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とっくにさよならしたかったよ


とっくに降りたいと思っている。

最初からこうなってしまうことは分かっていて、それでも生きることを選んだし死なないことを選ばざるを得なかった。だって死ぬのが怖かったから。

乳白色の海を泳いでも心臓が痛むのを止められなくて、いっそ叫んで消えてしまおうかと思った。
なんとなく買ったパワーストーンっぽいブレスレットも、眠る人のいる暗闇の中で探す靴下も、買ったばかりのAirPodsも、全部嫌になった。全部。

私を傷つける人も、私に傷つけられる人も、好きな人も嫌いな人も、誰もいなくなればいいのにな。
最初から無かったことにすることは出来ないから、せめて私だけでもいなくなっちゃおうかな。嘘だけど。

好きな曲も好きな映画も今日は私を救いません。

いいんですよ、別に。
自分の機嫌は自分で取ります。
心臓も痛くないし、嫌なことなんて何も無いし、つらいことなんて何一つないですよ。
生きるの、楽しいです。

そうやって毎日、少しずつ少しずつ誤魔化して、

あと2時間弱で25歳になるらしい。
また生まれ変わるらしい。また。

20歳の私に「あの時死んでおけばよかったね」と「あの時死ななくてよかったね」の2つの言葉を送ります。

大丈夫、大丈夫、大丈夫。

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