食への考えが少し変わった瞬間
この年末年始は、南の離島にて過ごした。
夫は仕事。 娘息子もその下で仕事。
日中は次女と私で過ごす。
離島には私の友達もいて、たくましく
暮らしている。
大体この島に来たら、彼と遊ぶのだけど
今回は「いざり」に連れて行ってもらった。
引き潮の夜の海を2.3時間練り歩きながら
タコやイカや逃げ遅れて眠っている魚をつく漁だ。
真っ暗な海をどんどん奥へ突き進む。
彼は慣れているので 進むのが早い。
役不足なライトを片手に私たちはどんどん進む。
後ろを振り返ると、真っ暗闇で 自分たちがどこから来たのかも
分からなくなる。
恐怖を感じる。
この恐怖は、ダイビングの時に味わったものと似ていた。
広場恐怖症の人は耐えられない恐怖だろう。
集中して進んで、ふっと立ち止まり振り向いた時のざわざわと
襲い来る恐怖。
あまり、普段味わえない感覚だった。
でもそのうち慣れてきてどんどん進む。
タコを素手で鷲掴みにしてとる。
まだまだ食べ物をただとっているという感覚だった。
めちゃくちゃ楽しい!
帰宅して、タコをとりあえず下処理しないとと思い
夜中の3時にキッチンに立ち、タコを網から出す。
まだまだ生きているので
キッチンを一生懸命よじ登ろうとする。
こっちも応戦してせっせとタコの目と目の間を
包丁でぶっ刺す。
タコは、一瞬硬直して全身に
寒イボがたつような感じでぞぞぞーっと色変わり
命が終わる。
ごま油と塩で美味しくいただきましたw
いざり3日目に、カニをとった。
持ち帰って 締めなければいけない。
カニの締め方をググる。
口にアイスピックを突き刺すらしい。
カニをキッチンの流しにとりあえず出す。
わさわさと逃げようとする。
それを捕まえて、口にアイスピックを当てようとするも
物凄く抵抗する。
ハサミを一生懸命動かして、私がすることを拒否する。
申し訳ないのか、なんなのか 言い表せない
感情に襲われる。
何度も何度も口に当てようとして ハサミで防がれ…
何度も何度もトライする。
遂に、口からおしりまでアイスピックが
刺さった瞬間
ちぎれんばかりに一生懸命 抵抗して動いていた手足が
止まり、心做しか、目から生気が消える。
その瞬間に、こんなに頑張ってたものを食べていたんだと感じる。
以前からと殺に、興味があった。
自分がと殺を目の前にして、どう心が動いて、
そのあと食べるということに対して、どう変わるのか
興味があったし
なんとなく、何もなく、普通に
あー すごい迫力だねぇくらいで普通に
お肉を美味しくたべれるんじゃないか?と
甘く見ていた。
でも、このカニに出会ってから、その予測が大きく変わった。
と殺を見たあとの世界は、お肉や生き物に対して、
ありがたいと思うんだと思う。
食べれなくなるということは無いはずだ。
昔から、食べれない釣りや、殺生は
何だか違うと思っていた
なので、
自分の目の前に 食べ物として現れた命は
有難く食べるのが 私の役目だと思う
いざりを通して思わぬ、感情が動いた。
ありがたい経験をさせてもらった。