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子宮筋腫の手術をしました③ 手術室へ
下腹部に違和感があり、2024年8月に婦人科を受診したところ、子宮筋腫が大きくなっていると診断されました。受診時の筋腫の大きさは13,4センチほど。すぐに総合病院を紹介され、2024年12月に腹腔鏡手術による子宮筋腫核出術をしました。
この記事では、自分の足で手術室へ向かうときの心境を綴ります。
ついに呼ばれた。
「手術室から連絡あったので、13:40頃に向かいますね。13:30頃に出発するまでお待ちください」
呼ばれた!呼ばれたぞ!
え?呼ばれたの?本当に?
これ私のことですか?
逃げてもいいですか?
諦めと抵抗の感情がせめぎ合って爆発しそうなのを、どうにか堪えられている冷静さもあり、自分は一応大人なんだと悟る。無駄な抵抗は無駄だ。
血栓対策のためのタイツを装着。思ったよりも面白い姿ではなかった。ただ白い靴下を履いただけの様相。
ついに看護士さんが迎えに来た。
これから遠いほうの手術室に向かいますよと。
なんでも入室中の棟にも手術室があるらしいが埋まっているらしい。みんな手術してるのか。親近感だけど親近したくない気持ち。
エレベーターに乗って降りて渡って、歩いて10分くらいかかるとされていた遠いほうの手術室にはすぐに着いてしまった。一生着かないで欲しかった。
手術室に入るための序盤の入り口に到着。映画ならここで指紋認証とか何らかの赤外線が張り巡らされている場面であろう。
氏名と生年月日、あなたは今日この手術内容で良いんだよね?間違いないよね?と念押しの確認を済ませ、いよいよ通されてしまう。
「手術室の4番ですよ」
よんっ…!?
し、シぬじゃないか
数字の縁起をここまで無視したい気持ちもそうそうない。なぜ手術室で4番のナンバリングは抜かさないのか!
4番室まで優しい看護士さんがピッタリとくっついて同行してくれて本当に良かった。それだけでかなり救われた。とにかく不安にさせまいと、にこやかに受け答えしてくれる。
そんな時間もものの数秒、すみやかに4番室に着いてしまった。
ビビりたくないので、部屋のなかは見渡さないことにした。今ここでメスとかナントカとかのステンレスな器具を目にしてしまったら失神しそう。
パッと見えたのは、ライトが沢山ついたライト。これドラマとかで見るやつー。あれはリアルだったのか。
履いてきた上履きは自分で脱ぐスタイル。
手術室に行ったらもう赤子のように身を預けようと高を括っていたのに、手前でやれスタイルで少々焦る。
ものすごく狭いベッドに横たわる。え?なんか暖かい。床暖ベッド?ここからはもう、まな板の上の鯉。
麻酔科の先生が挨拶と何やら説明してくれているけど、もう鯉なので「はい〜」としか言えず。総てを受け入れる。
でもでも、ちょっと待って、
手術室に入室するなり、なんだかシャカシャカ音楽が聴こえていたのは、本当に音楽がかかっていたことに気がついた。
宇多田ヒカルだ。しかも「Letters」だ。
え?なんで?宇多田ヒカルが好きだって誰にも言ってないのに。
この時、最後の最高に無駄な抵抗、麻酔にかからないぞ!を試しており、準備中の看護士さんに「手術室って有線なんですか…?」と質問してみる。CDなんですよー、へーそうなんですねーと答えながら、耳に入った歌詞は「必ず帰るよ」。
何これ、手術室向きなBGMナンバーワンじゃない。
この一世一代の手術でLettersがかかるなんて、ちょっと涙ぐんだ。回復したら手紙を書こう…そう思った。
それにこのアルバムは、発売当時2002年頃、擦り切れるほど聴いたCDだ。Lettersの次の曲は言われなくても体が覚えている。「プレイボール」だ。
なんという安心感の中で手術ができるんだ。これはラッキーなことかもしれない。これがファンでもなかったアーティストの曲だったらまた別の心境になってきてしまう。
点滴をさすための痛み止めテープが効いていたのか、太めのでさすよと脅されていた点滴はそんなに痛くもなく。
はい、点滴ささりました、痺れてないですか?
痺れていません。
これから麻酔を入れていきますね、気持ち悪いとか吐き気あったら言ってくださいね。
はい〜。あ、ぐわんぐわんしてきました。
あ、麻酔効いてますね、酸素マスクしますね。
はい〜
グウ。zzz
秒で意識飛んだけど、直前までの記憶はけっこう鮮明に覚えているものだった。