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美術鑑賞の魅力に迫る。

美術鑑賞は起業家やイノベーターにもおすすめ。美術鑑賞で得られる力や美術鑑賞を楽しむ方法を解説

「美術鑑賞」という言葉を聞いて、みなさんは何を思いますか。「美術鑑賞ってむずかしそう」「ステキな作品を鑑賞すると心が和む」「美術品の鑑賞って単純におもしろい」など、人によって思うことは異なると思います。

美術鑑賞は堅苦しいものでも、難しいものでもなく、それぞれが自分のペースで、楽しみながら行うものです。また、鑑賞した作品について何を感じるかは自由なので、自分が作品から感じ取ったことを大切にしてください。

本記事では、美術鑑賞で得られる力や美術鑑賞を楽しむ方法を解説します。


新たなビジネスチャンスにつながるかも!?美術鑑賞で得られる力


日本人にとってあまり馴染みがない考え方かもしれませんが、アメリカやヨーロッパではビジネスマンにとってアートは必須の教養といわれています。商談や食事会の席で有名な画家や人気作品について話題に挙がることがあります。起業家やイノベーターの中には海外の人とかかわる機会がある人も多いと思いますが、アートが共通の話題となり、関係性が深まることもあるかもしれません。

また、起業家やイノベーターにとって美術鑑賞では美術に関する知識や情報だけではなく、仕事や生活でも役立つ根本的な力を培えます。以下、美術鑑賞で得られる力を紹介します。

観察力


美術鑑賞をすることで観察力が高まります。美術品の多くはよく観察することで気付く部分が多く、根気強く、観察できる人ほど作品を深く理解できます。例えば、1800年末から1900年はじめにヨーロッパで盛り上がったキュビズムは、作品を読み解くのが難しいといわれています。ピカソやグリスをはじめとするキュビズムの画家は日本でも人気ですが、画家が何を描いたのか一目見ただけで分かる人は少ないと思います。絵画を隅々まで観たり、絵画からあえて少し距離をとって全体を観たりすることで、ようやく観えてくるものがあります。

1つのものと集中して向き合い、その対象に秘められたものに気付いていく中で、観察力が高まります。日常生活やビジネスにおいても対象のモノや人と時間をかけて向き合い、そこに秘められた意味や思いを読み取る力は重宝できます。

想像力


美術鑑賞は想像力を鍛えるのに効果的な方法といえます。美術館などではまったく知らない人、自分とは異なる時代を生きた人が生み出した作品を前にし、「作者はどのような思いで、この絵を描いたのだろうか」「作者はどうしてこの作品を生み出したのだろうか」と考えを巡らせることもあるでしょう。

学芸員による解説などが作品の横に置かれていることも多いですが、解説を手掛かりにしながら作品に思いを馳せます。困難な時代を生き、そのつらさを作品に投影した作者に情を寄せることもあれば、作者の生き方に共感することもあるでしょう。

想像力をはたらかせて、他者の考えや思いを汲み取る力は、現実生活における人間関係の構築にも役立ちます。近年は想像力の欠如が懸念されていますが、美術鑑賞で想像力を高めることができます。

また、起業家やイノベーターにはさまざまなモノからインスピレーションを受け、自身のビジネスや作品などに活かすことが求められます。多くの芸術家たちが過去の芸術家たちから着想を得たように、美術鑑賞は自身がなにかを創出する上での手助けになることもあるでしょう。

言語化力


美術鑑賞が終わったらそれで終わりにするのではなく、自分が感じたことを周囲に伝えることをおすすめします。家族、友人、知人に感想を直接伝えることはもちろん、SNSに思ったことを綴ってみるのもよいでしょう。

作品を観ていない人に作品の魅力や自分が作品から感じ取ったことを伝えるのは容易ではありません。相手の立場になって分かりやすく伝える必要があります。はじめのうちはうまく伝えられないかもしれませんが、何度か話しているうちに相手に分かりやすく伝えられるようになるはずです。

他者に美術作品について分かりやすく伝えられる力は、ほかのことを言語化する際にも応用できます。特に、周囲になにかを説明する必要がある立場の人にとって、言語化力は求められる機会が多々あります。

美術鑑賞を楽しむための5つのコツ


ステキな美術鑑賞になれば生涯にわたって大切な思い出として心に残ります。また、美術鑑賞の楽しみに気付けば、ライフワークになることもあります。

一方、美術鑑賞にはコツがあるため、ただなんとなく行くだけではうまく楽しめなかったということにもなりかねません。

そこでここでは、美術鑑賞を楽しむための5つのコツを紹介します。

①展示作品の予習をしておく


美術館やミュージアムなどに行くときは、展覧会の予習をしておくのがおすすめです。例えば、印象派の展覧会に行くのであれば、印象派やモネやルノワールをはじめとする代表的な画家について調べておくとよいでしょう。これらについて事前に調べておくと、絵画とともに置かれている解説文がすっと頭に入ってきますし、作品を理解しやすくなります。

予習には初心者向けの本を1冊読む方法やインターネットで調べる方法があります。時間がない方は展覧会の公式サイトを全体的に見ておくだけでも、理解度が大きく変わると思います。

②直観を大切にし、周囲の声に左右されない


美術鑑賞には答えはありません。自分が感じたことや思ったことを大切にし、心に留めておいてください。

美術鑑賞していると、周囲から作品に対するさまざまな意見が聞こえてくることがあります。こうした声が聞こえてくると、「自分は作品をまったく理解できていない」「自分の感想なんて人に話せない。間違っているだろう」と思うこともあるかもしれません。

しかし、作品について思うことはそれぞれ違って当たり前です。周囲の感想ではなく、“自分がなぜそのように思ったのか”を大切にしてください。

③有名な作品を多く展示している展覧会にまずは行ってみる


どの展覧会に行けばよいか分からない人や現時点では興味があるアーティストがいない人は、有名な作品を多く出展している展覧会に行ってみることをおすすめします。学校の教科書で見た作品が展示されている展覧会や、名前をよく聞くアーティストの展覧会に行ってみるとよいでしょう。

例えば、日本ではモネやゴッホの人気は高く、多くの人が知っていると思います。モネのスイレンの絵やゴッホのひまわりの絵は実物を一度は見ておきたいところ。そのほかにも、北斎の描いた富士山の絵も実物を見てもらいたい絵の1つです。

また、話題性のある展覧会にはコアな美術ファンだけでなく、さまざまな人が鑑賞を楽しんでいます。美術館に慣れていな方も気後れせずに鑑賞できるはずです。

④音声ガイドを活用する


多くの美術館が展覧会ごとに音声ガイドを用意しています。音声ガイドのナレーションは有名俳優が担当していることも多く、それだけでワクワクすることもあるでしょう。

音声ガイドを使えば作品の見所やポイントを簡単に押さえられます。解説文を読むのが苦手な人や、展覧会のキーポイントを手軽に押さえたい人におすすめです。

⑤マナーを守る


展覧会では自分だけが楽しむのではなく、その空間を共有している人たち全員が楽しめるように心掛ける必要があります。

大声で会話をしたり、走りまわったりすると周囲の迷惑になることがあります。また、スタッフや来場者からその場で注意を受けることもあります。注意を受けてしまうと、気分が下がり、その後の鑑賞を楽しめないことにもなりかねません。

まとめ


日本には多くの美術館やミュージアムが存在し、さまざまな展覧会が開催されています。特に、東京都や大阪府といった大都市では世界的に有名な美術品が複数来日していることも珍しくありません。

美術鑑賞は人によってハードルが高く感じるかもしれませんが、半日以上にわたって数百円から2000円前後で楽しめるお財布にも比較的やさしい娯楽です。教科書やテレビで見知っている作品の実物に出会えたときの感動は大きなもです。

また、美術鑑賞ではさまざまな力を高められるので、自分磨きにもおすすめです。美術鑑賞で培える観察力や想像力、言語化力は起業家やイノベーターが仕事を進めていく上でも役立ちます。


Credit: Cignals編集部


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