キネ坊主の映画人生を紐解く⑫
関西の映画シーンを伝えるサイト「キネ坊主」を運営しているぐっちょんです。
現在、在宅ワークをしていますが、主夫業もしながらだと、改めて大変だなぁと実感する次第です。
さて、昨日は、『コンセント』を観たという記事を書きました。今日書こうとしている作品について考えると、こちらは三宮アサヒシネマで観たかもしれません…
というわけで、今日は、おそらく初めてシネ・リーブル神戸に訪れた際に観た作品『害虫』(2002)です。
[過酷な現実に反抗する少女の、揺れ動く心情を描出した青春ドラマ。母親が自殺未遂するなど、不安定な環境に生きる不登校の中学生・サチ子。彼女は、ひょんなことから知り合った当たり屋の青年・タカオや彼の相棒である精神薄弱のキュウゾウらと町をぶらつく日々を送るが、やがてタカオは何かのトラブルに巻き込まれ彼女の前から姿を消す。こうして仕方なく学校へ戻ったサチ子だったが、文化祭で披露する合唱のピアノ伴奏をやらされたり、唯一の友人である夏子が想いを寄せる花坂にコクられたり、母親の恋人・徳川にレイプされかけたりと過酷な試練に次々と見舞われる始末。そして、ほんの悪戯のつもりが夏子の家に放火してしまったサチ子は、想いを寄せる小学校時代の担任教師で、今は原子力発電所で働く緒方の元へ逃げ出す。だが、待ち合わせの喫茶店に緒方はなかなか現れず、「いい仕事を紹介する」と声をかけて来た若い男と店を後にした彼女は、入れ違いに駐車場に入って来た緒方に気づきながらも、そのまま彼の車に揺られて行くのだった。]
本作の配給会社が日活なので、おそらくシネ・リーブル神戸で初めて観た作品かと…あの赤絨毯の階段を下りていって受付に向かうシネ・リーブル神戸。ちょっとしたラグジュアリーな雰囲気が映画館という非日常空間に向かう気分を高めてくれますよね。
さて『EUREKA』を観て以来の宮崎あおいさん出演作。不安定な状況を生きる女の子を見事に演じています。世の中に対して斜に構えている女の子を絵で表現するなら奈良美智さん、日本映画で表現するなら、この頃の宮崎あおいさんがピッタリだと当時は思っていましたね。
どちらかといえば、暗くて重い、鬱屈とした空気が漂っている作品ではある。どこかで希望を見い出せそうかな…なんて期待してしまうけど、難波―ガールの音楽がトドメを指すかのように鳴り響き、悲しみと達成感を同時に感じてしまう…そして、映画は突然に終わりを迎える。
観た当時は、え、ココで終わるの!?と呆然としてしまったが…そこで終わることの意味を考えてみると…思春期を描こうとした時のリアリティとフィクションの狭間があるのかなぁと感じる…ん、何書いてんだろ…?
こういう映画を10代後半から20代前半に観ると、多様な感受性を養うことが出来て良かったなぁと振り返る次第です