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溶けるケーキと少女

江戸時代「天下の台所」と言い伝えられていた食の街、大阪。
大阪には美味しい、そして味なエピソードを持つお店がたくさんすぎるほどございます。

その中でも私は、南大阪エリアの素敵な、そして味わい深いお店を食べていきたい。

今日は私の愛してやまない河内長野の名店「西村洋菓子店」を食す。

河内長野市木戸町にある小さな洋菓子店。
白色の店構えが田舎の街にぽつっと構え店に入ると素敵なお菓子たちがショーケースの中で光っている。

お菓子たちの名前が粋すぎて毎回注文する度に緊張してしまう。私がお目当てにしたのはホワイトチョコムースにグリオットチェリーとココアの生地のケーキ、グリオッティーヌ。

可愛すぎる。
フランスの田舎街でバレエをしている少女のよう。あどけなさもありつつ大人への憧れでおめかしをしているみたい。まるでフランス映画「エコール」のような。

西村洋菓子店の素敵なところ、それは一つ一つのケーキたちに丁寧さがふんだんに練り込まれているからです。最上階に君臨するホワイトチョコムースがなんとも濃厚で、渋みのあるピンクが光り輝くグリオットチェリーの甘酸っぱさが味を締めてくれる。
一口食べだけでその丁寧な味のバランスに余韻が止まりません。甘すぎない大人な味。この日は少しスパイシーに仕上げたチャイをお供にしました。
1人の少女が大人になるまでの過程を思い浮かべながら、最後のココアのスポンジ生地が溶けて無くなりエンドロール。

他にも季節限定のガトーパターテという安納芋のショートケーキも食べましたが、ここのスポンジはモタつかず秒速で消えて溶けてしまう不思議な生地。

シンプルで素朴なケーキも大好きだけどたまには落ち着いた丁寧な甘さのケーキも食べたい。
そしてちょっと贅沢な時間を美味しいコーヒーやお茶で愉しみたい時に立ち寄って欲しい。

✔︎西村洋菓子店
河内長野市木戸町666
最寄り駅:南海高野線「千代田駅」
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