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音楽とダンスが紡ぐ物語『ちいさな死神くんとあの木の上のお星さま』公演レポート

2024年6月21日(金)、22日(土)、23日(日)に、調布国際音楽祭初となるダンス公演『ちいさな死神くんとあの木の上のお星さま』が、せんがわ劇場にて開催されました。

日本のコンテンポラリーダンス界を代表する黒田育世さんによる新作公演。

また、今回一緒に公演をつくりあげるダンサーを公募し、4名の方が共に舞台に立ちました。

黒田さんは作品への想いを次のように語っています。

「大病を患い長期闘病を余儀なくされた娘に付き添い入院をしていた時、受け止めようの無い悲しい瞬間にたくさん出会いました。
そこかしこに小さな命とのお別れがあるのです。
娘がもっと小さかった時に何度か読んだ事のある『ちいさな死神くん』という絵本をその時期何度も思い出した事を、久しぶりにシャコンヌを聴き込むまで私は忘れていました。

この度大変ありがたい事に、このシャコンヌを含むバッハのソナタとパルティータと向き合う機会を頂戴いたしました」と創作の経緯を語り、「バッハが伴侶を失った時に書かれたとされるシャコンヌと、あの引き裂かれるような病院での時間と、死を柔らかく支えるちいさな死神くん、この3つを束ねるように踊り、調布の市民の皆様に丁寧にお渡ししたいと思っております」
ー黒田育世

言葉はなく、音楽とダンスで表現された、調布国際音楽祭のために作り上げた新作公演は各回大盛況のうちに幕を閉じました。

暗闇の中から小出顕太郎さん演じる「小さな死神くん」が登場し、公演がスタート。

静と動、暗闇と光、生と死。

対照的な表現が、儚くも美しく、目まぐるしく移り変わります。

(c)青二才晃
(c)青二才晃

一瞬たりとも目を離すことのできない、思わず息を潜めて見入ってしまうような空気感のなか、物語は進んでいきます。

(c)青二才晃
(c)青二才晃

作品の中では鳥のモチーフも登場し、時空を超えて優しく死を支えている様子が表現されていました。

(c)青二才晃
(c)青二才晃

やり場のない激しく深い悲しみを、身体全体を使って表現するかのような黒田さんのソロパートは圧巻でした。

(c)青二才晃
(c)青二才晃

終演後は、劇場内に盛大な拍手が響き渡りました。

「どのように受け取っていただいても感じ取っていただいたことが全て正解です。それぞれのお客様の心の中に残るものがあり、少しでも希望を持って明日を迎えられたら。」という黒田さんの思いが伝わる公演だったのではないでしょうか。

<カーテンコールの様子>

(c)青二才晃
(c)青二才晃
(c)青二才晃

ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました!

出演

小出顕太郎
大江麻美子(BATIK)
片山夏波(BATIK)
松本野々花
北村莉来
倉島 聡
鄭 亜美
松尾 望
黒田育世(BATIK)

演奏曲目
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 ニ短調 BWV 1004 
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番 ハ長調 BWV 1005 より アダージョ

黒田育世さんと、公募ダンサーの方々にインタビューを行った動画も公開されています。

ぜひご覧ください!

@chofu_music_festival

\ ダンス公演がもっと楽しくなる🔎/ 日本のコンテンポラリーダンス界を代表する振付家の黒田育世さんと、オーディションを経て選ばれた公募ダンサーさん2名にインタビューを行いました🎤 調布国際音楽祭では初となるダンス公演🎼 作品への想い、オーディションに応募したきっかけ、稽古中の様子など、見どころたっぷりな内容にどうぞご注目ください👀 【公演情報・スケジュール】 ちいさな死神くんとあの木の上のお星さま 🗓️6/21(金)19:00   6/22(土)①14:00 ②18:00   6/23(日)14:00 【詳細・購入はこちらから👇🏻】 https://chofumusicfestival.com/JP/Program/COqw39C8 #CIMF2024 #調布国際音楽祭 #鈴木優人 #森下唯 #おすすめ #fyp

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