測がつかず困惑することが多々ある。とはいえ、この先も10年スパンで好奇心のベクトルが変わるのだとしたら、長生きしてみるのも面白そうだなと思う。

今月は髪も短くカットし(友人山路に素敵な美容師さんを紹介してもらった)気分爽快。使う予定がなかったTheradsも、ほぼ誰にも見られていないことで心理的障壁が下がり、個人的なつぶやきにちょうど良い。好きなPodcast番組も増えたし、来年の星詠みのアイディアも徐々に湧いてきた。

新しい年に向けて不要な荷物を手放し、進む方向を定め、ガソリンを搭載し、操縦席でカチャカチャと準備を始めている感じ。12月は人と会う予定も多く、年末らしい年末になりそう。11月もおつかれさまでした。

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