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水も電気もないキャンプ場 Woss湖 / Vancouver Island 探検その3

真っ暗闇の中でキャンプしてみたくて、Logging roadの先にあるキャンプ場へ。

WossはCampbell RiverとPort Hardyのだいたい中間地点にあたる。

Map上にポツンと「Woss」
最寄りのコミュニティPort MacNeilまで66km

Wossに一体何があるのか?

雨が激しく降ってきた

この週はVancouver Island 南部はずっと雨。しかし、北西に向かうほど天候が良くなっていく様子。Saywardを出て、北へ向かう。

予想通り、峠に差し掛かると雨が激しくなってきた。
交通量はほとんどなく、時々ピックアップトラックがしぶきを上げながら抜き去っていく。何しろ、こちらは初心者マーク「L」をつけている。舐められまくりだ。

森の中のハイウェイ沿いに、前触れもなく左へ曲がる道が現れる。電波がないのでMapで確認できなが、どうやらWossへの入り口のようだ。
進んでいくと、寂しげなRVparkと給油所らしき建物。
奥の集落に人気はないが住宅が数十軒立ち並んでいる。

人っ子一人いない。

集落の一番奥にLogging Companyの建物が。
ここだけ、やけに新しい。

なんだかわからぬまま町中をウロウロする
なんと、歴史公園があり、Loggingで使われていた機関車などが展示されている

この町は、昔Loggingの拠点だったようで、1960年台までは、道路がなかったようです。ここから、ビーバーコーブまで切り出した木材を運ぶ鉄道があったのだが、数年前に事故があり以後廃線となったそう。

家々がレトロで可愛らしい
日本の庭みたいな植栽で埋め尽くされたお庭

とても小さな町で、店や公民館も空いている気配はない。
とりあえず、キャンプ場をチェックすることに。
矢印に沿って進むと、川に木の橋がかかっていた。
下をのぞくと石の河床に緑色の水がきれいな流れが見えるが、橋の中央が壊れているようでこの雨の中渡るのが恐ろしい感じ。

ガードレールとかない木の橋

この先は、砂利道。
土砂降りの中、ここで遭難しても誰にも助けてもらえなさそうなので、これ以上進むのはやめました。

その2日後、ここでキャンプをしに戻ってきました。

Wossの入り口

最北端の街へ行った後、戻る途中、ここで一泊することにしたのです。流石に1日で400kmを行くのは嫌だなぁと感じたので。そして、先程の木の橋からキャンプ場までは砂利道を3kmほど進むだけということが判明。それなら車も傷まないでしょう。

Woss湖
奥の山脈が見えて典型的な氷河地形の名残

キャンプ場と言っても、管理人もおらず水道も電気もない。トイレはキャンプ場隈なく探してだいぶ離れたところにボットントイレが一個。

それでも、キャンピングカーやトレーラーが数台陣取って複数グループが長期滞在している様子。さらに、ポツポツとテントも張られているので人気はないながらも、意外とキャンプ客がいる。

いくつか小さなビーチアクセスがあって、誰かのカヤックやチェアーが置いてあったりします。
まるでプライベートビーチですね

うちも、目の前に湖が開けている一等地に陣取りました。
近くには、家族連れのキャンピングカー+テント。子供たちが出たり入ったりしていて、
「あんた誰?Who are you?」と聞かれまくる。
「Cindyだよ」と言ってもまた「Who are you?」4歳くらいの女の子や数名の男の子。この家族は車も数台あって生活感があります。

なんでこんないい場所が空いているのか不思議
Port McNeilで買ったビール
こういう夕焼けが見たかったんだよねー

ところが、真っ赤な夕日どころか、サワサワ風が出てきたと思ったらにわかに雨が降り出した。しかし、30分ほどで雨は上がり、虹が。ところが、空は晴れているのに、木の下だけはポタポタ雫が落ちてくる。これ、Port Renfrewでも体験したんだけど、霧が木に当たってそこだけ雨が降ったようになってくる。

真っ暗だし、寒いので火を焚きたかったけどキャンプファイヤー禁止期間なので夕食後はすぐに寝る。もちろん、電波もほぼない。キャンピングカーの人たちは、ガスのキャンプファイヤーをやっていて楽しそう。8月なのに、朝晩はとても寒いのだ。

トイレが遠いのには参った。湖で用を足すには人目がありすぎるし野生動物も怖い。家族連れはどこでトイレをしているのだろうか。。。

息子が怖がって車に引きこもって寝てしまった。キャンプに来ても12時間寝る男。流星でも見えないかな〜と思って夜空を見るが、うっすら雲が出ていて満点の星空というわけでもない。

暗いけど、そこまで星空が見えない

野生動物の気配は感じられなかった。

朝。湖は波がなく鏡のようだ。

朝焼けを期待したが、西海岸あるあるで霧が出ている。
ここは、厳密にいうと内陸で太平洋には面していないが、山と湖の影響なのだろう、朝はどんよりしている。出発前に軽く1時間ほど周囲を探索してみる。

ロギング会社の管理下のトレイルがあった
地衣類に覆われた温帯雨林
Woss川。鮭がいるらしい

クマが出るんじゃないかと恐る恐る進んでいくと、人間に会った。
地元の住人で釣りをするのに下見をしているらしい。
「あそこに鮭がいるよ」
といわれたが、よくわからなかった。ちなみに、川で鮭は釣ってはいけないそうだ。
地域によっって釣りのルールは細かく決められているので、都度調べなければならないよう。ただ、先住民は制限なく釣れるということで、この釣り人も甥っ子はFirst Nationの血を引いてるから制限がないんだと言っていた。
クマはいるのか?と聞いたら、
「いるけど、人間には無害だ。クーガーの方が怖い」
という。どんなふうに怖いのかわからないが、猫のように音もなく忍び寄ってくるのだろう。
Woss湖では何十年もtroutが釣れなかったが最近復活してきたんだ、という。なんだろう?Loggingの影響だったのだろうか?

切り株が無造作に置かれている。小さく見えるが樹齢180年ぐらい
川沿いのトレイルはLogging Roadに繋がっていた

トレイルはWoss湖を一周したり、ニンプキシュの方まで続いていたりするようだが、天候も悪いし準備もないので今回はパス。Logging Roadを猛スピードで巨大な伐採車が走っていく。危ない。

この川が海まで続いている

キャンプサイトに戻ると、白髪の女性が子供たちの監督をしている。この寒いのに湖で泳ぐらしい。聞けば、女性は子供たちの祖母で、Wossに住んでいるそうだ。毎年夏になると、自分の子供が家族を連れて取っ替え引っ替えキャンプに来るのでここにテントを張りっぱなしにしているようだ。彼女は子供は6人、全員がIslandのあちこちに散らばって住んでいるのだそう。Wossはいい町ですねと言ったら、
「町全部が家族みたいなものよ。クリスマスとかイベントは街の人全員でやるのよ」
だそうだ。人口が200人程度しかいないので、町全員知り合いっていうのは想像がつく。

キャンプ場はタダだし、西海岸に比べたらあまり寒くなかった。また来たいな・・・と思った。

今日は帰る日なので、午前中にWossを後にした。
町を出る前に、歴史公園のトイレを借りた。
このトイレは、カナダの田舎に似つかわしくない真新しい水洗トイレ。なぜここにこんな立派なトイレがあるのか不思議だ。しかも、トイレから出てきた女性が、
「床が濡れているから気をつけてね!掃除をしたばかりだから。」
という。一瞬意味が飲み込めなかったが、その女性が掃除担当だったようだ。彼女も村人なのだろう。きれいに掃除をしてくれてありがとう。


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