Tattooがいいなと思えた日
日本の医療従事者はTattooを入れることは固く禁じられている。日本においてはTattooは反社会的勢力の象徴であり、実際患者さんに刺青があると怖かった。彼らはほぼヤクザかチンピラで採血やIV siteを取るときに失敗しようものなら凄まれてどうしようもなかった。
今は若者は気軽にTattooを入れてるかもしれないが、少し前までは真っ当な人間は刺青なんか入れなかったのだ。
ところが、カナダの白人や先住民はTatooを入れている人が多い。実は、私が出会った医療従事者(医師、看護師、介護士)のほとんどがTattooを入れている。同僚も、アジア人以外は全員Tattooを入れている。流石に学校関係者はまずいだろうと思ったら、刺青がある人もいた。先住民は、もともとTattooを入れる文化があるから別に問題ないのだが、白人の皆さん、なんでそんなにTattoo好きなのか?
よくわからなかった。だって、飽きても消せないでしょ?
下手な彫り師に入れられて失敗しないの?(たまに変なのもありますよね・・・)
家族や恋人の名前を彫ったりするケースが多いようだが、別れたり離婚したりがほとんどなのに、すごい勇気だ。だって消すのは手術がいる。
新しい同僚も両腕に見事なTattooを入れている。
あまりに芸術的なので、彼女のTattooについて聞いてみた。
片手にはカラフルなたくさんの花が彫られている。これらは自分の両親とstep両親たちだという。カナダあるあるで、両親が離婚してそれぞれ再婚したから親は全部で4名だそうだ。これはちょっと笑える。(ある知人はstep motherが四人いると言っていた。カナダは複雑な家庭が多い。複雑すぎて子供が一体何人いるのかわからなくなることがある)
もう片方の手には、水彩画風の不思議な刺青。
「これはね、ハリーポッターなのよ」
なるほど、杖と死の秘宝のシンボル。ハリポタファンなのね。
そして、その横には水色の水のようなデザイン。
「これは、スネイプなのよ」
すると彼女、
「私は、自分の戒めのためにこのTattooを入れているのよ。人をジャッジしないようにね」
なりほど。
ネタバレになるが、スネイプは絵に描いたような悪役で見るからに嫌な感じでハリーポッターや仲間をいじめる。裏切ったり、ダンブルドアを殺したりしてしまうのだが、最後の最後で実は命をかけてハリーを守っていたということが判明する。
だから、「人を見かけで判断してはいけない」という教訓としてTattooにしているというのだ。
では、この水色の絵のどこがスネイプなのか?
とよくみたら
Always
の文字
とすると、これは憂いの篩なのか。
なんかもう、素敵だなって思った。
彼女の人柄がTattooに現れている。
こういうところ、カナダ人っていいなって思える。
私も、病院で働く予定がないならば水彩風Tatoo入れたいなと思ってしまった。
ま、おそらく入れませんけどね。
感染も怖いし、日本で温泉に入れなくなるのも嫌だ。
あと20年くらいして本当のおばあちゃんになってから入れるかな。
それにしても、カナダで採血したりIV入れるの大変そう。血管が刺青で見えないじゃないか!せっかくの白い肌なのに。
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