今更ながら、カナダに来て世界を知った
いかに自分が、日本以外の国のことを知らなかったかということで、愕然としました。
知り合いのフィリピン人は、サウジアラビアで助産師資格をとったそう。
多くのフィリピン人がサウジに出稼ぎに行っていることは知っていたけれど、学校も無償で出してくれるとは知らなかった。
私にとって、サウジアラビアに住む、ということは「恐ろしい」というのが第一印象だった。イスラム教の戒律が厳しくて女性は外出できない。言論の自由なし、車の運転しただけで、逮捕される、石打ちの刑、そんなイメージだった。アラブの国に興味はあるけど、サウジアラビアには行けないな・・・というのが私の認識だった。
ところが、彼女によると、給料は高いし税金なし、教育も医療費も通勤費も無料、素敵なVillaにタダで住めると。そして、世界中から医療従事者が来て働いていて、患者も世界中の人だと言う。医療費がタダなのでみんなちょっとしたことで病院に来るのでERのベッドが100以上あったと言う。（昔の高齢者医療費が無料だった日本を思い出しますね）実は、他の知り合いの看護師もかつてサウジで働いていた。彼女は東ヨーロッパ出身。給料はすごく良かったと言う。
裕福な産油国が外国からの出稼ぎ労働者で回っていると言うのは聞いたことがあるが、そんなに外国人ばっかりってどういうことなの？と聞いてみた。
サウジの国民は一体何してるの？
「彼らは、働かなくて良いから。お金さえ払えば、なんでも外国人がやってくれる。」
つまり、国が豊かで教育が無料なので国民は熱心に勉強しない、のだそうだ。
教育費が無料だと、勉強しなくなるそうです。
日本だと、お金があればあるほど子供の教育にお金をかけたくなると思う。
私は、子供には最高の教育を受けさせたいし、もしお金がもっとあったらもっといい学校に入れて好きなだけ勉強してもらいたい、と思うんだが、サウジだと逆の発想になるらしい。
お金があると、勉強しなくなる・・・
この論理、全く知らなかった。
サウジでタダで学校に入れてくれるって知ってたら、喜んで行ってたわ！
もう遅いけど。
今は、若い世代も少し変わってきていると思う、と彼女は言う。子弟を海外の学校に通わせている人もいるそうだが、一般の人はあまり勉強しないんだそう。
ちなみに、サウジが裕福なのには日本も一役買っているだろう。何しろ、毎年数兆円もの石油を買っているのだから。サウジで働いてる人たちのお給料は、巡り巡って日本人が払ってるのかもしれないな。
さらに、彼女の親戚はカナダの他に北欧やヨーロッパなど世界中に散らばっているのだそう。私がDMM英会話を受講していた頃、看護師資格のある先生たちをよく受講していたが、家族がドバイにいるとかイギリスにいるとかカナダ、アメリカetcそう言う話はよく聞いていたけど、実際フィリピン人めちゃめちゃグローバルではないか。
そして、彼女は不思議そうに「日本人は学校で英語勉強しないの？」と言う。「フィリピンでは英語は第二公用語よ」と。
いやいやいや、我々高校で、死ぬほど英語勉強させられましたよ・・・
大学の英語はそんなに頑張らなかったけど、トータルで14年ぐらい「学校」で勉強したと思う。
日本人は、普段英語喋らないんだよ。官公庁の文書も全部日本語だし・・・
と言うと、彼女、
「そういえば、日本から買ったダイヤモンドの鑑定書日本語だった！」
（彼女は日本のもののクオリティが世界一だと信じているため、日本からわざわざ宝石を買っているらしい）
そして、彼女は「日本はRichでしょ」
と信じて疑わない。
日本の一般庶民が日本はRichだと考えているとは思えない。
インフラや医療制度は充実しているかもしれない。食べ物もダイソーの商品も、低価格で品質は高い。でもそれを支えているのは低賃金、長時間労働で働いている日本人だ。
日本のお役人が、なんでも律儀に一生懸命やってくれ、処理スピードも速いのを見ると罪悪感すら感じる。（一方カナダは、送ったメールが開封されるのに４週間。）
こんなに国民が世界を股にかけて活躍してるのに、フィリピンって国が一向に豊かにならず、日本人の犯罪者が潜伏したりしてるのは一体どういうことなんだろうな。
それはさておき、英語が流暢に話せるっていうことは本当に大きなアドバンテージだ。世界中で、より条件のいいところで働ける。なんで日本人はこんなことに気づかず、日本でひたすら我慢強く低賃金長時間労働で働いてきたんだろう。いくら円高だったからって・・・
日本が、フィリピンのように外国語を取りれず日本語だけで完結する社会を作り上げたのは、開国後西洋文化を取り入れた時ほとんど全ての学術用語やそれまで日本になかった概念を日本語に翻訳したからだろう。映画やドラマは吹き替え、車や電気製品は国産で品質の高いものを作り上げる。コンビニや自動販売機の数々。弛まぬ工夫と努力が日本という国を便利で住みやすい国にした。カナダで日本製のもの、日本のメーカーのものを見ない日はない。でも、日本という国は現代においても鎖国状態にあるような気がしてならない。
＜カナダでよく見る日本のもの＞
パルスオキシメーター（日本人の発明）
TERUMOのシリンジ
日本車（トヨタ、日産、本田、三菱、SUZUKI、スバルほぼ全て）
日本のバイク
クレーン、ショベルカーなど（KUBOTA、TADANO、KATO, etc）
タイヤ（ブリヂストン、TOYO、YOKOHAMA）
ボートのエンジン（YAMAHA、YAMMER)
釣竿（シマノ）
キーボード（YAMAHA,Roland)
ゲーム機（プレステ）
カメラ、内視鏡（キャノン、オリンパス）
各種大工道具、工具、刃物
Sushi
Ramen
Teriyaki
日常目にしないものはもっとあるかもしれません。
例えば発電所のタービンなどの設備など。
■ トップ画像は、Western Toad この辺に生息するヒキガエルです。
動きがとても鈍いです。
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