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本の感想まとめ。カバー写真は所属サークルHYGGEの合同誌。
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#小説

9月8日は文学フリマ大阪 え-19にいます。

9月8日は文学フリマ大阪 え-19にいます。

一昨日までで『7年後に100年前のチェコ語の日記を翻訳する初学独学者の記録 2023プレ』エッセンシャル版の連載が完了。
マガジン化しているので、今後の更新する記事と合わせてお楽しみください。

明後日9月8日の文学フリマ大阪12では、会場であるOMMビル 2FのA・B・Cホール内下記マップ位置におります。 

この全体図の

左側。here.

HYGGEのメンバーと交代で店番してます。

HY

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9月の読書記録など

9月の読書記録など

月初の文学フリマ大阪が終わって以降、脱力傾向にあったけれど、少しずつ力を取り戻している。文フリに向けての創作・編集・当日の活動と大きなアウトプットですっかり空っぽになったのだ。

おかげで、先週今週と大変にインプットが捗った。読書も資格勉強も買い物も、私には同列のインプットである。

イェジー・コシンスキ「ペインティッド・バード」、二階堂奥歯「八本脚の蝶」、スティーブン・キング「書くことについて」

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文学フリマ大阪 御礼

文学フリマ大阪 御礼

久しぶりのイベント、久しぶりの遠出で昨日はあっという間に寝こけてしまった。

1日経って、というタイミングですが、文学フリマ大阪に参加された皆様、お疲れ様でした。そしてHYGGEのブースにお立ち寄りくださった皆様、ありがとうございました。

文学フリマ大阪は、運営Twitterによると大きな事件もなく無事に終了した模様。

このまま何の問題もなく時が過ぎ、次回の開催につながることを切に願っています

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神さまを待っている / 畑野智美

神さまを待っている / 畑野智美

希望のある終わりを迎えた主人公を、もう私は羨ましいとは思わない。それは、私の成長であり、物語を真正面から受け止める若さを失ったということかもしれない。小説の始終を「これは創作だから」と割り切り自分への負荷を軽減する一方で、物語の結末が「一人でも多くの人の希望になりますように」と一読者の立場として願っている。

これは、貧困女子の再生の物語ではなく、人間関係への不信からの再生の物語だ。

主人公の愛

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文身 岩井圭也

文身 岩井圭也

2年前にデビュー作を読んで以来のファンである。

『文身』は「最後の文士」と呼ばれた作家の物語。私小説作家となったことで翻弄される、兄と弟とその家族の人生の物語だ。

物語の内容に言及すると、あらすじ解説じゃなくてネタバレをしてしまうのが私の常なので、これ以上はしない。

岩井圭也さんの作品の真骨頂は、悲しみの場面の情景描写の美しさだと思う。今回も、しっかり心臓をわしづかみにされてしまった。感服。

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2020上半期 購入本 良かった9選

2020上半期 購入本 良かった9選

数年前からエクセルで家計簿をつけるようになって、関数なども覚え少しずづ使いやすくバージョンアップして、昨年あたりからようやく一つの形になった。

一年を通して支出品目ごとに金額を比べられるようにしているんだけれど、毎年ダントツで多いのが図書費。2020年上半期で使った額を発表しても仕方ないので、買って満足度の高かったもの9冊を紹介したい。

以下、大体購入した順番。

野口光の、ダーニングでリペア

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ラブレターを送りたい 長田弘さんへ

ラブレターを送りたい 長田弘さんへ

敬愛する作家が二人いる。

一人は既に語り散らかしている江國香織さん。

もう一人は、長田弘さんだ。

2015年5月3日に惜しくも去られてしまった。75歳という年齢は、今時早すぎる死であるといえるだろう。

お亡くなりになる直前にみすず書房から全詩集が出ていて、「ああ、欲しいな、欲しいな」と思っているうちの、突然の訃報だった。訃報を聞いて「どういう意味なのか直ぐにわからなかった」ということが本当

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1日10分のごほうび

1日10分のごほうび

小説は、長編よりも短編が好きだ。
短いエッセイも好きだ。

集中力が昔から短くて、200ページほどの文庫本を一日で読み切ることが出来ないことがコンプレックスだった。短編集なら、一話読み終わったところでその日は終わりにしても、罪悪感が無い。

一日一冊、寝る前の一時間で読み切れる友人たちに心底憧れている。

ひとりの作家による短編集ももちろん好きだけれど、アンソロジーも好きで本屋で目につくと手に取っ

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食べる小説 江國香織「きらきらひかる」

食べる小説 江國香織「きらきらひかる」

江國香織さんの『きらきらひかる』は私にとって特別な作品だ。
江國香織さんの『きらきらひかる』が、私が初めて読んだ小説だった。

12歳の時に古本屋で文庫を手に取った。なぜ『きらきらひかる』の文庫を手に取ったかは、それはそれで別の、捉えようによってはまぬけなエピソードがあるのだが、それは秘密。

それまで弟と一緒に絵本ばかり読んでいた私には、『きらきらひかる』はあまりにもセンセーショナルだった。

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