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Health Care Assistantという仕事

HCAとも約されます。日本での介護士、ヘルパー、看護助手、付添さんなどの仕事が含まれます。州によって名前が違います。国家資格ではないのですが、一定の条件を満たすとBC care aideの登録番号がもらえ、施設や病院でHCAとして働くことができます。施設等ではこの番号を持っていないと働けないところがほとんどです。

HCAの位置づけ

■ 登録番号をもらうためには・・・

認定されたHCAのプログラムを終了した人、海外で医療従事者であった人などが登録できます。

■ 私は規定のプログラムを終了したので登録できたのですが、private caregiverになるためには別に必要ありません。コースの終了証明書さえあればオンラインで簡単に登録できます。なぜか、Work Visaがないと先に進めなくなり、一旦登録を諦めたのですが、COOP VISAがあったからそれでやってみたらできました。

■ ペラっとしたただの番号です

ただの番号だけど、施設で働くには必須でしょう


■ HCAの教科書です。
 内容はなかなかいいと思います。看護師のテキストを土台にして作られていて、看護学校で学んだことと似たような内容。HCAでこんな専門的内容いる?っていう部分もあるけど、こちらの病院のHCAは患者の状態観察や点滴ラインのチェックなども行うことがあるらしく疾患や点滴の観察ポイントについても勉強させられる。また、一般に病院や施設では許されない医療行為(投薬、褥瘡処置など)もHome Careでは行うこともあるため、実に細かく書いてある。清潔、安全、コミュニケーション、褥瘡予防などなど日本のスタンダードとほとんど変わらないのに、実際現場に行くと「In the reality」連発。

1000ページ以上2kgはあると思われる教科書。なぜ分冊しない?
Communicationの部分
投薬管理のところ 5Rとか出てくる

WHOの健康の定義とか健康の4側面なども懐かしいー

さて、HCAとして採用されるためには・・・一番のハードルはwork permitです。永住権かオープンワークパーミットなど働けるビザを持っている人しか採用してくれません。求人はたくさんありますが、メトロバンクーバーでは、ほぼビザのスポンサーにはなってもらえません(2022年春現在)。Vanvouver Islandや内陸の方へ行けば可能性はありますが。実習先の施設では「実習終わったら、アプライするのよ!」と陽気なスタッフたちに言われましたが、「ビザないんですよねー」と答えるしかありませんでした。

8ヶ月のプログラムを終了し、Diplomaと各種Certificateをいただきました。

■ HCAの仕事の内容は
施設によってもちろん違います。ですが、やってることは日本の介護施設をイメージしてもらえば概ね良いかと思います。モーニングケア、食事のセッティング・介助、レク、トイレ介助、シャワー介助、おむつ交換、部屋の整理、洗濯、コンパニオンシップ等。投薬はLPNか投薬の研修を受けたHCAがやっています。バイタル測ったりリハビリしたりはしません。HCAが単独で行ってはいけないことが多いです。なにかあっても、基本supervisorに報告で自分で判断することはあまりありません。

■ 仕事のきつさ
これも施設によって全然違うのですが、移乗やおむつ交換の際は必ずリフトを使うため、日本のように人力で持ち上げたりずらしたりすることはありません。体位変換や更衣介助なども2person アシスト、3personアシストなどとCare Planに書かれていてその人数がいないと実施してはいけないことになっています。したがって、腰を痛めることはないです。ですが、地方の方に行くと人手不足のために一人で全部やらなければならないこともあるそうです。病院などでは、患者がずり下がっていても看護師が一人しかいないと体位の調整をしてもらえないという話を耳にします。その結果褥瘡ができたり・・・カナダの人たちは「できないことはしない、できないものはできない」とはっきりしてますので、日本人だけが頑張っているだけで案外楽なのかもしれません。

■ 賃金は時給25ドル程度です。正社員になるとベネフィットもあります。住宅は支給されませんが、僻地だと引っ越し代を支給してくれる場合もあるようです。

■ 施設で働くHCAのメリット
 施設のHCAとプライベートケアギバーのどっちにしようか迷ったとき、確実に永住権がとれるケアギバーパイロットプログラムに狙いを定め、プライベートケアギバーの仕事を探しました。今なら施設のHCAでも永住権の申請ができるのでそっちのほうが良かったかなとも思います。
 もし、施設でビザサポートしてもらえるならば、時給も高いですしベネフィットもある、自分ひとりじゃないので安心感がある、安定している、立派な職歴になる(プライベートケアギバーだと高く評価されない)などなどメリットがたくさんありますね。賄い付きのところもあって、それはとても嬉しいことでした!将来看護師を目指す上で、とてもいい学びになると思います。それに施設によっては、看護師になるための奨学金やサポートがあったような気がします。

■ 施設で働くデメリット
 仕事がきつい。一人で10人以上担当しなければならないこともある。朝が異常に早い(朝の6時ごろシフトチェンジ)。仕事が流れ作業。ほかのスタッフのやる気が低くてモチベーションが下がる。場所にもよるが、フィリピン人スタッフが多く(場所によってほぼ100%、タガログ語が飛び交い)疎外感を感じる。理想と現実のギャップがものすごい。

■ 以上のことは、自分の体験や他のカレッジの学生や先輩HCA、クライアントや家族などから聞いたことに基づいています。日系人の大先輩で、総合病院の看護助手として定年まで働き、悠々自適で暮らしているという方には、ベネフィットがあるからぜひ病院で働くように勧められました。まあ、外国人が採用されるのは難しそうですが・・・

将来カナダで看護師を目指したいけれど、すぐには資格が取れそうもないのでとりあえず医療、介護関係で働きたい方。看護師の資格を生かして働きたい、という方にはオススメの仕事だと思います。

すぐ働くためには、オープンワークパーミットがある(医療分野での就労可のもの)、BC Care Aideのナンバーがある、そこそこ英語でコミュニケーヨンが取れることが必要かと思います。
HCAの資格が取れるカレッジやプログラムは多数あり、Internationalの学生を受け入れないところもありますが、Privateなら入りやすいと思います。
今後、カレッジでの勉強についてご紹介したいと思います。


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