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子宮筋腫の手術をしました⑦ 手術3日後

下腹部に違和感があり、2024年8月に婦人科を受診したところ、子宮筋腫が大きくなっていると診断されました。受診時の筋腫の大きさは13,4センチほど。すぐに総合病院を紹介され、2024年12月に腹腔鏡手術による子宮筋腫核出術をしました。

この記事では、手術を終え2日が経過した心境を綴ります。


入院最終日になってしまった。

なってしまったと思っているあたり、この生活も悪くないと思い始めている証拠だ。

だって毎日誰かが様子を見に来て、毎食きっちりと食事を運んでくる。最後には「何か困っていることはありませんか?」と尋ねてくる。どこぞの姫にでもなった気分だ。
常に暖房は入れホーダイ、窓の外には雪が舞っているが気温差が分からない。姫だ。姫生活だ。だがそれも今日丸一日堪能したら終わりなのだ。

今日は、少しミッションがある。

まず、売店へ行ってスポーツドリンクを買うこと。売店ミッションは必須ではなかったが、必須になってしまった。

なぜかというと、共有スペースで汲んできていた冷水があれば退院するまでの水分補給はヨユーだなと思っていたが、部屋が乾燥しており、水だと喉に引っかかる。
術後の腹部にとって、咳き込むなど激痛なので御法度。すみやかになめらかに水分を補給できるスポーツドリンクを手に入れる必要があった。

朝食を済ませた後、棟から棟へ下って渡ってようやく売店にたどり着く。途中までは3日前に向かった手術室と同じ道を辿るので、あの時の緊張感が甦る。

我らが北海道民が誇るコンビニエンスストアだが、アクエリアスがスーパーの2倍の価格設定とはどういう了見だろうか。この店舗のユーザーはほぼ皆アクエリアスを求めるだろうから高くしているのだろうか。ポカリスエットよりアクエリアスが高い店なんて、見たことがない。

入院時、荷物の重量を減らしたく、スポーツドリンクなら院内の売店で事足りると、むしろちょっと安いだろうくらいに思っていたのに。

ああ、こうして本当はしなくて良かったことに労力が注がれていき疲れていく。

まだ自力での二足歩行に不安があったため、点滴をかける車輪の付いたアレと共に行動した。とても頼りになるヤツ。実はこれもパラマウントベッドが作っているとは驚きの事実だった。
この入院生活、本当にパラマウントベッドのベッドにはお世話になったし、思わず会社沿革を調べるくらい崇拝した。病院用ベッドの開発から始まった日本企業。素晴らしすぎる。

点滴をかけるアレと共に牛歩で部屋まで戻る。時計を見ると40分が経とうとしていた。かかりすぎだろ!
ちょっと休んだらもう昼食が来てしまうような時間になっていた。

入院最終日の昼食は、選択式で楽しみにしていた「冷やしなめこそば」。すぐに暑くなる掛け布団により、すっかり体温調整が難しくなっていた体は、冷たいものを欲していた。それとなぜか、術後はずっと37度2分〜6分だったのだ。そういうものらしいが。
麺は思いのほかコシがあるタイプで美味しかった。揚げの濃さとなめこのヌメリがまた良かった。

はー、さて、いよいよもう一つのミッションを果たさねば…とゴロゴロしているうちに、医師による内診に呼ばれた。
この時まで、傷口を直視していなかった。血のにじんだテープを見るのが怖いからだ。それに剥がす時も痛いんじゃ?と恐れていたが、内診であっという間に剥がされた。傷口も綺麗だということで安心した。
婦人科の診察なので、あの股開き自動イスに座らされ、検査をした。これが嫌いで堪らなく、しかも術後は自分の下半身が一体どうなってしまっているのかただでさえ分からないことに怯えた。

思いがけないとこでの診察でヘロヘロになりながら部屋に戻る。

立ったついでに、もう一つのミッションに取りかかる決意をする。そう、シャワーだ。

術後はシャワーができるようになったらもう一人前、これで回復も早まるぜ!と、入れ違う看護士さんたちに口酸っぱく言われてきたのだが最終日までやらなかった。だって痛いし怖い。傷口見たくないし、お湯が当たったら痛そう。

先ほどの内診で「傷口キレイ」と言われ調子が出たので、直視することにした。病院着を脱ぎ、鏡を見てみる。あー、意外と小さいのね傷口。それにヘソのゴマがキレイにされているのでむしろ手術できてラッキーだったくらいに思えてきた。

いざシャワーを浴び、なんてことなく終了。イケそうな気がするーと思い、洗髪までした。ただ、手術で張っている痛みのある腹部を庇いながらの体勢は腰が爆発しそうだった。

夕食が来るまでゆっくりと髪を乾かし、使用済みのタオルやらパジャマやらを看護士さんに渡す。本当に、これじゃまるでホテルだ。

最後の晩餐をザマンザイ2024を見ながらペロリとたいらげ、大河ドラマ『光る君へ』をリアルタイムで見入る。そのまま日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』でテレビ鑑賞を締める。なんて日だ。こんなに朗らかな気持ちでいそいそとテレビに向かえるなんて正月でもない限りできないことだ。

そして消灯時間。個室なので消灯は関係ないのだが、なんとなくテレビも消し薄暗目の照明に設定を変える。

明日の朝にはここを出るのか。。
色々悩みながら選んだこの病院、とても良かった。

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