準備と決意表明の2023プレ 1-はじめに(動機と記録の目的)
これは、1冊のチェコ語で書かれた日記を初学独学者が訳すために何を知る必要があるのか、学びの中で何を得るのか、その記録を残すことを目的とするプロジェクトである。
日記帳に記された1931年から100年後にあたる2031年に日記の翻訳を完成させるが到達点になる、予定。
2017年のことである。
12月23日、24日の2日に渡って、京都岡崎はみやこメッセで開催された「紙博 in 京都」で、私は一冊の日記に出会った。
iPhone SEより2回りほど小さいページが、綺麗に整った筆記体の文字がブルーブラックのインクでびっしり埋め尽くされていた。
それは約90年前の、チェコで書かれた日記であった。
一体、どんな人が、どんなことを、どんな思いで書き留めたのか。
読たい。ちょっとだけ。
ちょっとだけよ、ちょっとだけ。
そう思いながら、1月1日の行に挑んでみる。確か、4、5日かかったが訳す事ができた。
(この訳内容は文学フリマ頒布の『7年後に〜2023 プレ』に記載)
こうしてちょっとずつ訳していけば、ちょうど100年後にあたる2031年に365日分訳せるんじゃない? そんな風に思い込んだ私は、いつか来る翻訳が完了した日を夢見ながらここで一度日記の翻訳をやめてしまう。
あれから7年。気がつけば2024年は、2017年当時から見れば2031年までの折り返し地点だ。
この7年間、全く忘れたわけではないけれど、ほぼ全く着手しなかったこのプロジェクト。
出来ることなら、きちんと完走したい。
この日記を訳すのに、どのくらいのチェコ語の知識が必要なのかわからない。
先述のように、筆記体の解読にだけ時間をかけてあとはGoogle先生にお伺いすれば早いのかもしれない。でも、出来ることなら自分の言葉で日本語に訳したい。
そしておそらく、知る必要があるのは語学としてのチェコ語の知識だけじゃない。
チェコは1930年代後半、ナチス・ドイツの台頭により大きな影響を受ける。
ネットで簡単に調べられる範囲では、チェコの1931年に言及する記述を見つけることは出来ないけれど、たぶん何か迫りくるものを感じる時勢だったんじゃないかと思う。
1冊のチェコ語で書かれた日記を初学独学者が訳すために何を知る必要があるのか、学びの中で何を得るのか、7年にわたる学習記録の始まりである。