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カルチャーがインスピレーションを刺激する!
カルチャーがインスピレーションを刺激する!
カルチャーは、その時代の人々の欲望、エネルギーを反映しインスピレーションを刺激する。
そしてその魂は、独自の音楽・デザイン・ファッション・映画などを流行させ、多様な社会風俗を創出しています。
特に1960年から70年頃にかけては、アーティストたちが階級差別やジェンダーなどの凝り固まった価値観を一新し、ポジティブな反骨精神で時流を変えた時期でもあります。
カルチャーには4種類ある
カルチャーはその時代から派生した「文化」を意味しますが、独自の性質を持つ独立した文化のことをいい、カルチャーにはメイン・ハイ・サブ・カウンターの4種類があります。
メインカルチャーは ”流行っていいよね、乗り遅れないようにしちゃうぜ~” という感じ。
ハイカルチャーは ”我らの文化は高尚なり 敬え、敬えなさい~” とマジョリティ。
サブカルチャーは ”少数派だけど私が好きなものに誇りをもっているよ~”とマイノリティ。
そしてカウンターカルチャーは “なんか知らんけど腹立つ~” と反骨精神を示しています。
カルチャーとインスピレーション
インスピレーションとは、じっくりと考えて導きだすのではなく直感的に、もしくは突発的にアイデアや考えが思い浮かぶさまのことを指します。
また映画や音楽、漫画やアニメなど、多様なカルチャーからインスピレーションを得て作品やデザインを生み出すアーティストもいます。
インスピレーションの源
ファッションカルチャーとしての日本の着物は、400年近くに渡って世界のドレススタイルに大きな影響を及ぼし多くのトップデザイナーがインスピレーションの源として取り入れています。
映画『スター・ウォーズ』の劇中でオビ=ワン・ケノービが着用した衣装は、仏教僧と侍の袴を組み合わせたインスピレーションからデザインされました。
有名デザイナーのイヴ・サンローランは、デザインテーマとなる国を訪れロシアなどの異文化に着想を得たコレクションを発表し絶賛されました。
好奇心旺盛なサブカルチャー
1960年代にはファッションデザイナーのマリー・クワントがそれまでタブーとされていた先進的なミニスカートを発表し、「スウィンギング・ロンドン」という若者文化が開花したカルチャームーブメントの旋風を巻き起こしました。
マリーはリッチな上流階級女性だけがあつらえるオートクチュールに対して伝統的な階級社会への不満感が強まっていた若者たちのフラストレーションを受け止めて、ミニやホットパンツなどをヒットさせ若々しい装いを後押ししたのです。
サブカルチャーは少数派ながら、それまでの社会的な流行や潮流から独立し、特定の音楽ジャンルや芸術などと深く結びつき、独創的で好奇心旺盛な考え方があります。そのため、ファッション業界では常にサブカルチャーの動向に注目し、新たなインスピレーションを求めています。
対抗文化でインスピレーション
反骨精神とは権威や権力、時代風潮などに逆らう気力や気概を指します。
反骨による対抗文化ともいえるカウンターカルチャーは、主流の大衆主義や
伝統的な古い大人の価値観に対抗し、これまで劇的な文化の変化を引き起こしてきました。
その時代のアーティストたちが、それまでの社会通念や凝り固まった文化の価値観を一新しポジティブな反骨精神で世の中を変えてきたのです。
また反骨精神をインスピレーションソースとして作品を制作したアーティストもいます。
イギリスのデザイナーヴィヴィアン・ウエストウッドは、パンクロックからインスパイアされた「反骨精神」をインスピレーションとして、セクシーで革新的なシルエットの洋服をデザインしました。
スポーツメーカーナイキは、創業者のフィル・ナイト氏の反骨的な精神をインスピレーションソースとして、ランニングの分野で作品を制作しています。
反骨精神でカルチャーを一新する
各年代のムーブメントとなった反骨精神は映画や音楽にも反映され、そのポジティブな反骨精神はカルチャーをも一新しています。
1960年代には学生たちが反骨精神を表現した特攻服や変形学生服が流行し、ファッションにおいても刺激的な時代でした。
1970年代には、イギリスでパンクムーブメントが盛んとなり、社会への反骨精神が音楽やファッションで表現されました。
同年代にニューヨークのブロンクス区で生まれたヒップホップは、反骨精神の音楽として知られています。
その楽曲は旧い社会体制批判や、自身の主義主張を高らかに叫ぶものでした。
50年代カルチャートピックス
1950年代のイギリスでは若者たちがモッズやパンクなどのサブカルチャーを形成し、社会の既成的な価値観に反骨する形で文化やスタイルを生み出します。
また、マーロン・ブランドが映画「乱暴者」で501に革ジャンを着てバイクで暴れまわり、若者の衝動や反骨心に共感を得てジーンズが大流行しました。
マリリン・モンローもジーンズをはき、女性にもファッションとして浸透していきジーンズは仕事道具から今日のファッションアイテムにもなりました。
60年代カルチャートピック
1960年代は若者のパワーがグローバルに爆発した時代で、世界各地で「叛乱」が起こりカルチャーや政治・音楽・ファッションなどにおいて大きな転換期でした。
60年代ロックカルチャーで双璧をなしたのがビートルズVSローリング・ストーンズ。
ビートルズは、それまで労働者階級の低俗な音楽とみなされていたロックの常識を覆し、また音楽を通して反戦の意思表示をアピール。
ローリング・ストーンズは、不良っぽいキャラクターを押し出しながら爽快なドラミングとパワフルなギター、そしてミック・ジャガーのヴォーカルとパフォーマンスで一世を風靡。
両グループは若者のサブカルチャー帝国をつくった偉大なアーティストといえます。
70年代カルチャートピックス
1970年代は、学生運動、ヒッピームーブメント、パンクなど、組織や体制のなかに縛られることを拒んだ若者たちが、自由と平和を求めて立ち上がった時代で、アートや音楽、ファッション、ライフスタイルなど全ジャンルにわたって多様な文化が生まれます。
パンクは70年代音楽の一大ムーブメント
当時はロックが超絶巨大化し、またプレグレバンドなど難解な音楽も登場し、派手なグラムロックなども現れ、どの音楽にも馴染めない層が一定数いました。
その時、生まれたのがパンクロック。
パンクは技術もへったくれもなく、雑で耳ざわりな騒がしい音にやたらテンポの速い音に合わせて、暴力的な歌詞を歌い散らすという野蛮性を秘めた楽曲です。
当時ロックに物足りなさを感じていた若者たちが、この攻撃的な音楽に呼応し盛り上がりを見せていきます。
この70年代に登場したパンクの代表はイギリスのセックス・ピストルズで、彼らはボロボロのダサい服を着て聞くに堪えないような下手くそな音楽を演奏しました。
そして、それが若者からの絶大な人気を勝ち取ったのです。 これこそがパンクカルチャー!
若者文化の対立
イギリス映画『さらば青春の光』は、60年代初期のユースカルチャーを描いた作品で、失意や希望、理想と現実のギャップに苦悩する若者たちの青春群像が生き生きと表現されています。
当時流行したモッズファッションに身を包み、音楽、ダンスパフォーマンスなどでイギリスユースカルチャーを見事に描いています。
SNSがカルチャーを変える?
現在ではSNSというテクノロジーの台頭によってメイン・ハイ・サブ・カウンターの4つのカルチャーが少しづつ変化しています。
それは、最近急に売れ始めたアーティストをみればわかりますが、瑛人やYOASOBIなどサブスクリプションサービスのヒットチャートで上位に新しくランクインするアーティストや楽曲がここ数カ月で増えてきたのです。
SNSによってヒットチャートがすぐ見つかり、すぐ拡散されてメインカルチャーになって、そして代替えされていくのです。
特に瑛人の「香水」とYOASOBIの「夜に駆ける」の人気は急上昇していますが、瑛人とYOASOBIには共通点があります。
それはCDを1枚もリリースせずにSNSをきっかけにバズった部分です。
特に瑛人の「香水」はSNSに多くのカバー動画が投稿され続けていて、ネットで楽曲が先行してバズり、メディアが後追いで紹介する形になったのです。
SNSやサブスクで存在感を示すアーティストが注目され、その潮流から「SNSが新たなカルチャー」を生みつつあります。
ユースカルチャーの進化
日本のユースカルチャーであるアニメ、マンガ、ゲームといったジャンルは、日本独自の文化的表現として世界中に広まり多くの国で愛好されるようになりました
そして現代では、オタク文化、ストリートファッション、アイドル文化など、多岐にわたるジャンルや表現メディアが存在しそれぞれが独自の発展を遂げています。
これらのメディアは、若者たちにとって単なる趣味の共有を超え、クリエイティブな作品の創出や、異文化間交流の促進にも寄与しています。
カルチャーを知ろう!
アニメやマンガ、音楽、小説、アートなどなどはあらゆるアーティストやクリエイターが毎日どこかで作品を作っています。
そんな創作物を享受する時、その背景であるカルチャーを知っておくと、さらに作品を受け取ることが楽しくなります。
Credit: Cignals編集部